竹美家ららさんのレビュー一覧

キスなんて大きらい 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

舌が歯をなぞる

『雪よ林檎の香のごとく』同人誌4冊目。

まずはじめに。
竹美家ららさんの描く表紙に相当キュンと来ます…!
ふたりのたくさんのキス。最近涙腺が弱いのか、あぁ幸せそうだなと思えば思う程目頭が熱くなる私(笑)
『キスなんて大きらい』ってタイトルなのに!いっぱいしてる!

親知らずを抜いて頬が腫れていた桂。
前歯の乳歯が抜けそうでマスクをする志緒。
頬の腫れを気付けなかった志緒。
見…

3

Why Don't You 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

不安と焦りと期待と我慢

『雪よ林檎の香のごとく』同人誌3冊目。
二人の気持ちが繋がった翌日、北海道をあとにする機内の中で「空港からそのまま学校へ行けよ」と、志緒が先生に言われるところから進んでいきます。

お互いの気持ちがお互いにしっかり通じて、確かめて、手も握って。
そして引き戻された現実世界。
二人だけで過ごした、たった数時間がまるで夢だったんじゃないかと思えるくらいの、「先生と生徒」の学校祭。

今。…

1

bitter,bitter,sweet(ドラマCD『雪よ林檎の香のごとく』ブックレット内SS) グッズ

苦く、甘く。

ドラマCD『雪よ林檎の香のごとく』のブックレットに掲載されている、先生と志緒の心が繋がった、翌朝のホテルでのSS。
(※ドラマCDはまだ聴いて居ません)
同人誌3冊目の前に、再読してみました。

夜が明けない早い時間に目が覚めた志緒。
全てに現実味を帯びなくて、外をそうっと眺めると雪が道路を覆っている北海道の景色。
ビールも煙草も、あの苦さは志緒の意識を覚醒させるクスリだったのでしょう…

2

meet,again. 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

やっぱり

一穂さんの作品らしいといえばらしいですよね
雪よ~ででてきた栫。
栫ってめちゃくちゃ気になってたんですよね雪よ~の時点で。
読み進めていくうちにやっぱり泣いちゃいます
栫にいらだったり、嵐がとってもかわいそうに見えたり
でも私は読んでて栫を嫌いにならなかったです
むしろ読んでいくうちに栫が好きになって
嵐も栫も重たい過去があるじゃないですか
読んでてつらいけど、読み終わってみると暖…

6

雪よ林檎の香のごとく 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

柔らかい執着が融かす凍った心

私がこの作品を読んで強く惹きつ付けられた部分、それはいろいろな形で表現されている「執着」です。

まず、高校生の時の桂先生の、葉子先生への情熱的な執着。
モノクロの世界に投じられた淡いブルー、桂先生の中に立った恋のフラグです。
「束の間の蜜月と嵐のごとき修羅場」という言葉で表現されていますが、当時の桂先生には葉子先生という存在だけが色を持ち、彼女を振り向かせることが自分の人生においての宿命…

24

meet,again. 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

羽化、あるいは動き出した砂時計

「雪よ林檎の香のごとく」に出て来た非常に印象的な人物、栫(かこい)史朗。
彼は人並みはずれて整った容姿と明晰な頭脳を持ちながら、どこか空虚な
というより、底なし沼のような得体の知れない人物……
彼が主人公と知った時、まず思ったのは栫と恋愛ということのあまりの馴染まなさだった。

一方の町村嵐は、大学の生協でアルバイトをしながら
砂時計職人の父の仕事を手伝いつつ修行中の、ごく普通の青年だ…

16

オンユアマーク グッズ

光に満ちた、…

数ある『林檎』の番外編の中でも、とりわけ好きな一編。

時間は付き合い始めて暫く経ち、志緒は高校に二年生になっている。
体育祭を前にした学校の情景、その中での志雄が桂の視点で描かれている。

生き生きと描かれる高校生達の描写の中、志緒が鮮やかに浮き上がる。
それは、志緒の持つ得難い個性の故もあるし、何よりも桂が見ているから。

そんな中、背筋の伸びた少女・山辺さんが志緒に恋している…

4

2012 New Year 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

彼の救いのある未来

「meet,again.」の番外編。

本編の最後で、嵐は父親から他所での修行を持ちかけられていて、
明らかにそれを決めているシーンこそなかったが
彼がそうする事にしてどこかの町(?)に移り住んだ事は察っせられていた。

志緒には相談したし、美夏だって知っている。
でも栫には言っていない、言えない。
結局大学でのバイトの最終日になって、ようやく電話をかけて栫を呼び出したところ…

9

meet,again. 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

評価に悩む…

私にとってBLではなかった。
しかし!萌えなくても面白かった。という作品。

読んでる間、ずっと得体の知れないザラザラとした不安感と不快感に抱きすくめられたような気分になりました。
つまった喉をケホッと吐くと砂が出そう。
 
短めの文が淡々と繋がれて読みやすい綺麗な文章だと思います。

栫の静かな荒廃感漂うキャラクターのみがハッキリと印象づけられるのに対して話は嵐の母の資質・栫の家庭環境を含む生い…

6

ランデブー 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

南の島にて

志緒、大学4年生の夏休み。
彼は家族とともに沖縄に旅行に来ている。
本編で生まれた妹美夏も、もう来年は学校に上がる年齢だ。

偶然職場の親睦旅行が同じ時期の沖縄に重なった桂と、南の島で一日だけのランデブー。
離島の空港に迎えにくる志緒、降り立つ桂。
家族が出払った明るい昼間のコテージで抱き合った後は…

桂が「珊瑚の骨を踏んでいるようで申し訳ない」というシーンが好き。
志緒の研ぎ…

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