小野塚カホリさんのレビュー一覧

恋愛をしてもセックスをしても、すべて虚しい少年のためのポルノグラフィティ コミック

小野塚カホリ 

おいてかないで

既刊コミックス未収録作品をまとめた作品集なので、古い作品と電子配信されていた最近作が半分づつ。
どの作品も、密度というか質量が半端じゃない。
読み終えて、しばし呆然。
これだけの内容が、何故この1冊に入りきったのか?
っていうか、何故これだけしか収録されていないのか?
特に冒頭の「対象ロマン」
これの前には?
これの続きは?
この作品だけでコミックス1冊できるよね?
ここだけポン…

1

恋愛をしてもセックスをしても、すべて虚しい少年のためのポルノグラフィティ コミック

小野塚カホリ 

あとがきが一番の衝撃

表紙とタイトルからセンセーショナルな問題作を期待していましたが、中身はエロ薄で、小野塚さんらしいセンシティブな作品集でした。

◆「対象ロマン」(2006年掲載)
主人公の零二(受け)は、親友に片想いする高校生。
何かと零二を口説いてくる仲村(攻め)は、その親友の父親。彼は、零二の自殺した父親の親友でもあり…。

零二は、そして零二の親友は誰の子どもなのか。
零二の父親の日記には何が…

8

恋愛をしてもセックスをしても、すべて虚しい少年のためのポルノグラフィティ コミック

小野塚カホリ 

衝撃のカバー下!!!

小野塚カホリ先生の最新作、異なる時期に書かれたものを一冊に纏められたそうです。
確かに絵柄が『LOGOS』の頃に似てるかな、というものも有りますが、古参ファンも新規ファンも楽しめる、端麗ワールドです。

さて、タイトルの意味ですが、これはネタバレ的な意味として書いて良いのか判断出来かねるので、現時点では書くのをやめます。
長年のファンとしては、辛すぎて、レビューを書きつつ滂沱の涙です。

10

燃ゆる頬 コミック

小野塚カホリ 

空白をよみ、余韻を描いた小野塚さん

原作小説「燃ゆる頬」は一見少ない文字量に見えますが
その行間、空白にいたるまで言葉にできない言葉があり、
その文字にさえおこせないものを漫画にした小野塚さんは素晴らしいです。

生と死、恋、ほとばしる性と懊悩。
時代背景により表現が古風で清潔であることが
相反した耽美的でエロティックな魅力を引き出しているようにも感じます。

また、原作のある作品は、いわば描き手(漫画家さん)の目か…

7

美少年 コミック

小野塚カホリ  団鬼六 

純文学と官能小説はある意味表裏一体、ただこれはBLではない!

かの有名な団鬼六先生の原作を、小野塚カホリ先生が漫画家した作品。
思春期の残酷性と性への動揺と混乱を、荒唐無稽でありながら空恐ろしい現実味をもって描かれています。

こんなこと、自分の人生には起こらなかった。
でも、でも―――
起こり得たかもしれない―――
もしどこかで別の選択肢を選んでいたら――――

主人公「私」の菊雄への愛は確かにあるとき存在した、ただ「私」は若さ故彼を相手の…

2

僕は天使ぢゃないよ。 コミック

小野塚カホリ 

世紀末のあだ花、ブンガクBL

とっくにバブルは弾けて飛び散っていたけどみんなまだ呑気で
ほしいものは全部手に入れて流行を消費していくのが当たり前だと思ってた
エロ本出身の女性漫画家の作品がファッション誌に載ってるってだけで
なんだか大人のオシャレを肌で感じられる気がしていた90年代後半に、

誰かに愛される可能性を信じることができなくて
文学的で退廃的で世紀末的な表現に憧れたり焦がれたりする中の一つとして
まだ少…

6

生日快楽 コミック

小野塚カホリ 

世紀末感

収録作:
生日快楽 暗闇接触編
生日快楽 晴日昇天編
生日快楽 春空乱舞絶頂編
ピーナッツポップガン
ポーラー

個人的に90年代作品を世紀末BLと呼んでいるんですが小野塚カホリさんはその旗手です(ピーナッツポップガンとポーラーは2000年に発表されてますが)。受けも攻めも自分もお互いもどーでも良くてテキトーで投げやりで将来とかなくてとりあえずセックスはするけど生きるも死ぬも風任せ的…

0

燃ゆる頬 コミック

小野塚カホリ 

緻密な澱の中から

小野塚さんの原作付は団鬼六作品(「美少年」「美剣士」)、
上田秋成作品(「雨月物語」)に続き三度、と言う加減と
なりましたか。
そして今回の堀辰雄さんの原作は実はネット上で気軽に
読む事ができます。青空文庫にて公開されています。

旧仮名遣い表記 http://www.aozora.gr.jp/cards/001030/card55425.html
新仮名遣い表記 http://ww…

7

燃ゆる頬 コミック

小野塚カホリ 

久々の耽美の極み

原作付きなので完全オリジナルではないけれど、小野塚先生の新作を読んだのって何年ぶりだろう。
こういう、寄宿舎とか、脊椎カリエスとか、もう古い小説の中にしかないような設定が、小野塚先生の絵で形にされると、それは時代や流行を超越した、一周回って最先端的な斬新さを感じる。
今では忘れられてしまった、本棚の片隅にひっそりと隠されていたような「思春期」の高揚感と残酷さ。
BLが、まだBLという名前を獲…

7

LOGOS コミック

小野塚カホリ 

世代はここな筈なんですが。

私はBLという名前が出る前にこっちの世界(笑)に来たので、ちょうど若い頃にこれを読めた世代なんですが、今読むと無理でした。
この作家さん自体が合わないのかも。
絵柄も懐かしいのですが何故かBLだけは古い感じが不得手で、登場人物の行動は理解出来ないし、何となく響きませんでした。
多分、十代、二十代が読まないと分からないのだろうなあ。
らしゃめんは比較的好きですが、最後はああじゃなくてもよかっ…

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