竹美家ららさんのレビュー一覧

キスなんて大きらい 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

「早く大人になれ」

同じタイトルの絵本があるなー、とまず思った。
黒地にネコが腕組みしている絵の表紙、大人扱いして欲しいヤンチャ坊主の話。
http://www.amazon.co.jp/キスなんてだいきらい-世界の傑作絵本B-トミー・ウンゲラー/dp/457940100X

本編の最後、桂は「明日の朝起きたらキスしてもいい?」と聞いた。
でも夜が明けても、桂はキスをしてこなかった。
経験値の違いをあれこ…

2

誘惑のゆくえ 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

京都、真夏の夜の夢

『おとぎ話のゆくえ』の番外編。

本編のあと大学生になった湊は、京都で暮している。
そこには来杉もいて、生まれて初めて若様としてではなく過ごす日々…、
「そして二人はいつまでもなかよく暮しました。めでたしめでたし。」
というのがおとぎ話の定番だが、湊のそれは4年の(6年や9年かもしれないが)期間限定だ。

生まれ育った土地で当たり前だと思って背負っていた荷物が、実は重く窮屈なものであ…

6

ディア・ムーン 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

手の中の三日月

『藍より甘く』の番外編。
故郷に帰って家業を手伝う遥と、時間を作って通ってくる暁行。
ちょっと無理しながらの遠距離恋愛の日々だ。

かなうと思っていなかった恋の成就に、まだ戸惑っているような遥。
くたびれ果てても遥のところにやって来た暁行の、忙しくて伸びきった足の爪を遥が切ってやる。
遥と真逆に決めたらまっすぐ力強い暁行なのに、爪を切って貰うのに照れる様はちょっと可愛い。

切り取…

2

Why Don't You 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

キスしろよ、キスするぞ、ばかやろう。

「雪よ林檎の香のごとく」の番外編、本編の翌日の物語。

新千歳で一泊した志緒と桂が、飛行機に乗って帰京するところから物語は始まる。
心が通じあったものの、何もなく過ぎた夜。
志緒の頭の中を、寝る直前に桂が言った「明日の朝起きたら、キスしてもいい?」という
セリフがぐるぐると回っている。

遅刻して辿り着いた学校は、文化祭の真っ最中。
浮かれた空気の中、いつもの学校の中でいつもの教師…

2

雪よ林檎の香のごとく 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

リアルを感じる鮮明さ。

一穂作品を読むなら、清冽なデビュー作から読んではいかが?
そう薦められて、こちらのデビュー作から読んでみました。

“清冽な” と自分の辞書にはなかった言葉を言われて、
清らで爽やかな春の風のようなイメージかな?と思いつつ本を開いてみましたが、
ちょっと違ったみたい・・・とすぐに思いました。

それは、言葉の意味の把握具合がよくないのもそうなんですが、
なによりこの本から、清らか…

10

Summer Tune 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

かわいい

志緒の妹が成長したな~というのが、先に来てしまいました(笑)
本編では、まだお腹の中にいて産まれてなかったのですが、
年の離れた兄妹となることを志緒が気にしていたのを
思いだします。
志緒はきっと妹思いなお兄ちゃんなんだろうなと
しみじみしてしまいました。

今回は、志緒の両親が数日不在で、志緒と妹で
過ごしている様子です。一軒家に2人だけでいることを
桂はとても心配します。

2

ちょうちょ結び 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

我慢できず購入!

「雪よ林檎の香のごとく」に感動して、
同人誌を出されているとしり、我慢できず購入に
いたりました。
16ページということで、薄いのですが、
その分、文字が細かいく、多く読める点が嬉しいです。

本作のみどころは、桂の和装なのですが、
個人的には、志緒です。
本編から数年後、もう志緒は、大人になっています。
でも、あの頃のみずみずしい心をそのまま持っているのではなく、
ちゃんと成…

2

Why Don't You 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

桂の心、志緒知らず。

『雪よ林檎の香のごとく』で
志緒が“ゆうき”を札幌へ見に行き、桂も追いかけて来て
帰りの飛行機からのお話。

ホテルに泊まったけれど何もせず
「起きたらキスしていい?」って桂は確かに言ったのに
起きてもご飯食べても身支度しても
一向にキスしてくれる気配がない。

学校は学園祭で、今しか出来ない経験なんだからと
親に「学園祭が終わってから帰します」と言ったそうで、
11時前くら…

2

感情教育 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

エピソードの効果とミチさんの文体の美しさ!!

他校(女子高)の生徒に電車で耳をぺロッと舐められるという
痴漢行為に遭ってしまう志緒のお話なのですが
これがもう、本編より志緒も桂も志緒の両親も
大っっっ好きになってしまう同人誌です!!

男子高生ならば、女子に触られるだけでラッキーと思うケースが多い中、
志緒にしてみれば不快極まりなくて一人で女子高にのりこみ
学校へ連絡が入り、桂が自ら希望して駆けつける事に。
“何でお前って、い…

1

雪よ林檎の香のごとく 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

何と素敵な物語でしょうか

タイトルから文学的な作品かと思い、
堅苦しそうで、情緒的に感じてしまい
なかなか読む気になれませんでした。
しかし、しかし、早く読めば良かったっ!
涙してしまいましたよ。

教師、生徒ものは数多くあると思うのですが、
その設定だけで終始してしまうことも多いと思います。
この作品では、1人1人の姿が浮き出てくるようでした。

特に、生徒(受)の志緒が好きです。
いつもは、攻が好…

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