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3/3(合計:30件)
生嶋美弥
葡萄瓜
蕗谷忠則が雨宮誉を抱いた理由は 誉を再び立ち上がらせる為でした。 そして、時は流れ。 蕗谷忠則が雨宮誉に抱かれた理由は、 彼を愛したいと自覚したからでした。 雨宮誉が蕗谷忠則に抱かれたのは 誰かに愛されたいと願っていたから でした。 そして、時は流れ。 雨宮誉が蕗谷忠則を抱いたのは、 包み込む様に彼を愛したいと欲した 結果からでした。 肉体的な立ち位置の逆転は、彼等…
岩田天涯と篠原カヲルの関係は、 単純に男女のそれに置き換えられる ものだろうか? 否。 そう断ずる事が出来る関係性なら、 何も残るまい。 そして、何かは確実に残っている 様に見受けられる。 同時収録作は篠原カヲルの書生・ 野山広太とその友人花屋敷竜虎の 物語。そして、時代の断絶と再生の 物語。あたかも版元の後日を予見 しているかの様な。
激動の時代の中で、それでもひたむきに 生きようとする若者達。 彼等は確かに「もののふ」だった。 「そして春の月」シリーズ第三集。 同時収録作はパラレル学園もの。
作中で展開される文学論議は相変わらず一々 胸に刺さりますね。 ボーイズラブと言う分野の存在意義にひやりと 切っ先を向けられている様で。偶然の一致と 言えばそれまでなのでしょうが。 肉体的な立ち位置では岩田天涯は抱く側で 篠原カヲルは抱かれる側です。 しかし、精神面では二人の位置は逆転して います。それこそこの作品世界の魅力なの ではあるまいか、と。
愛する側も漢であれば、愛される側もまた漢。 漢同士であるからこそ、直向さ加減が抑えきれず ぶつかる事とて時にある。 静かなうねりを見せる「そして春の月」続刊。 同時収録作はパラレル学園もの。
岩田天涯の篠原カヲルへの執心は独占欲の様に見えて、 実は何かに対する崇拝なのではないか、とふと垣間見える 一瞬がある。 そう。人でなしが恋しい男に執着しているのではない。 人でなしと自らを責めている男が、恋しい男の中に救いを 見出したいと無意識に願っているのだ。 文士同士の恋模様を描くシリーズ、端緒であります。
作品を作るという事は、単純な生産作業ではなく、 また放出作業ではない。 時に自らの骨肉を削って分身を生み出す、そう言う 過程だ。 岩田天涯がそう言う文士であるからこそ、篠原カヲルは 彼を赦し、受け入れてしまうのだろう。 一読者として一寸怖くなったのは、その創作と言う事に 対しての問い掛けが、そのままボーイズラブと言う ジャンルにも(無意識の内に)向けられているのでは ないかと…
先ず誤解なき様に。 表紙の人達は表題作の人達ではありません。 同時収録作『双葉高校演劇部』の幼馴染な 美人部長・北原光(受)と強面脚本家・村上 征二(攻)です。 表題作の二人は受の卒業後から付き合いを 始めますが、その関係のあり方は作品表題 とは裏腹、としか言い様が無いかと。 それもまた運命なのでしょうけど。 表題作以外は…抑えきれない思いが暴走 していたとしても概ねハ…
時代は残酷な程確実に流れ行く。 その中で、心の絆は不変だった。 愛かどうかは明言できないけれど、 同じ明日を見つめる者同士の絆は、 確かに残った。 新釈新撰組物語最終巻。 同時収録は学園パラレル者完結編。 ある意味本編よりも受が素直。
一言で言えば 「大義名分に依存していない新撰組の物語」 です。 そもそも抱かれるきっかけが人斬りの後の ショック療法的なものなのですから。 それでも、確かに何かの絆はあったのです。