草間さかえさんのレビュー一覧

恋で花実は咲くのです 小説

久我有加  草間さかえ 

シリースで一番コミカル?!

新刊「片恋の病」をきっかけにシリーズを再読しています。

お笑いを舞台にした作品では一番これがコミカルだなと思いました。
「片恋の病」も、「何でやねん!」「月も星もない」もシリアスでぴりぴりしたものを感じるのですが、こちらは支配人×元芸人という支える立場だからか、ふははと笑えました。

コンビでないカップルだからか、仕事ではともかく恋愛ではそう言い争いにはなりません。芝山が口に出さず、腹…

0

運命かもしれない恋 小説

渡海奈穂  草間さかえ 

運命の人

草間先生による素敵な表紙同様、何だか優しい気持ちになれるお話でした。

同じ人に何度も好きになり、疎遠になりながらも数年後遠く離れた地で再会してまた好きになる…と、いささかドラマティックすぎやしないか?と思うところはあります。
名久井のそれまでの人生も波瀾万丈という(^^;;
そんな「ありえないだろ」なシチュエーションながら、二人のお互いを思う気持ちがじんわり沁みました。

『運命かも…

5

アドリアン・イングリッシュ(5) 瞑き流れ 小説

ジョシュ・ラニヨン  草間さかえ 

かなりBLっぽいうだうだ感

ミステリーのネタバレはしないようレビューします。

まあ終わりよければすべて良しなんですが。

今作は、ひたすらアドリアンの乙女なうだうだに終始します。日本BLのテンプレをみるようです。やはりラブで何かストーリーを考えるって大変なんですね。今作で完結ですが、二人の関係として、特に3作目からは何かすっきりしない展開が続きました。

そして、強くて、自分に厳しく、寡黙で、大切な人には死ぬほ…

7

アドリアン・イングリッシュ(4) 海賊王の死 小説

ジョシュ・ラニヨン  草間さかえ 

ジェイクのキャラが理解できない

ミステリーのネタバレはしないようにレビューします。

シリーズ4作目。3作目が別離だったので、4作目はどういう展開でくるのかと期待しつつ読み始めました。
しかし、最初でやられました。あれほどにつらい気持ちで別れたのに、アドリアンとつきあう前から、あの甘いシリーズ2作目の間も、そしてジェイクが結婚した後も、5年にわたってポールという2枚目俳優と関係を持ち続けていたジェイクに失望です。

当…

8

アドリアン・イングリッシュ(3) 悪魔の聖餐 小説

ジョシュ・ラニヨン  草間さかえ 

痛い3作目

ミステリーのネタバレはしないようレビューします。

シリーズ3作目は、草間さんのカバーがさすが、と思わせられる内容。この3作目からは、作者の都合でキャラクターや二人の愛がゆがんでしまったと言うしかない、残念な展開です。4作目以降の展開も考えた上での、つらい回です。

ミステリーの方は、カルト集団がテーマ。カルト作家や、カルトを専門にする大学教授ガイなどが絡んできます。

メインの二人の…

2

アドリアン・イングリッシュ(2) 死者の囁き 小説

ジョシュ・ラニヨン  草間さかえ 

甘い二人

ミステリーのネタバレはしないようにレビューします。

シリーズ第二弾。シリーズ中一番甘い作品でしょう。

1作目のラストで、ようやくアドリアンへの想いを吐露したジェイク。といっても寡黙で自分を抑えるジェイクですから、はっきりと言葉にはしません。
しかし、交際が始まった二人。

ジェイクは刑事という仕事柄もありクローゼット(カムアウトしていない)。ここがシリーズ前編にわたって今後キーに…

6

アドリアン・イングリッシュ(1) 天使の影 小説

ジョシュ・ラニヨン  草間さかえ 

非常に出来の良いBL

ミステリーのネタバレはしないようにレビューします。

本格派ミステリーの中に織り込まれたBL。読み物としてクオリティが高く最後まで息もつかせず読ませます。(しかし、本格ミステリーとまではいかない)

シリーズ5作で完結ですが、この1作目は執筆当初は当然単発として書かれたのでしょう、この作品だけでさわやかなBLとして読めます。

体の弱いアドリアンと、ひたすら強い男、ジェイク。ジェイクは…

10

きみのハートに刻印を 小説

椹野道流  草間さかえ 

がっつり仕事

最近の喫茶店物が面白かったので、先生の過去作品に遡ってみました。
適当にチョイスしたら、スピンオフ・・・orz 
「サプリ」の方は読んでなかったですが、問題なく読めました。
工学部卒(!)で薬品会社入社し打錠室勤務となった27歳と
アンティークドールみたいな容姿をもつその男子を、
一生懸命口説くイケメン研究者の恋話+めっちゃお仕事話 でした。
本編250P弱+先生のあとがき です。

0

檻の外 小説

木原音瀬  草間さかえ 

見返りのない愛とは

まるで、一本の映画を見終えたような充足感。愛し愛されるとは、人生とは…そんなメッセージがそこいらに散らばっているのに、この二人が辿る道は特別ではなく、どこにでもある幸福の形でした。

『箱の中』を出て外で織り成す展開は劇的な事件へと発展していきます。少々、唐突感を否めなくもありませんが、冤罪で苦しんだ堂野という男を考えると、こういう結果に妙に納得できる気がしました。
堂野は友人として喜多川を…

16

箱の中 小説

木原音瀬  草間さかえ 

BL界の芥川賞

障壁を乗り越えて辿り着く純愛、それが男同士だからこそ、カタルシスを得る事ができるのがBLならば、もしかしたらこれはBLとは言えないかもしれない。次巻の『檻の外』と合わせてひとつの物語である今作は、理屈でいえば充分BLなのだけど…BLという枠に収まらない。それは人間を描いているからなのでしょう。
木原さんの作品は総じて、BLの枠に収まらないと評される物が多い印象ですが、今作もまた然り。だって甘々で…

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