西条公威さんのレビュー一覧

造花の解体 小説

西条公威  茶屋町勝呂 

肉体と精神の物語

実に9年ぶりの西条さんの新刊!
といっても、「スペル・イー・エス」のシリーズの未掲載分とウェブ発表短編、そして書き下ろしが1本のまるまる新作というわけではありませんでしたが、西条ファンとしてはこれが足がかりで電子書籍以外の紙媒体の新作をまた見られるきっかけになるといいな、と密かに期待と応援をしております。

壊れたモノ(身体)を専門に撮るカメラマン・エスと、彼に仕事を依頼してくる人々のお話は…

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恋をするのはおうちの事情 2 小説

西条公威  有藤せな 

雨降って地固まって

1巻で“幸せ~♪”なラストだったのに、何でしょー?主人公の雅哉がまた自ら、嫌な方へ嫌な方へ向ってしまうんだよねぇ・・・
自分を何度も置いて行く親達から嫌な思いをさせられたのに、自分がそうしてしまった事、田中や元カノだけのせいだけじゃないと思うけど。

それにしても、西条先生の主キャラに付随の雑魚(一般人)の書き方は「小鬼畜」ですね。
「善良な市民」のはずが、犯罪者になるのが嬉しいとばかりの…

1

恋をするのはおうちの事情 小説

西条公威  有藤せな 

西条作品がこんなにスウィート~?!

何たって「エログロ超痛作品」の作家さんですから、初めは力を込めて恐る恐る頁を開いたのは分って頂けると思います!
・・・それがですね、
呆気にとられた程?痛くなく甘い作品に、ちょっと肩を落とした自分でした。(失礼)
あとがきにも、出版社さんの要望でとありましたし、作者ご本人も楽しめたとの事で何よりです。

受けの雅哉の境遇は可哀想なんです。
何たって、実父はスグいなくなっちゃうし、その度…

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ACID REIGN 小説

西条公威  屠場一郎 

西条公威・お試し版の同人誌

来月、久し振りの商業誌【造花の解体】を出されますね!
'02【鋭利な刃物】'96【殺人音楽】(3作とも茶屋町勝呂先生作画)とも主人公がエスですが、この冊子もエスが出ていました。

『灰皿』
なんかダルダル~としてます←好きです♪
イメージで言うと村上龍のドラッグ小説の世界観って感じかな。
横の物を縦にしない「エス」だから、体を繋げる男の部屋での喫煙も灰皿が無いのを知…

0

鋭利な刃物 Spell e.s.series 小説

西条公威  茶屋町勝呂 

性は生

この評価に普通の「萌え」という言葉通りのモノを思ったらそれは全く違い、どちらかというと共感度かもしれません。
BLと呼ぶにはあまりに猟奇的で節操もなく、いわゆる”ヘンタイ”と呼ぶ特別嗜好の者達の物語ではあるからです。
作者さんがうつ病を発症する前に書かれたものか、その前後を含むものなのかは不明ですが西条作品らしい壊れた人々が満載です。

主人公は通称「スペルE.S」=エスと呼ばれるアンダー…

5

夜には凍る道 小説

西条公威  神葉理世 

萌と中立の半分位

4作収録された短編集、この4作が自分内では評価が見事にバラバラになりました。
神は「もっと。壊れるくらい。」
萌は「夜には凍る道」
萌と中立の半々は「暴虐ノ夜」
趣味じゃないは「鋼鉄都市破壊指令」

西条さんの文体って小さな棘があってザリザリした印象があるんですが、それを面白いと感じるのか、ちょっと青臭いというかややあざといと感じるのかが作品によって全く違っていてそこが評価バラバラに繋…

1

恋をするのはおうちの事情 2 小説

西条公威  有藤せな 

そんな痛くない西条さん作品

前巻に引き続き、これなら読める西条さん作品。
弟は既に母親の元へと戻り、1人になった雅哉は田中と同棲してます、バイトをしながら家事をするというパート主婦っぽい生活で田中をお出迎えしてお風呂でいちゃいちゃエロとか、問題が全く無い訳ではないんですが基本的にもっそい甘ーいラブラブな出だし。
そんな甘い生活は、失踪していた雅哉の父が急にまた新しい妻と子を連れて戻ってきたり、田中の元彼女が現れたりした事…

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恋をするのはおうちの事情 小説

西条公威  有藤せな 

そんな痛くない西条さん作品

帯『ひどいくらい優しくして…』

実は西条さん作品は痛過ぎてちょっと苦手なんですが、これはそこまで痛かったりエグかったりが無いので自分でも大丈夫でしたー。
そういう意味では西条さん作品の中では、比較的万人向かも。

父親は失踪中、義母は雅哉[受]が高校卒業した日にまだ幼稚園児の義弟を置いて姿を消してしまいます。
とたんに光熱費、家賃、食費と2人が生きて行く為の生活費が一気に雅哉の両肩に…

2

ご奉仕させていただきます 小説

西条公威  島あさひ 

悲壮なる一冊

西条公威作品の休筆直前に出版された一冊。
それまで、西条作品といえば痛くて変態でSMで、というエロではあるけれど深い心の闇を暴きだすような作品がほとんどで、この出版社から出ている作品はどれも幾分ライトで、どちらかというと現在電子配信されている路線に近いものかもしれないが、それでもこの作品を読んだ時の驚愕は空いた口がふさがらないと言うか、、、。
読んでいて、何でこんなに意味がないんだろう?こんな…

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孕み猫 小説

西条公威  小菅久実 

隷属と支配

同じ作者による『現のヤマイ』にも表現されていたことですが、この一冊は”支配”と”隷属”がよりわかりやすく、さらに具現化して表現されているように思えます。
それぞれの本の後書きに、作者が過去隷属を強いられた立場であったことが綴られ、その恨み(なのだろうか?)が隷属の立場からではなく、支配する立場の表現でどうやって隷属させられていったかをまざまざと見せつけることに成功しています。
単なるハードコア…

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