杉原理生さんのレビュー一覧

スローリズム 小説

杉原理生  木下けい子 

掛け違えたボタンを直すまでの時間

スローリズム。。。
確かに、この2人の関係の進む速さは「スロー」なんですが
そんなおっとりした語感よりももっと重くて硬い何かを
2人して抱え込んでしまってて
それで、ゆっくりとしか物事が進んで行かない、って印象のお話でした。

高校受験の時から親しい矢萩と水森は
社会人になっても、その親しい関係は変わらないんですが
それには、ゲイである矢萩が水森に言った
「おまえだけは絶対好きに…

3

光さす道の途中で 小説

杉原理生  三池ろむこ 

読むの疲れました・・・

三角関係モノ!(゚∀゚)一人を二人が取り合って・・・(〃д〃)
というものを期待していたら冒頭から一人死んでた・・・orz
私は涙腺が極端にもろく、ちょっとのことですぐ泣いてしまうのですが死ぬ系は完全にアウトです。涙腺決壊しちゃいます。
なので最後に亡き友人からのメッセージを伝えられるシーンはぼろ泣きだったのですがなんとも納得いかない(>△<;)
え?栗田って女もいけるの??

6

37℃ 小説

杉原理生  北畠あけ乃 

ひどく臆病な男と、ひどく優しい男の恋の物語

主人公の野田の「私」という一人称からか全体的に文学っぽい印象を受けた。
臆病だからこそ自分の幸せを受け入れ切れない野田は、些細なことをきっかけにぐらぐらと揺れる。
対する若杉の優しさも野田の言うことを受け入れる優しさであり、逃げる彼を追わない優しさだ。
この行き違いがとても切ない。
そういう微妙で繊細なゆらぎを読ませてくれる作品だと思います。

結末は、正直そこで終わるの!!?とすごく…

16

oyaji renaissance 3(合同誌) 小説

木原音瀬  名倉和希  杉原理生 

衝撃のハゲオヤジ受け合同誌その3(衝撃はだいぶ薄まっているが…)

木原音瀬・名倉和希・杉原理生による魅惑のオヤジ受け同人誌第3弾にして一応最終作。
全体的には、収拾をつけるために少々無理のある展開あり。

木原音瀬『ラブ&キャッチ3』は、著者コメントにもある通り「コメディのはずがどんどんシリアス寄りになり、かつ未完」という内容。
前2作ではひたすらオヤジの勘違いを若者が是正できないというおかしさであったが、本作でついに二人は一線を越えてしまう。
オヤジ…

3

いとしさを追いかける 小説

杉原理生  麻々原絵里依 

むずかしい

好きな作家さんの本でも、感想を書きやすい本と、書きにくい本とがありまして、
この本は後者、

この作品について、どういったらいいのだろう
この二人、どっちもどっちで、
「ふたりとも、しつけーし、きめーよ」
って言う、やさぐれた私と
「思い続ける一途さが、グルグルも含めて切なくってステキ」
って言う、ウルウルした私が
どっちもホントで、どっちも違う

ただ、紗幕を通した向こうの…

4

世界が終わるまできみと 小説

杉原理生  高星麻子 

杉原さんの一人称にとても惹かれます。

萌萌萌。(MAX:萌萌萌:めちゃオススメ)
抒情的で優しい文体はどこか危ういものを孕みながら、静かなトーンで作品を紡ぎだしています。入り込むというより引き込まれるという感覚が近いかもしれません。
家庭の事情を抱える二人の少年の恋、14歳から19歳までの思春期を淡々と瑞々しく描いた物語です。

おとぎ話のような話をしようか――と、19歳の有理の回想で始まる第一部。
母に迫る死への不安に無理…

1

37℃ 小説

杉原理生  北畠あけ乃 

恋の病という微熱に冒される

はて?37℃とはなんぞや?って思って手にしたんですけど
ちょうど人間にとって「熱がある」という頃合の温度ですよね。

男前で寂しがりの若杉と平凡で臆病な野田
ふたりは、学生時代に恋の病に罹って
ずっと長い間、病に冒されているって話なんじゃないかと思いました。
またこの37℃っていう温度が性質が悪いw

若かりし頃、一度は別れたふたりが30代という年齢になり
ふたたび身体を重ねる。…

9

37℃ 小説

杉原理生  北畠あけ乃 

体温は重要。

ただの恋ではありません。
野田はかなり捻れていて、人と向き合うことも、想いを言葉にすることも、自分自身に向き合うことも不得意で、それなのにその時々の自分の気持には後先考えず流されてしまう・・・

かなりタチ悪いです。若杉に言わせると・・・
「優柔不断だし、世間体は気にするし、すましてるわりにはいやらしいし、 おまけに手のつけようのないドMだし」
あまりな言われよう(笑) でもそんな野田が…

7

37℃ 小説

杉原理生  北畠あけ乃 

静かだけど熱い、そんな作品

凪いだ海の様に静かに坦々と物語が進んでいるように見えて
でもその水面の下は、激しい感情が渦巻いている。。。
そんな印象を受ける作品でした。

お互い、体だけの関係と思い込もうとしていた大学時代から10年の月日が経ち
相変わらず、自分の気持ちと上手く折り合えないもどかしさから開放され
お互いの事を強く求めるようになってもなお不安は拭えず
なかなか次のステップに進めずに行きつ戻りつするふ…

4

37℃ 小説

杉原理生  北畠あけ乃 

今まで読んだ杉原理生作品の中で、一番好きでした

アダルトな世界でした。
繊細で流れるような文体に、うっとり酔いながら読みました。
比喩の使い方とか心理描写とか、いちいち美しくて、ああ、私もこんな文章が書けるニンゲンになりたい。
今まで読んだ杉原作品のなかで、ピカイチに好きでした。

主人公の受けは32歳の銀行マン。うほっ、アダルト!ゲイなのを隠して結婚し、妻とは別居中です。
そんな主人公のもとに、10年ぶりに電話をかけてきたのが、大学時代に付き…

3
PAGE TOP