初田しうこさんのレビュー一覧

花組仁侠伝(3) コミック

初田しうこ 

メイン以外が光り過ぎた

 仁侠物語、最終巻。相関図の次のページに目次があるのですが、そこに描かれている男性がとてもかっこいい。え?だれ?こんな男前いたっけ?と相関図を見てみると・・・ちひろじゃないですか!!ええ~。丸い黒メガネかけていたから気がつかなかったけど、なんてイケメンなんだ。そう言えば2巻の過去話『LIAR』でもお顔を晒していました。でもあの時は準紀の魔性の美しさにばかり目が行って、ちひろの素顔なんて素通りしてい…

2

花組仁侠伝(2) コミック

初田しうこ 

準紀が魔性だ・・・

 物騒な4代目の提案で終わった1巻。BLというにはキスどまりの初々しい崎也と葵でしたが、冒頭で顔の傷跡について話す葵に、そっと手を重ねて「自分から話してくれるのを待ってた」と言う崎也。なんだこれーーー!まるで乙女じゃないですか!お風呂場で葵が崎也の背中を流しながらのシーンなので、崎也のがっちりした裸に刺青が丸見え、それなのに台詞が乙女!
 だ・け・ど!この二人、組長の横恋慕(?)をきっかけに結ば…

1

花組仁侠伝 1 コミック

初田しうこ 

「仁侠もの」と言うのが相応しい

 「仁侠ものやりましょう!!」と担当さんからのリクエストで始まった、鹿乃しうこ先生初めての連載長編漫画。まだ初田の頃の作品です。先生自身が「ものすごく未熟だし「ありえないだろ」の連続ですが、その青さがなければ漫画として成立しなかったと思う」と後に語られていて、こういうキャラを描くのが楽しいんだなとか発見があった作品だそうです!
 確かにキャラたちがとても個性的です。頬に傷跡のある一見強面の主人公…

2

懺悔(ザンゲ) コミック

初田しうこ 

黒い方の鹿野さん

現在の鹿乃しうこさんが、初野しうこ名義で描かれた90年代の作品です。
同時期のブルと比べるとかなりのテイストの違いに、初めて読んだ時は重い!と。
ただ歳を重ねて読みますとまた違った気分になるから不思議です。

表題作の『懺悔』『RISKY』『君さえいれば』『教師B』。
短編集ですが、どれもこれも問題作。
ですがその中でも『君さえいれば』はまだ救いがあるかな。ラブっちゃラブラブだし。

3

永久磁石の法則 コミック

初田しうこ 

デジャブの正体はデビュー作だったのか

​ 鹿乃しうこ先生が初田しうことして描いたデビューコミックス。表紙を見ただけでは一見「鹿乃しうこ先生?」とわからないかもしれません。今とは違う線の細い絵柄と柔らかな色、JUNEですよ!『永久磁石の法則』なんてタイトルもJUNEって感じです。
 6つの短編集ですが、『水曜日には海に還ろう』からの5作品は同じ主人公の物語で、↓でfiona0109さまが素敵なレビューを書かれているので、私は漫画家デビ…

2

懺悔(ザンゲ) コミック

初田しうこ 

懺悔の意味とは

 センセーショナルな短編集。『君さえいれば』は新装版が出ているので、そちらでレビュー済みです。

・『懺悔』
 衝撃の問題作です。鹿乃しうこ作品の中で一番の問題作じゃないかな。暗いとか辛いとか切ないとか、そういう感情は湧いてきませんでした。淫乱な素振りの生徒も、見て見ぬふりを装う教師もとても痛々しい。
 一応はハッピーエンドのような結末ですが、実はこれが教師への最大の罰のような気がします。…

2

$10[テン・ダラーズ] コミック

初田しうこ 

ミステリーは、本格派

 麗人より2冊目のコミックス。まだ初田の頃のしうこ先生です。『ラストキスから始めよう』で、当時としては過激だった表紙から、今回は表題作の二人が寄り添うごく普通な・・・と裏を返してみると、片手が腰に伸びていて、という構図になっています。相変わらずあとがきが面白くて、ラスキスの後に来たファンレターに台湾からのエアメールや、BLと知らず間違って買ってしまったノンケのお兄さんからの手紙があったことなど書か…

5

ラストキスから始めよう コミック

初田しうこ 

シリアス一辺倒。でも番外編に・・・

 表題作『ラストキスから始めよう』のジェイクが表紙のコミックス。しうこ先生のコミックスの中でも、肌色率が高い表紙です。時代を考えると、かなりHな表紙でした。それが『メイキングオブ「ラストキスから始めよう」』で描き下ろしされていて、面白いです~。表紙がHだと売れ行きに影響があったんだとか・・・。買うのが恥ずかしくて買えないってことなんでしょうね。
 原画をみて担当さんが散々笑った後に「ワイルドでい…

3

永久磁石の法則 コミック

初田しうこ 

う~ん、底力を感じる

初田さん(現:鹿乃しうこさん)の初期作品集です。
私がBLを読み始めたのは2008年以降なので、この作品が描かれた時代のBL界の流行は分からないのですが、今読んでも十分面白いと思いました。
表題作シリーズはほとんどのお話が同人誌からの再録なんですが、嵯峨雅和という男の中学生時代から30才までの人生の遍歴が描かれています。
母親が水商売をしていて、かなり家庭内で問題があるのですが、到底普通の神…

5

太陽の下、風に吹かれ 小説

西条公威  初田しうこ 

孤独の観念的世界

日常の情景を一部分切り取って、そこに孤独を見る描写がこの本の作品全般に渡ってとられている。
果てしなく観念的な手法は、一時の幻想小説の流れに近い作りであり、読み手を選ぶ一冊になっている。
そこには、切なさとか淋しさとか、寂寥を生む感情は存在しなくて、ただ、登場人物の感情に映るデフォルトされた風景が印象的に孤独を語るのです。

表題
家出をしてから放浪し、人種の違う国にやってきたジーンは現…

1
PAGE TOP