杉原理生さんのレビュー一覧

いとしさを追いかける 小説

杉原理生  麻々原絵里依 

むずかしい

好きな作家さんの本でも、感想を書きやすい本と、書きにくい本とがありまして、
この本は後者、

この作品について、どういったらいいのだろう
この二人、どっちもどっちで、
「ふたりとも、しつけーし、きめーよ」
って言う、やさぐれた私と
「思い続ける一途さが、グルグルも含めて切なくってステキ」
って言う、ウルウルした私が
どっちもホントで、どっちも違う

ただ、紗幕を通した向こうの…

4

世界が終わるまできみと 小説

杉原理生  高星麻子 

杉原さんの一人称にとても惹かれます。

萌萌萌。(MAX:萌萌萌:めちゃオススメ)
抒情的で優しい文体はどこか危ういものを孕みながら、静かなトーンで作品を紡ぎだしています。入り込むというより引き込まれるという感覚が近いかもしれません。
家庭の事情を抱える二人の少年の恋、14歳から19歳までの思春期を淡々と瑞々しく描いた物語です。

おとぎ話のような話をしようか――と、19歳の有理の回想で始まる第一部。
母に迫る死への不安に無理…

1

37℃ 小説

杉原理生  北畠あけ乃 

恋の病という微熱に冒される

はて?37℃とはなんぞや?って思って手にしたんですけど
ちょうど人間にとって「熱がある」という頃合の温度ですよね。

男前で寂しがりの若杉と平凡で臆病な野田
ふたりは、学生時代に恋の病に罹って
ずっと長い間、病に冒されているって話なんじゃないかと思いました。
またこの37℃っていう温度が性質が悪いw

若かりし頃、一度は別れたふたりが30代という年齢になり
ふたたび身体を重ねる。…

9

37℃ 小説

杉原理生  北畠あけ乃 

体温は重要。

ただの恋ではありません。
野田はかなり捻れていて、人と向き合うことも、想いを言葉にすることも、自分自身に向き合うことも不得意で、それなのにその時々の自分の気持には後先考えず流されてしまう・・・

かなりタチ悪いです。若杉に言わせると・・・
「優柔不断だし、世間体は気にするし、すましてるわりにはいやらしいし、 おまけに手のつけようのないドMだし」
あまりな言われよう(笑) でもそんな野田が…

7

37℃ 小説

杉原理生  北畠あけ乃 

静かだけど熱い、そんな作品

凪いだ海の様に静かに坦々と物語が進んでいるように見えて
でもその水面の下は、激しい感情が渦巻いている。。。
そんな印象を受ける作品でした。

お互い、体だけの関係と思い込もうとしていた大学時代から10年の月日が経ち
相変わらず、自分の気持ちと上手く折り合えないもどかしさから開放され
お互いの事を強く求めるようになってもなお不安は拭えず
なかなか次のステップに進めずに行きつ戻りつするふ…

4

37℃ 小説

杉原理生  北畠あけ乃 

今まで読んだ杉原理生作品の中で、一番好きでした

アダルトな世界でした。
繊細で流れるような文体に、うっとり酔いながら読みました。
比喩の使い方とか心理描写とか、いちいち美しくて、ああ、私もこんな文章が書けるニンゲンになりたい。
今まで読んだ杉原作品のなかで、ピカイチに好きでした。

主人公の受けは32歳の銀行マン。うほっ、アダルト!ゲイなのを隠して結婚し、妻とは別居中です。
そんな主人公のもとに、10年ぶりに電話をかけてきたのが、大学時代に付き…

3

恋愛トライアル 小説

杉原理生  吹山りこ 

うーん、微妙

なんか、今まで読んできた杉原理生さんの本とはまったく違うイメージの本で、杉原さんの本を読んでる気がしなかったです。
こういう作風もあるんだなァ…などと思いながら読みました。
キュートでスイートなラブコメ、みたいな。
正直あまり面白くなかったです。もちろん杉原さんらしい焦れったさのある小説なんですが、女の子みたいな中学生が主役で、毒のない小学生向きの少女漫画みたいなストーリーで、物語世界の中に最後ま…

0

光さす道の途中で 小説

杉原理生  三池ろむこ 

またまたきました、焦れったリズムの杉原節

またかいっ!と突っ込んでしまいたくなった杉原理生さんの小説でした。
なにが『また』かというと、設定が、杉原理生さんの他の小説にめちゃくちゃ似ている。
ぐるんぐるん悩む、人付き合いがあまり得意ではない主役の受けの性格も、他の小説に似てます。
『よっぽどこういう設定のお話が好きなんだろーなァ』と、クスリ笑いつつ読みました。私もキライな設定ではないので、タダイマな気分です。

今回はスーパー三角関係のお…

2

37℃ 小説

杉原理生  北畠あけ乃 

しっとりと読ませる大人の恋愛模様

大萌ー!
同人で読んだ??との既視感もあっさり押し退けるほど、夢中にさせてくれました。
一度終わった恋愛が年月を経て再熱していく様は、焦らしプレイのような不思議な高揚と充足感がありました。はあ~満足。

妻と別居中の野田の元に、昔関係をもっていた男から突然の電話が舞い込む。宿なしだと言う男、若杉を家に上げたことから封印していた10年前の記憶が蘇っていく。そして野田は過去に引きずられるように…

2

恋の記憶 小説

杉原理生  山田ユギ 

良くも悪くも杉原節

焦れったリズムの杉原節、この作品でも炸裂していました。
杉原さんの小説は続けて読んだらいけないような気がしますw
何冊か読んでるんですが、シチュエーションがことごとく似てます。
もちろん細かい設定で違いはあるんですが、幼馴染みで、数年間離ればなれで、再会して、くっついて、マイナス思考で悩んで、最後にまたくっつく、みたいな。
このワンパターン展開が好きな人には垂涎の作品ばかりですが、キライなら飽き飽…

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