竹美家ららさんのレビュー一覧

meet,again. 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

やっと読めた

前作から気になっていた栫ということで、読む気は満々で
買ったのですが、なんとなく、恐くて手を付けれなかったのですが、
やっと読めました。

前作からの世界観が生きていて、
純文学の小説を読んでいるような印象をうけます。
また、砂時計職人ということで、砂や砂時計により
世界観を表していることが、この心象を作り出してくれているのだと思います。

救いのある物語ではありませんでしたが、…

3

meet,again. 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

失われた物を求めて

失われた物があまりにも大きすぎて、歪になってしまった人たちが、
失われたことを受け入れて、
ずっとそこにあった物と、あらためてであうお話。

砂時計が象徴する、完全なる対象、流れる時。

一穂さんの作品は、テーマとモチーフの結び付け方にいつも感心します。
この作品は、特に。

BLとして、エロい萌えどころは希薄です。
でも、このお話は、BLじゃないと成立しそうもない。
「萌」…

4

meet,again. 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

題名に沿って

はじめは「meet,again.」という題名にオシャレだなあという思いしかなかったのですが、紙をめくって、この本の中の世界に引き込まれるにつれて、この題名の意味がわかってくるようで、胸が痛くなると同時にとてもぞっとしました。

このお話は、少しだけ人とちがった、いわゆる「超能力」をもった母親を交通事故で亡くしてしまった嵐くん(受)と、失踪してしまった一卵性双生児の兄を持つ機械のような栫(攻)の…

5

羊とオオカミの理由 小説

杉原理生  竹美家らら 

ほっこりと可愛らしい2人。

無性に年下攻が読みたくなり、購入。
読み始める前は、あちらこちらで章彦(受)が「お花畑」だの「可愛い」だのと言われていたので、一体どんな不思議ちゃん受が来るのかと身構えていましたが、そんな心配は必要ありませんでした(笑)
全体的な雰囲気はほのぼのアットホームですが、章彦はちゃんと地に足のついた28歳の社会人男性(ただし極度のブラコン)としてきちんと書かれてました(笑)

最初は、重度のブラ…

3

meet,again. 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

いつもながらの丁寧な描写でした

この作者は好きな人にはこよなく愛されるけれど苦手な人には
なかなか最後まで読むには努力を必要とされる内容があると
何度か感じた作家さんですね。
まぁ、相対的にはかなり高評価の作家さんでもありますね。
今回の作品も実に丁寧に人間の描写を施してる作品でした。
大学生と学生生協のバイトで砂時計職人の息子との何処か歪で
空虚な心を抱えてる二人が必然の再会をし、心の再生をしていく
ようなストー…

5

しもべと犬 小説

玄上八絹  竹美家らら 

大切な人を殺すかも知れないジレンマ。そして。

初読の弦上作品です。

大切だからこそ離れたい心、恋しさを受け止めて貰えないもどかしさを、これでもかと喰らわせて頂きました。
言葉や動きの1つずつ、周りの登場人物も事件も手を抜かず。
主従で・刑事もので・すれ違いでの、自分の好き要素が、人×クローン(犬)というSFチックの自分不得手シチュを隠して、全く気にならなかった。
と、言うか、だからこそ話を膨らませたんだろう。
事件が最後尻つぼみ…

4

meet,again. 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

それぞれがそれぞれを補って余りある存在

「好きだよ」とか「愛してる」とかそういう二人の関係ではないんだろうな、何と言うか、互いを埋める存在というんだろうか。
本質をわかってくれているのは、互いだけだったということを知ったことで成立する二人の関係なのかな。
と、読了後そう思いました。
文章だけを追っていくと、実にあっさりと文字は視覚から脳へ入って行くけど、読んでいる最中にというより、読んだ後に、あの時彼はどうしてこう言ったのか、こう…

3

罪の海に満ちる星 小説

森田しほ  竹美家らら 

兄だけが全てだった受けさまに・・・

運命の出会いのように過去に囚われている受け様と
困惑ともどかしさを抱えながらも傍に寄り添い二人の
未来を掴もうとする攻め様との悲しく切ないながらも
再生への一歩を踏み出す愛情物語でした。
ストーリーの構成自体はかなり重めで暗くなりがちかも知れません。
受け様の精神的に成長しきれていない無邪気さが却って
その重さを助長するんです。

親に捨てられ、残された10才と17才の兄弟、身勝手…

1

罪の海に満ちる星 小説

森田しほ  竹美家らら 

半分涅槃にいる子

作者さんのサイトで綴られた「兄の掌」というお話の弟のその後編ということになるそうです。
文中に入れられた、その過去のお話は非常に辛く厳しく
育児放棄された兄弟が身を寄せ合って、二人だけでしのぐ姿が垣間見られます。
この弟にはどうしようもない救い難いものがあります。
重く苦しく、果たしてこの関係が進展したこの終わりでいいのだろうか?
確かに救われたハッピーエンドの形をとって、ラブ度の高い後…

2

雪よ林檎の香のごとく 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

学園モノ

読後、間が空いてしまったために、どんな話だったのか思い出せない・・
ということは、そんなにインパクトのある話ではなかったのか。

ここでの評価がすごく良い作品であり
早いうちに読んでみたいと思い続けてきた作品でありました。
しっとりと、ほかのBLにはない雰囲気を感じた。
思い出すべく、ページをめくって思う。
繰り返し読むことで味が出る作品なのだろうか。
昔は、同じ本をなんでも繰り返…

5
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