水原とほるさんのレビュー一覧

箍冬 -cotoh- 小説

水原とほる  高緒拾 

拒絶できない愛情って…

『夏陰』の続編です。
前回同様、いや前回以上にハードなプレイの連続でした。

『夏陰』では、嫌がりながらも岡林の狂気に溺れていく雪洋でした。
こちらの作品では、さらに岡林の愛情は歪んでいきます。
セックスの最中をわざと世話係の恩田に見せたり、偶然一緒に歩いていただけの先輩に、異常な嫉妬心で雪洋を攻めたり…。
道具も使えば毛も剃っちゃう!
お互いに愛し合っているはずなのに、恐怖と絶対的…

10

夏陰 -cain- 小説

水原とほる  高緒拾 

恐怖心で縛る愛情って…

バーでバイトしていた雪洋は、顔立ちのキレイさがあだになり、岡林というヤクザに見初められてしまいます。
暴力とレイプで始まった岡林との出会いが、雪洋を平凡な大学生から一転、ヤクザの伴侶(囲われ者)になります。
脅迫、暴力、恥辱など、次々と雪洋を苦しめる岡林との生活。
どんなに抵抗しても、冷血で非情なヤクザを前に凡人の常識は通用せず、恐怖と緊張とセックスで縛られる日々を送るのですが。

もと…

9

禽舎の贄 小説

水原とほる  有馬かつみ 

エロジジイめ

トチ狂ったエロジジイがキモくて怖かったです。
作品全体から大正とか昭和初期ぐらいのセピアな雰囲気が漂ってきます。もちろん携帯電話とかが出てくるから時代は現代なんだけど、水原とほるさんはわざとそういう空気感を演出してるんだと思う。妙に淫靡な雰囲気です。
杉原とほるさんにしては珍しく痛い度も低い。

主人公は日本画の大家のところで内弟子をしている紗希。還暦をこえた日本画の大家とは、体の関係がある。
こ…

4

青水無月 小説

水原とほる  稲荷家房之介 

終わりなき共依存関係

病的です。
近親相姦モノです。

水原とほるさんは、共依存の関係をゴールにすえることが多いんだけど、この作品はまさにそうです。
男女の関係でもよくあるけど、「暴力的な夫から離れられない妻」みたいの。よくよく関係を見てみると、夫だけじゃなく妻にも問題があって、実は妻側がそういう関係を求めてたりする、みたいな。
これを念頭において読むと、この小説のゴール地点なんて、まさにそうだと思う。
普通は共依存関…

3

夏陰 -cain- 小説

水原とほる  高緒拾 

すげぇw

「あなたに抱かれるたび、俺の体まで血に染まる気がするよ…」

もう、すげぇとしか言いようのない作品でした。
これがノベルスデビュー作らしいですが、水原ワールドはこれ一冊で十分に分かります。今後の作品に繋がるものがすべて詰まってます。レイプ、残虐なセックス、支配、少しずつ囚われてゆく心、生まれる共依存関係。

笑えないです。
主人公はかなり可哀想です。
が、水原とほるさんの作品に慣れてからこのデビュ…

6

箍冬 -cotoh- 小説

水原とほる  高緒拾 

もう好きにして

いやー、スゴイ話です。
『夏陰』との二部作ですが、熱狂的なファンがいるであろうことを確信しました。私はそこまで熱狂的ではないですが、熱狂的にスキという方の感想を読んでみたくなった。

対等に愛し合うこととか、惚れてたら優しくすべきだとか、そういう当たり前の価値観にたち戻ろうとしなかったところが潔くて好きです。
過酷です。無茶苦茶です。
私が雪洋なら岡林の寝込みおそって刺してます。過呼吸起こしてるの…

8

小夜時雨の宿 小説

水原とほる  夏珂 

兄と弟から愛された男

一年前一方的に自分をフッた元恋人が、実は不治の病に犯されてたということを、その弟から知らされるところから物語が始まります。
さらにその弟に、兄を見捨てたことを詰られて、レイプされる。

ぶっちゃけ主人公にイライラさせられました。言葉が不器用すぎるんだよぅ。
ウジウジと「気を使って(orどうせ理解してもらえないと最初から諦めて)言わない」くせに、「嘘ついたっていい場面なのに、正直に言う」せいで、どん…

1

徒花(アダバナ) 小説

水原とほる  水名瀬雅良 

主人公がイイ

惚れたら負けですな。
高校時代の初恋の男に再会したら、彼はヤクザだった。
主人公の性格がイイです。あっけらかんとして明るい。馬鹿なんじゃなく、根っこが強いのだ。ヤクザになった初恋の人の欠点まるごと許容する包容力がある。しなやかな柳の強さだ。
対するヤクザはガキです。力のあるヤクザで、舎弟に慕われてて強いんだけど、根っこは愛情を知らずに育ったワガママな子供だ。母親のように甘えられる主人公に出会って、…

6

初恋 小説

水原とほる  片岡ケイコ 

10数年の三角関係

高校生から30歳までの、洋人、隆晴、多伎の、幼馴染み三人の三角関係が描かれています。
私のツボである幼馴染みモノだったので、楽しませてもらいました。
ただ、後半がちょっと不満。

三人の中では、隆晴が一番スキです。きちんと自分の欲しいものを欲しいと言い、そのために努力を惜しまないタイプ。
作中では描かれてないけど、隆晴は多伎と洋人が両思いであることをずっと知ってたんだろうなと思う。
結局、洋人も多…

2

氷面鏡 小説

水原とほる  真生るいす 

近親相姦

親の都合で、12歳まで離ればなれで育った双子の兄弟、陸と郁。
二人はまた同じ屋根の下で暮らすことになり、キスをし、マスターベーションしあい、ついに一線を越えて、挿しつ挿されつの禁断のリバーシブル関係に溺れていた。
物語は双子の片割れの郁が、その関係に悩みはじめるところからはじまります。
郁にひたすら執着する陸と、陸と「普通の双子兄弟」になりたいと願う郁、双子の心の溝はどんどん広がっていく。
そんな…

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