杉原理生さんのレビュー一覧

いとしさを追いかける 小説

杉原理生  麻々原絵里依 

心が絞られました

『テレビの夜』と、その続編の『いとしさを追いかける』の二編が入ってます。
『テレビの夜』は神でしたねー。
一人称の主人公の掴みどころのない性格が好きで、引き込まれるように読みました。
主人公とその先輩の掛井の過去と現代が、交互に語られます。
高校時代、主人公は掛井と仲良くしていた。
主人公の母親は掛井の父親の愛人をしており、興味本意で近づいたのがキッカケだった。
ゲイである掛井が自分に惹かれている…

2

世界が終わるまできみと 小説

杉原理生  高星麻子 

読みごたえたっぷり

二部作なんですが、前半部分がとくに好きでした。
14歳と14歳の、無力で寂しく、でも芯の強い少年ふたりが心を通わせてゆく様子は、胸が絞られるようでした。
二人の少年の父親同士の微妙な関係も良かったですねぇ。はっきりとは描写されないんですが、行間から伝わってくるんです。この父親二人の関係は最後までハッキリとは書かれていないんですが、どう想像しても、萌えるし、切ないです。肉体関係があっても萌えるし切な…

2

いとしさを追いかける 小説

杉原理生  麻々原絵里依 

つつみこむような優しさがくせになっちゃいます!

裏切られてもそれでも愛して許している寛容で優しいキャラ、そしてそんな優しさに甘えきれずぐるぐる思い悩む主人公どうも、杉原さんはそういうキャラがお好きなようで、ルチルの二冊共に登場してきます。
が、この菩薩様のように寛容なキャラがくせ者です。
蜜の味なんですよ、くせになるほどよい甘さが、疲労した心に染み渡り癒されていくんです。
年末からの六青みつみ先生や、真瀬もと先生の痛いお話にいたたと心が疲…

3

いとしさを追いかける 小説

杉原理生  麻々原絵里依 

ヒットです!

物語はスリルを孕んで始まります。

傷つけた人を追いかけて上京する杜国。詰られるかも無視されるかもと思いつつ接していっても、相手の掛井は昔と同じ態度だし。
本心ではどう思っているんだろう?という杜国のもやもやと、掛井のひょうひょうとした態度にとってもドキドキしてしまいました。いつ地雷を踏むのか。いつ爆発するのか。
じれた杜国が「怒ってないんですか?」と疑問を投げかけると掛井は「怒ってるよ」…

5

シンプルライン 小説

杉原理生  亀井高秀 

超絶焦れったい小説です

杉原理生さんの小説は、文章が大好きなので、もうそれだけで、どんなストーリーでもどんなキャラでも、うっとりと、海の中でプカプカたゆたっているような気持ちで読むことができます。稀有な才能だなと思います。

義兄弟モノで再会モノです。
主人公は翻訳家の兄。
両親の結婚によって義理の兄弟となり、離婚によって離ればなれになった義理の弟と、10年ぶりに再会します。
かつて自分より小さかった弟は、立派な青年に成…

1

シンプルライン 小説

杉原理生  亀井高秀 

相性なんでしょうか…

鷲尾孝之(出版社編集部勤務 実家はいくつもの会社を経営)×名瀬圭一(フリーの翻訳者 ゲイ 母親が孝之の父と再婚し一度義兄となるも、両親は再度離婚)

圭一は仕事の納品先の翻訳事務所で元・義弟の孝之に十年振りに再会します。親の結婚により一度は義兄弟になる二人ですが、両親の離婚により圭一と母親が鷲尾の家を出てからは、二度と孝之に連絡を取ることはありませんでした。再会後親交を深めていく二人でしたが、…

1

シンプルライン 小説

杉原理生  亀井高秀 

シンプルライン

楽しみだった新刊!!
杉原さんにしては珍しく年下攻め。
連れ子同士の親の再婚で義兄弟になった二人が10年ぶりに再会する話~
お互いのことが好きすぎて好きすぎておかしくなってますねーこの兄弟は!!
束縛というか依存度が半端ないです。笑
受けは相変わらずあれこれ悩んでネガティブちゃん…
杉原さんの文章好きだけど、今回はまだるっこしさいつもの三割増し、って感じでしたーwww

1

スローリズム 小説

杉原理生  木下けい子 

タイトル通り、ゆっくりとしたお話し

ゲイであることをカミングアウトしたうえで
「お前だけは好きにならない」と宣言し、
大本命に予防線を張った矢萩。

そんな矢萩の言葉を正面から受け取り、
親友として十二年間付き合ってきた水森。
心の機微に疎く、鈍い水森ですが。
十二年間も付き合ってきた親友の気持ちに対しては、
流石に思うところがある様子。でもあえて、動かない。

相手が大切で失いたくない。ずっと側にいたいと願うか…

4

光さす道の途中で 小説

杉原理生  三池ろむこ 

甘酸っぱい思い

真野・栗田・高東の微妙なトライアングル。
高校時代の恋に近い友情というか、相手への執着心。
自分が一番の友達だと思っていた相手に、
仲の良い友人が出現し、やきもちを焼いたり。
「友達をとられた」と思う、子供っぽい独占欲。
己の学生時代を思い返し、ああ、こういう気持ち、あったなぁ。
判るなぁと、甘酸っぱい気分になりました。

真野が恋を自覚するまでが長いです。
やはり相手が男で仲の…

3

光さす道の途中で 小説

杉原理生  三池ろむこ 

自覚遅し。

受けの自覚が遅いかな。まあ恋って知らず知らずのうちだからいいのかもw

真野は親友の栗田に紹介された高東が苦手で、奇妙なまま3人で過ごしていくんですが、真野は独占欲が強いのでしょう。栗田をとられたと思ってしまい、高東とはあまり話さないんです。真野の独占欲にはちょっとびっくりでしたが、それが原因でもあり3人の関係がまたもや微妙に...

3人がともに大学生になったときも関係がまた変わっていき…

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