茶屋町勝呂さんのレビュー一覧

世界の果てで待っていて -嘘とナイフ- 小説

高遠琉加  茶屋町勝呂 

寸止めのエロス

 BLとエロは切っても切れないもの。そもそもエッチシーンなしでBLが成り立つのか?

 そういう議論になるといつもこの作品のことを思います。この一冊の中で主人公の2人、櫂谷と黒澤の接触はキス以上には進みません。シリーズ前作「天使の傷痕」では、一度だけ関係を持つシーンがあります。裏表紙の作品紹介では「甘い一夜の記憶」とあるけれど、私には到底「甘い」とは思えませんでした。
 当時2人の関係は、も…

7

Home A place in the sun 小説

かわいゆみこ  茶屋町勝呂 

A House is Not A Home

「家」とは何か。
ある人にとっては安らぎ、ある人にとっては絶ち切りたい因縁の象徴。
また他人と「家」を作ることは、その人の人生を受けとめ責任を持つことも意味する。

本書は恋愛小説であると同時に、そうした「家」への様々な想いも伝わってくる、上質なヒューマンドラマ。
97年の発行だが、少しも古さを感じさせない。
とても普遍的で身近なテーマが胸に迫ってくる。


大阪の暴力団組長の妾…

2

世界の果てで待っていて -天使の傷痕-(新装版) 小説

高遠琉加  茶屋町勝呂 

その後の続刊はもうないんですかね・・・

虚無仮説のような小説が読みたいと思っていて、偶然、むしろドラマCDのキャストさん目当てでCD聴いてみようと思って、原作も読んでみようと思って読んだら、すごく良かった。
もう何年も前の本だけれども。
2冊め出された後続刊はされてないようだけれども。
まだ続くんですよね?
ぜひ続きを書いて欲しい。

ネクタイ外してくれっていうシーンがとてもエロく感じた(*´Д`)

2

魚住くんシリーズ・メモリアル I'm home 小説

榎田尤利  茶屋町勝呂 

魚住くんたちへの喪の儀式

魚住くんたちのその後が知りたくて購入しました。

遠距離恋愛を選んだ魚住くんたちに、らしいと思いましたが、やっぱりファンとしては幸せな姿が見たくて。離れても、近くにいた時と変わらない距離感のメールにじんとしました。
魚住の久留米あてのメールがよかったです。
ヒューストンに旅立った魚住と仲間たちのメールのやりとり、カラーコミック、山田ユギさんや宮本佳野さんの寄稿、Q&A、イラスト入りダイジェ…

1

夏の子供 小説

榎田尤利  茶屋町勝呂 

名作でした

レビューでの高評価を見て、夏の塩と合わせていつか読まねばと思って購入。装丁とボリュームから、これはしっかり態勢を整えてじっくり正面から読むべきだろうと、準備ができるまでお預けにしてから一気に読みました。

夏の塩は色とりどりのざわめきという印象に対し、こちらは終始静かで透明な水の印象でした。夏の昼下がりに遠くに喧騒が聞こえる奥まった場所で、建物の壁に水の波紋がゆらゆらと光を反射している中にたた…

1

夏の塩 小説

榎田尤利  茶屋町勝呂 

そっとしまっておきたい

なんと言っていいかわかりません。
興味深い、感動するようなお話を読むと、その感動を語りたくなるものだと思っていました。
この作品を読んで、逆に何も言いたくないということもあるのだなぁと知りました。
あらすじも分析も感想も、何も言いたくないのです。
不安定な器になみなみと入った透明な水を受け取った気分です。それをこぼさず波立てず、そのまま奥深くにしまっておきたい。そんな気持ちになりました。

4

世界の果てで待っていて -嘘とナイフ- 小説

高遠琉加  茶屋町勝呂 

キスだけでも萌える作品、恐るべし

『世界の果てで待っていて-天使の傷痕-』の続編です。
先にあとがきを読んで知ったのですが、まだ続くようでして。
前作に引き続き、攻め受けの視点が切り替わる作品です。
よく、続編を先に読んでも問題ないものも多いですが、出来れば順番通りに読まれるのをお勧めします。

変わらず攻めは元・刑事で探偵の統一郎。
受けは元・統一郎の同僚で刑事の雪人です。
といってもこの巻では、最後まではありませ…

3

世界の果てで待っていて -天使の傷痕-(新装版) 小説

高遠琉加  茶屋町勝呂 

すごく良かった!オススメ!

最近読み始めた高遠さんの作品。
新装版ということで、イラストは茶屋町勝呂さんとなっています。
書き下ろしSSつき。
攻め受けの両視点です。


攻めの統一郎は探偵事務所の所長。
行動力があり男女問わず惹かれる魅力のある人間で、二年前までは刑事でした。

受けの雪人は、元・統一郎の同僚で渋谷警察署の刑事。
端正で切れ者の雰囲気。
現在も統一郎とは縁続きです。


渋谷が舞…

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世界の果てで待っていて -天使の傷痕-(新装版) 小説

高遠琉加  茶屋町勝呂 

ゾクゾクする

かつての同僚刑事だった統一郎と雪人。
2年前、統一郎は警察を辞め、今では一人で探偵事務所をやっていて、
雪人はそのまま警察に残っている。
ある雨の日、統一郎の事務所で彼の帰りを待っていた依頼人は、制服を着た中学生で、、。

ストーリーが進む中で、少しずつ明かされる二人の間の過去の出来事。

このお話の二人は、恋人同士でもないし、目眩く肉欲の世界が展開する事なんて尚更無いし、BLとして…

5

赤の原遊戯 アカノワシュピール コミック

茶屋町勝呂 

軍服好きの原点

大昔にビーボーイ版で一気に読んだ思い出。
新装版もやっぱり買っちゃった、という訳です。

この時代の他所の国の政治にどうこう言うつもりは毛頭ございません。
ただ、軍服のセンスは素晴らしいぞ!と。
ストイックをカタチにすればきっとあんなお召し物になるのね、と当時小娘だった私は妙に感動したものでございます。

物語はすっきりさっぱりいちゃいちゃとは程遠いむしろ少し薄暗い印象。
仕方がな…

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