水原とほるさんのレビュー一覧

愛と贖罪 小説

水原とほる  葛西リカコ 

歪んだ愛の末路

どっぷり暗くて重いです、読み終えた後にたとえ主役キャラが共にいる事を
幸せだと思っていても、たとえようも無くすっきり感を感じない。
愛なのか憎しみなのか狂気なのか、自分でもままならない負の感情に引きずられ
両親を事故で亡くしたばかりの甥っ子を調教し、更に自分のセフレに犯させる叔父。

一般的な禁忌ものとは少し違っていて、受けになる歩の亡くなった父親が結婚前
叔父の家庭教師をしていた頃の…

8

愛と贖罪 小説

水原とほる  葛西リカコ 

パンドラの匣

「親の因果が子に報い」そんな言葉も頭に浮かぶ、一人の蒔いた種が相手に根付き、またそれを更に別の相手にも植え付ける。
巡って連鎖させていく心理を描いた作品のような気がします。


高校卒業間際に両親を事故で亡くした主人公・歩は
母方の祖父母の家で一人暮らしをする大学準教授の叔父・直人と二人暮らしすることになる。
ある日、直人の寝室で男に組み敷かれる彼を見てしまう。
其の日から始まる、直…

7

修羅の華 小説

水原とほる  高緒拾 

自ら選ぶ己の道

東洋のどこか小さな国にある町が舞台の物語。
年中太陽が照り、寺院が人々の拠り所となり尊敬される僧侶がいる、そんな場所はタイ・ミャンマー・カンボジアやバングラデシュあたりを連想するといいか。
残念ながらどこかの外国モノ設定ではあっても、その国の空気や風や匂いを感じる異国情緒は薄めかもしれません。

両親が亡くなり、叔父・叔母に引き取られて暮らしていたアーシャだが、生活が苦しくなり寺院に預けら…

5

ラ・テンペスタ 小説

水原とほる  葛西リカコ 

狂犬に愛された天使

思わずタイトルの絵画をググってしまいました。
確かに美しい。
こういったことを話に盛り込めるのがすごいと思います。

攻め様が登場したときから少し様子がおかしいです。
坊ちゃんに対して、偉そうな態度、そしてちらちら見え隠れする執着w

受けの孝義はいい子ですね。やはり生まれが組長の息子なのでいろいろと苦労することもあったのでしょう。ゲイですし。これからも苦労することが多々あると思いま…

3

真夏のクリスマス 小説

水原とほる  小山田あみ 

badでもhappyでもない

小山田あみ先生のイラストがとても綺麗です。
水原とほる先生の作品も嫌いじゃありません。

ダイスが殺される所は、無理矢理だった気がします。
死を二人が分かつまでだから、どちらが死ぬのは良いと思います。
私がそう思うのはダイス達が逃げてる組織ではなく、別の組織に殺された為ですが…テオから北部の連中だとゆう説明はありましたが、ダイスが死にかけてる時にそんな事いきなり言われてもって感じでした。…

7

彼氏とカレシ 小説

水原とほる  十月絵子 

設定は好みだったのですが…

3Pとくれば飛びつく節操の無さに自分で呆れますがw
十年来の素敵な恋人がいるというのに
(しかもその間、紆余曲折があって、もうこの男しかいないと思うのに)
何故新入社員の年下男・昌弘になびいたのか!?と
興味をそそられてしまいました。
が。

いくら芳樹が見込んで、サッカー観戦という趣味も合って
可愛い弟みたいな存在だからと言って
自分の恋人は抱かせないでしょお!!
そして啓自…

4

太陽をなくした街 小説

水原とほる  奈良千春 

闇への扉が救いの道へ繋がる

奈良さんのイラストが作品の味を後押ししているようで、作品に登場するキャラと
ぴったりした雰囲気でとっても素敵です。

内容は復讐ものでシリアスなのですが、ドヤ街での出会いが初対面なので、
関西弁が飛び交う中での流れが妙にシリアスさを緩和してくれる気がします。
それに攻めキャラの吾妻が一見ガサツに見えながらも頼もしさが感じられるし、
受けキャラの七生は復讐を成し遂げる為に必死で完全な闇に…

7

太陽をなくした街 小説

水原とほる  奈良千春 

太陽のあたる場所

水原さんの初ルチル?そして奈良千春さんとのコンビはピアスノベルズの『窓』以来ですよね?
今回また新しい水原作品の顔を見せてもらった様な気がします。
今回は、無実の罪を着せられた父親を亡くし母親を亡くしたその息子が、両親は殺されたのだと言う確証を得、長年に渡りその復讐の相手を探し出し、
目的を遂げるためにオリンピック選手候補になったほどの射撃の腕前を持つ冤罪で自衛官を辞めた男を探し出し、、、と…

11

唐梅のつばら 小説

水原とほる  山本タカト 

長編大作ドラマのよう

主人公がひたすら悲惨な目に遭いながらも、必死にあがいて幸福を目指す。
という、昔の長編連続ドラマのような雰囲気のお話でした。

受・初乃。美貌の少年。借金の形として極道の養子にされ、慰み者になる。
攻・将大。庭師として初乃と出会い、恋に落ちる。

現在だとシリアス系の韓国ドラマにありそう。
そういうのが好きな方なら、めちゃくちゃツボにはまりそうです。

私自身は水原とほるさん初読…

3

涙の中を歩いてる 小説

水原とほる  梨とりこ 

生粋のS攻と素質のないノーマル受の愛

ストーリー性のあるSMが読みたくて手にした作品。
攻は生粋のSの医者だけど、受はMじゃなくて一般的感覚の大学生、というコンビで、SMモノとしてはやや珍しいカップリングです。
受が調教、開発されてだんだんMになっていく…という流れはよくありますが、それが成り立つのは受に多少の「Mの素質」みたいなものがあったという人物設定がある場合が多いです。

が、この作品は潜在的な「Mの素質」みたいなもの…

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