茶屋町勝呂さんのレビュー一覧

夏の塩 小説

榎田尤利  茶屋町勝呂 

わたしの原点

再入荷とのことで記念に。
装丁の美しいこのご本、幅広い帯に印刷された茶屋町さんのイラストが目を引く印象的なデザインです。
BLという言葉で括ってしまうには余りに勿体無い作品だなと思います、文芸的というか純粋に小説らしいというか。
BL臭さがない為に嫌煙されるタイプの小説であるとも言えるかも知れません。
魚住の過去による欠落や、それを向き合い見守っていく久留米の存在。
彼らを見守る周囲のキ…

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魚住くんシリーズ(5) リムレスの空 小説

榎田尤利  茶屋町勝呂 

いい本を読んだ、という充足感に溢れる。

このシリーズで、私は初めて泣いた。
ちょこちょこと、いろんなシーンで。
きっと一般的には3巻が一番痛くて辛くて
泣いてしまうのだと思うのだけど、
そこでは泣かず、
この完結編のちょっとしたところで泣いた。
辛い涙ではなく、あったかい涙。
最終巻では主に魚住が留学を決意するまでと、
ほんの少しのそれからが描かれている。

シリーズのラストである【夏の子供】では
初見の人物・太一…

2

魚住くんシリーズ(4) 過敏症 小説

榎田尤利  茶屋町勝呂 

シリーズ中一番ラブを感じる一冊。

魚住を想う他人の存在を目の当たりにするまで
魚住に触っても気持ちは整理出来ないままでいた
久留米がやっとこさ自覚する。
マリ、サリーム、響子がいる中で
すごく切羽詰まってる久留米は
ものすごくかわいいです…。
シリーズ中、一番BL色の強い巻だと思います。

4巻目にしてやっと、なんですが
3巻目までに、恋愛以外に本当に色々な事があるので
個人的にはものすごく焦らされた感は
あ…

1

魚住くんシリーズ(3) メッセージ 小説

榎田尤利  茶屋町勝呂 

生きることにおける他人の大きさ。

あ。
あ。
あ。
と思った、事故のシーン。
さちのがどうなるのか予想は付いていたのに
私が心構えなどする前に
そのシーンはものすごく突然で絶句しました。
でも実際の死も、病死でなければ
突然な事ばかりなんだろうという
当たり前のことを思い出しました。

萌えよりも痛みの強い巻ですが、
その分忘れられない巻でもあります。
「死」が一番リアルに絡む。
今迄喪失感を抑え込めて…

0

魚住くんシリーズ(2) プラスチックとふたつのキス 小説

榎田尤利  茶屋町勝呂 

他巻より印象は薄いけれど。

シリーズ2巻目。
連作の中ではそんなに印象は深くない。
元々この「魚住くんシリーズ」は
単話連作の様な形をとっていて、
全てのお話が繋がってはいるものの、
各話がそれぞれに一応完結、の形をとる。
この巻はその設定が活きた、
全く別々の視点から読む3話でした。
だから印象が深くなかったのだろうけれども、
面白くなかったということは全くなく。
後後、「この話は必要だったんだな」

0

魚住くんシリーズ(1) 夏の塩 小説

榎田尤利  茶屋町勝呂 

色褪せない、という感覚が分かる。

友情なのか愛情なのか憧れなのか。
こんなゆっくりペースのBLを読むと、
同性同士の恋愛において
性的欲求はひとつの指針となるんだよなという
当たり前のことを改めて感じます。

この巻で実際のふたりはキスすらもしない。
ラブの香りから自覚までのスローペース。
でも止まることなく読み進められた。
「萌える!」とか
「めっちゃ面白い!」
と言うのとはちょっと違う。
読みながら感じ…

3

秘密 小説

木原音瀬  茶屋町勝呂 

灰色と黒の沼みたいな

なんですかねこの主人公は・・・・・簡単に言うと「ひぐらしの鳴く頃に」の症状をわずらったような人物です。ひぐらし知らない人はごめんなさい。

字が読めない男(ディスレクシア)と小説家になりたいと夢をみる男の恋・・・愛を書いた一冊だと思います。
たぶん、主人公も精神的障害をわずらっているんでしょうがここでは詳しく書かてしません。
この主人公の思いこみにより充がかなり振り回されめんどくさいことに…

7

弁護士は恋を自白する 小説

榎田尤利  茶屋町勝呂 

メインカプよりサブカプが好きっす。

メインカプは
極度のマザコン男とNYにダンスの修行にきた日本人の男のなんともお騒がせなストーリーです。
中盤まで楽しんで読めました。
ただ後半の、受けを監禁してしまう攻めのあたりからなえた(笑)
二人が結ばれたあとの目が覚めた攻めにさらになえた!!!(笑)
ハーレクインというのを読んだことのない私にはちょっとわからないですが
お金持ちと貧乏のラブストーリーです。

サイドストーリー…

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夏の子供 小説

榎田尤利  茶屋町勝呂 

BLとしてではなく、ひとつの作品として、大好きな本。

榎田さんの処女作「魚住くんシリーズ」の新装版。
夏の塩が上巻、夏の子供が下巻。必ずセットでどうぞ。

残念ながら現在入手困難、中古もプレミア価格…になってしまいましたが、
旧版の魚住くんシリーズの中古ならわりと手に入れやすいかと。

以下、上下巻通しての感想です。

榎田尤利さんのシリーズものを一通り読了した中で、
交渉人シリーズと並んで一番好き、な作品になりました。

一話…

1

魚住くんシリーズ(1) 夏の塩 小説

榎田尤利  茶屋町勝呂 

カオのいい奴は得だなあ

 榎田尤利さんの魚住くんシリーズは、本当に読みたい作品でした。やっと読めました。
 人にも自分にも、無頓着で、衣食住にも関心がなくて、味覚障害や栄養失調になってしまう魚住くん。
 17歳までに4度も苗字が変わり、最後の里親も事故で亡くしてしまう、天涯孤独の魚住くん。信じられないくらいに綺麗な顔立ちをしていて、本人の自覚がないままに、女も男も彼に嵌ってしまう。そんな性質を持つ魚住くん。

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