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杉原理生 北畠あけ乃
羊
ネタバレ
ただの恋ではありません。 野田はかなり捻れていて、人と向き合うことも、想いを言葉にすることも、自分自身に向き合うことも不得意で、それなのにその時々の自分の気持には後先考えず流されてしまう・・・ かなりタチ悪いです。若杉に言わせると・・・ 「優柔不断だし、世間体は気にするし、すましてるわりにはいやらしいし、 おまけに手のつけようのないドMだし」 あまりな言われよう(笑) でもそんな野田が…
菊乃
凪いだ海の様に静かに坦々と物語が進んでいるように見えて でもその水面の下は、激しい感情が渦巻いている。。。 そんな印象を受ける作品でした。 お互い、体だけの関係と思い込もうとしていた大学時代から10年の月日が経ち 相変わらず、自分の気持ちと上手く折り合えないもどかしさから開放され お互いの事を強く求めるようになってもなお不安は拭えず なかなか次のステップに進めずに行きつ戻りつするふ…
むつこ
アダルトな世界でした。 繊細で流れるような文体に、うっとり酔いながら読みました。 比喩の使い方とか心理描写とか、いちいち美しくて、ああ、私もこんな文章が書けるニンゲンになりたい。 今まで読んだ杉原作品のなかで、ピカイチに好きでした。 主人公の受けは32歳の銀行マン。うほっ、アダルト!ゲイなのを隠して結婚し、妻とは別居中です。 そんな主人公のもとに、10年ぶりに電話をかけてきたのが、大学時代に付き…
杉原理生 吹山りこ
なんか、今まで読んできた杉原理生さんの本とはまったく違うイメージの本で、杉原さんの本を読んでる気がしなかったです。 こういう作風もあるんだなァ…などと思いながら読みました。 キュートでスイートなラブコメ、みたいな。 正直あまり面白くなかったです。もちろん杉原さんらしい焦れったさのある小説なんですが、女の子みたいな中学生が主役で、毒のない小学生向きの少女漫画みたいなストーリーで、物語世界の中に最後ま…
杉原理生 三池ろむこ
またかいっ!と突っ込んでしまいたくなった杉原理生さんの小説でした。 なにが『また』かというと、設定が、杉原理生さんの他の小説にめちゃくちゃ似ている。 ぐるんぐるん悩む、人付き合いがあまり得意ではない主役の受けの性格も、他の小説に似てます。 『よっぽどこういう設定のお話が好きなんだろーなァ』と、クスリ笑いつつ読みました。私もキライな設定ではないので、タダイマな気分です。 今回はスーパー三角関係のお…
ともふみ
大萌ー! 同人で読んだ??との既視感もあっさり押し退けるほど、夢中にさせてくれました。 一度終わった恋愛が年月を経て再熱していく様は、焦らしプレイのような不思議な高揚と充足感がありました。はあ~満足。 妻と別居中の野田の元に、昔関係をもっていた男から突然の電話が舞い込む。宿なしだと言う男、若杉を家に上げたことから封印していた10年前の記憶が蘇っていく。そして野田は過去に引きずられるように…
杉原理生 山田ユギ
焦れったリズムの杉原節、この作品でも炸裂していました。 杉原さんの小説は続けて読んだらいけないような気がしますw 何冊か読んでるんですが、シチュエーションがことごとく似てます。 もちろん細かい設定で違いはあるんですが、幼馴染みで、数年間離ればなれで、再会して、くっついて、マイナス思考で悩んで、最後にまたくっつく、みたいな。 このワンパターン展開が好きな人には垂涎の作品ばかりですが、キライなら飽き飽…
杉原理生 麻々原絵里依
『テレビの夜』と、その続編の『いとしさを追いかける』の二編が入ってます。 『テレビの夜』は神でしたねー。 一人称の主人公の掴みどころのない性格が好きで、引き込まれるように読みました。 主人公とその先輩の掛井の過去と現代が、交互に語られます。 高校時代、主人公は掛井と仲良くしていた。 主人公の母親は掛井の父親の愛人をしており、興味本意で近づいたのがキッカケだった。 ゲイである掛井が自分に惹かれている…
杉原理生 高星麻子
二部作なんですが、前半部分がとくに好きでした。 14歳と14歳の、無力で寂しく、でも芯の強い少年ふたりが心を通わせてゆく様子は、胸が絞られるようでした。 二人の少年の父親同士の微妙な関係も良かったですねぇ。はっきりとは描写されないんですが、行間から伝わってくるんです。この父親二人の関係は最後までハッキリとは書かれていないんですが、どう想像しても、萌えるし、切ないです。肉体関係があっても萌えるし切な…
はる
裏切られてもそれでも愛して許している寛容で優しいキャラ、そしてそんな優しさに甘えきれずぐるぐる思い悩む主人公どうも、杉原さんはそういうキャラがお好きなようで、ルチルの二冊共に登場してきます。 が、この菩薩様のように寛容なキャラがくせ者です。 蜜の味なんですよ、くせになるほどよい甘さが、疲労した心に染み渡り癒されていくんです。 年末からの六青みつみ先生や、真瀬もと先生の痛いお話にいたたと心が疲…