水原とほるさんのレビュー一覧

ラ・テンペスタ 小説

水原とほる  葛西リカコ 

狂犬には天からの啓示なのか?(w)

実家のヤクザの影響の少ない離れた地の京都で大学生活を送る主人公のもとへ、抗争の影響があるかもしれないと、護衛にやってきた元刑事のヤクザ。
「お前は俺のものだ」と強引に体を奪われ・・・
なんて、あらすじなんかを見てしまうとあ~あ、、いつのもよくあるパターンね。。。
なんて思ってしまうかもしれない。
確かにそういう部分はあるんですが、今作に実はちょっと魅力を感じたのです。
それは攻めとなる男…

6

ふかい森のなかで 小説

水原とほる  小山田あみ 

深い森に君臨する闇の王子様

深い森は孤独な受け様が住む部屋なのです、ひきこもりで対人恐怖症、
母親に捨てられてから、心無い同級生に苛められ、誰にも愛されていない、
まわりは敵ばかりで外の世界へ出る事が出来ない受け様。
そんな受け様の住む深い森に招かざる客が入り込んだことから受け様の森に
変化が表れ始める。

内容は自虐的でシリアス、そして暗い内容、この作家さんの特異パターンでした。
過去の出来事が受け様の内向的…

2

ふかい森のなかで 小説

水原とほる  小山田あみ 

裸の王様

元々内向的な性格の上、外に女を作る父、外に男を作り子供を捨てて家を出た母、しかも父親の企業はブラック企業に上がるほどのあまり評判が宜しくない会社。
そんな事が重なって、苛めにあい、より内向的性格に卑屈と諦めが加わり、ほとんどひきこもりのようになってしまった対人スキルのない主人公。
そんな彼の元に、父親が寄越した話相手という年下の大学生の男。
単純に、彼によって主人公が目を開いて外へ出るという…

1

ふかい森のなかで 小説

水原とほる  小山田あみ 

ひきこもりの先には

どこか暴力的で反発し合うような関係。それがやがて切ないぐらいの愛情に変化し、最後は慈愛に満ち溢れている。

恋愛に軸を置きながらも、自分の殻から抜け出し、親子の絆に気づき始める。
とある青年の成長を描いたお話でもあるように思いました。
とっても素晴らしい一冊です。


人と接触することをも外出することも、可能な限り避けて暮らしているいわゆる『ひきこもり』の稔明。
そんな稔明の前に、…

3

義を継ぐ者 小説

水原とほる  高階佑 

最後で持って行かれた!

高階さんのイラストに惹かれて購入。
読んでみたい作家さんでもあったので。
でも、これはあまり痛くないお話ですね。

香港の貧しい農村で育った慶仁は桂組組長に乞われて援助を受けながら日本で暮らすことになる。
そんな組長に寄り添うべく慶仁が就いたのは実質No.2のポジションで誰もが一目置いていた。
その組長とのあまりにも濃い信頼関係にいろいろ疑われたりもするのだが、分家の総本部長である矢島…

0

神迎え 小説

水原とほる  周防佑未 

やくざ設定は必要?

再会&(義)兄弟という涎シチュなのに、見所はどこかしらん?という感じであっさり読了。
惹かれる過程や両思いになる過程がおざなりなので二人がくっつくカタルシスも皆無の上、義兄をなぜにやくざ設定にしたのかが全くわかんなかったので、点が辛くなっちゃいました。

頭もよくて誠実だった義兄がヤクザになって再び現れるんですが、そんな義兄に対して「乗り越えてきた苦難を思えば責めることはできないと」か言って…

3

愛の呼ぶほうへ 小説

水原とほる  鈴倉温 

ハッピーとは言い難いなぁ

やっぱり・・・どうしてもこの作家さんのお話は好みじゃないと思ってしまう。
エロエロなのは好きだけど、ただ痛いだけだと後味が悪いんですよね。
議員の息子とその秘書の息子、幼なじみのように子供の頃を過ごした二人
でも、思春期頃からは、会うことも無く過ごし、でも、受け様はその時期に
攻め様に憧れていた思いが恋愛的に好きなのだと自覚するが、既に接点は皆無状態
でも、攻め様が議員を目指していた事を…

9

愛の呼ぶほうへ 小説

水原とほる  鈴倉温 

自己犠牲の姿と未来

プランタン初登場の水原とほるさんですが、レーベルがどこに移ろうとやはり水原作品は水原作品でした。
相手の為に、相手を思い、理不尽さえもあえて受け入れる健気な主人公が、酷い目にあわされ、それは切なさややりきれなさも呼びますが、主人公達が幼馴染だったという設定もあり、
きっと彼の自己犠牲も厭わない真摯な想いに相手がうごかされないはずはない、という期待通りに、ある意味先が思った通りに運ぶので痛さは感…

6

陰猫 小説

水原とほる  草間さかえ 

優しい話。

 会社員の雅幸は結婚式直前に、婚約者に失踪されてしまう。
 おまけに、消えた婚約者は一緒に暮らし始めた時の生活費にしよう、と言っていた共同名義の口座に入っていた600万円も一緒に持ち逃げしてしまっていたのだった。
 穏やかで真面目な雅幸は、彼女がそんなことをしてしまったのには、何か理由があるに違いない、と考え、彼女の唯一の肉親である弟の綱紀の元を訪れた。
 実は彼女と弟は犬猿の仲で、彼女は結…

3

二人の弟 小説

水原とほる  麻生ミツ晃 

兄弟モノ

弟2人×兄の兄弟モノ。

しかし読んでいて思った事は水原さんも随分丸い話を描く様になったなーっと。
以前なら無茶苦茶痛い展開になりそうなものですが、それ程痛さは無かったです。
水原さん作品の痛さが好きな自分としてはそこがちょっと物足りなかったかな。

企業の養子となったものの、その後に弟2人が生まれた為に実家で、特に母親に疎まれていた圭。
その彼は父親の会社ではなく別会社に入って一人…

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