新田祐克さんのレビュー一覧

春を抱いていた ALIVE(4) コミック

新田祐克 

突然の名前呼びに、こちらも赤面してしまうほど萌えた

 今回も翔と洋介という2人の子供達に振り回される香藤と岩城。それぞれ繋がりがあるとはいえ実際に2人の家庭の子供ではないですから、理不尽に感じる読者もいるかもしれません。でも、やっぱり子供というのは大人を振り回すものなんだと思う。洋介が幼い頃から自分を本当の子供のように可愛がってくれた岩城に甘えるのも、翔が親子として共演し実父でもある岩城を頼るのも、彼らが未熟な子供だと考えればごくごく自然なことで、…

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春を抱いていた ALIVE(3) コミック

新田祐克 

業界自体が変わって欲しいけれど、踏み台にしていく力は間違いなく必要

 2巻で翔のことはある程度解決したと思っていたけれど、やはりこの親子がそう簡単に割り切れているわけではなく、仕事にも影響してよりディープな関係になっていました。翔が最終的に枕という手段に甘んじたのは、自分の尻を自分で拭うあくまでけじめという理由だった。けれど、それを恥じてないわけではないし、性的搾取を自ら許したことを受け入れきれているわけでもない。確かに、未成年には少し酷だったかもしれません。それ…

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春を抱いていた ALIVE(2) コミック

新田祐克 

容赦のない世界で生き延びてきた2人の強さ

 いやぁ、今回もどっぷり濃い話でしたね。香藤の甥で岩城にも可愛がられている洋介と、岩城が昔抱いた女性の子供かもしれない翔。香藤と岩城によく似た子供2人が絡んで、様々な嫉妬や恨みが交錯する泥沼のような展開で、お腹いっぱいになりました。洋介の方はともかく、翔については結局本当に岩城の実子だったということで、抵抗を感じる方もいらっしゃると思います。ただ、私は芸能界の厳しさ、お茶の間からは見えない汚さを突…

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春を抱いていた ALIVE(1) コミック

新田祐克 

1つ1つの波乱で共に学び、着実に糧にしていく2人

 新シリーズになってもやはり波瀾万丈な2人。それでも根っこにある強く太い絆が常に感じられるからこそ、2人の間に何が起ころうが、ドキドキはしても1つの章が終わるまでにはきっと穏やかな日々に戻れるだろうという安心感があります。かつて2人に恋人になるきっかけを与え、優しく見守っていてくれた佐和が、雪人を大切にできていなかったり、香藤に当たったりしたのは残念でした。けれど、長く生きていればいるほど、相手へ…

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春を抱いていた(14) コミック

新田祐克 

互いの性格・考え方を熟知し、尊敬していることの素晴らしさ

 前巻まで有名な割にレビューが少ないなぁと少し寂しかったのですが、この最終巻にまとめてレビューされている方が多いのですね。安心すると共に、嬉しく思いました。最終巻だからといってやはり甘々にはならず、どちらかといえば波乱ばかりが起きて全然落ち着かない展開となっていましたが、そういう状況になればこそ、人は本来の姿が現れるもの。まずは自分の体調管理を徹底することが相手の幸せに繋がるのだ、という香藤の言葉…

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春を抱いていた(13)新装版 コミック

新田祐克 

出会いを読んで初めて分かる香藤の想いの強さ

 冒頭では香藤がAV男優を始めたきっかけと、岩城と初めて会った時のエピソードが描かれていました。当初の岩城はAVであろうと真摯に演技に取り組んでいて、演技には邪魔な恥じらいもなく、とにかく生真面目さが目立つ。どんな仕事にも真剣な分、友人に頼まれてたかがAVに出てやるだけという態度だった香藤には、冷たい態度で鋭い指摘を入れる岩城。互いにムカついた出会いだったけれど、この頃に岩城に刺激されたからこそ香…

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春を抱いていた(12)新装版 コミック

新田祐克 

仕事ではけっして馴れ合わない2人が好き

 前巻までは冬蝉の撮影と痴情の縺れがメインという感じでしたが、再びそれ以前のような日常が戻って来ます。甘々になるというわけではなく、仕事面の描写が多め。相手の自分の心への侵入をここまで許した今、どうしても仕事か愛する人かを選ばなければならないとしたら2人はやはり後者を選ぶんでしょう。それでもそんな究極の選択を迫られでもしない限りは、2人はとことんまで仕事にも精力的に取り組み、時には失敗し時には相手…

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春を抱いていた(11) 新装版 コミック

新田祐克 

単なる当て馬で終わらせるのではなく

 前巻の最後に宮坂に襲われかけ、脅迫まで受けた岩城。彼の性格からしてやはり最初はなんとか香藤に隠し通し、自分が我慢して上手くやらなければと思い詰めてしまう。けれど、そういう考えが長くは続かないところが春抱きのすごいところ。香藤のたわいない言葉から、岩城は香藤がけっしてそういった事実を隠すことを望まない、ということに気付きます。どんなに香藤を傷付ける内容であっても、隠すこと以上の裏切りはない。それに…

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春を抱いていた(10) 新装版 コミック

新田祐克 

想ってくれる人がいればこそ、努力も報われる

 宮坂がここまで動くとは。香藤と岩城の深い絆で結ばれた関係性を目の当たりにし、岩城みたいな相手が欲しいという妄執に囚われてしまった宮坂。その辺に転がってればいいけれど、そんな都合の良い誰かが現れるはずもなく、やはり岩城が欲しいという気持ちに変わり。彼の面白いところは、本気で香藤から奪えるとも、岩城の気持ちを自分に向けさせられるとも考えてはいないんですよね。2人の絆が絶対に切れないことは理解した上で…

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春を抱いていた 9 新装版 コミック

新田祐克 

安定の中にも様々なスパイスが、そしてそれを糧にする2人

 岩城がダメになった時は香藤が、香藤がダメになった時は岩城が。どちらかの気持ちが迷ったり落ちたりしている時は、必ずもう1人が相手の感情を落ち着いて分析し、温かな目で見守ってあげる。そういうことが自然とできるようになってきた2人の空気感というか、まさに手と手を取り合って生きている感じが、これを伴侶と言わずして何と言うと思わず口にしたくなるような尊さでした。

 中盤で、香藤の身を案じるあまり芝居…

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