春原いずみさんのレビュー一覧

真夜中に歌うアリア 小説

春原いずみ  沖銀ジョウ 

小鳥が籠から飛び立つ自立のお話

「私の可愛いナイチンゲール、羽根をもがれても啼いてくれるかい?」なんて意味深な帯に、囲い込み飼育物語かと思っていましたが、当たらずとも遠からず。
攻め様はそんなSではありませんでしたが。

声楽界を舞台にした物語、自分も声楽を学んでいたこともあり、出てくる楽曲も技術も説明もスムーズに中に入り込んでまいりましたが、本当の声楽界の考えると、登場人物の容姿・設定はあまりにファンタジーで「いやいやこ…

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真夜中に歌うアリア 小説

春原いずみ  沖銀ジョウ 

不思議な空間を楽しむ

過去にボーイソプラノで一世を風靡したものの、ワケアリで声楽界からは身を引き、音大のピアノ科で音楽教師を目指していた聖也。
ある日から、彼の声楽の個人レッスンを担当することになったのは、世界的なテノール歌手・森上で、それまで一人静かに歌うことで自分を納得させようとしていた聖也を、ソプラニスタとして表舞台に復活させてしまうのでした。

13歳の頃に家族が崩壊してからは、ただ一人で頑張ってきた聖也…

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壊さずにはいられない~Sの恋人~ 小説

春原いずみ  神葉理世 

こんなドS男、初めて

今回のお話は、前の白衣ものとはかなり趣が違い、壊れっぷりも甚だしいドSの内視鏡医登場! こんなドSな男、初めて見ました……いやいや読みました。

各務は、お気に入りのものほど壊さずにはいられないという、超ドSな男。
いやぁ、極端な愛し方ですね。
私は嫌だ。
で、いじめられる馨はたまったもんじゃないわけですが、気に入られちゃって各務専属。
しかも、惚れられてしまい、馨も惚れたら公私ともに…

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トリアージ ~金の瞳の異邦人~ 小説

春原いずみ  高群保 

シリアス過ぎないところが良

BLに限らず広く一般作品を含め「医療モノ」が苦手である。
理由ははっきりしていて、自分が医療職であるために、設定や用語等細かい部分での間違いが気になって物語に集中できない場合が多いからである。
とはいえ医療における独特の緊迫感は嫌いではないので、やっぱり時折読みたくなる。
本作もそういう経緯で久々に手にした、初読みの作家の医療ものの一冊である。

物語は、クリニックでカウンセリング業務に…

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恋愛小説のように 小説

春原いずみ  香雨 

三角関係でやきもきさせられる作品です。

純愛:☆☆☆☆
H度:☆☆
オススメ:☆☆☆☆
登場人物 暁史(大学生小説家) 牧本(人気俳優) 芦田(画家)

三角関係の話です。Hシーンは少なめですが、話はかなりおもしろいです。
初恋であり、画家の芦田から大事に扱われる暁史。
告白もできない関係に心がゆれ、一番の理解者であるはずの、芦田に小説の相談をし、意見があわないことをきっかけに芦田とのすれ違いがはじまります。
初投稿作品…

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赤と黒の衝動 小説

春原いずみ  夏乃あゆみ 

牡丹が見たくなる作品です。

純愛:☆☆☆
H度:☆
オススメ:☆☆☆
登場人物 野添智史(学生牡丹職人) 齋木凌(学生華道家)

牡丹を中心に園芸家の智史と華道家の凌の話です。
お互いに学生ということもあり、仕事に縛られる関係ではない分好きなことに対する思いいれてと、同性に対する愛情がうまくリンクしている作品です。
個人的には好きな作品です。但しYAOI度は低いかもしれません。
華道家はゲイが多いと言いますが…

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恋愛小説のように 小説

春原いずみ  香雨 

面白かったんですが、

面白かったんですが、ナニカが足りなかった感じがしました。
丁寧なストーリー運びには好感を持ちました。

主人公は美大に進んだ大学生。幼なじみの年上の男が一流の画家で、彼に憧れて画家を目指している。
なのに、高校時代に書いた小説が新人文学賞を受賞して、小説家になるか画家になるか、二つの夢の狭間で揺れ動くことになる。

小説に才能があるんだし、小説ならスルスル書けるようだし、そっちに進めばいいのに何を…

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トリアージ ~金の瞳の異邦人~ 小説

春原いずみ  高群保 

医療ものなら春原さん!

ちょっと甘いけど神評価で。だって好きなんですよこういう医療もの。
(分かりやすく言えば多重人格ものですが、作者の春原さん自身は解離性同一性人格障害と多重人格に一家言あるようです。)

一流の精神科医兼心理カウンセラーの(実は自分は精神的に崩壊していると自覚している)嶌と外国人と間違われるくらいの美貌と怜悧な態度で阿修羅王と異名を持つ凄腕の救急救命医師・齋川のお話。

齋川の上司の依頼で彼…

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銀盤を駆けぬけて 小説

春原いずみ  須賀邦彦 

華麗なるスポコンもの

ノシ ノシ ノシ ←拍手がしたかったんです。ブラボーって言いたかったんです。最後のシーンに。

男子フィギュアが舞台のお話です。春原氏がマニアだと言っているくらいなので、背景がしっかりとしていて安心して読めます。(但し、書き下ろしなのに、時々前出のことについてもう一回説明したりしているので、そこのところはマイナスポイント)

とにかくスケートのシーンが多いんですが、それがヴィジュアルとして…

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夢のある場所 小説

春原いずみ  麻生海 

吉永×内海シリーズ4巻(最終巻)

佐倉総合病院に実習にやってきたのは春谷の妹。
なぜか春谷兄と彼女は折り合いが悪いようで、吉永が面倒を見ることに。

春谷兄妹が吉永・内海のそれぞれに接近してきます。
春谷妹は指導医であることを名分に吉永にべったり。
一方、春谷兄は性格の似ている内海に相談をもちかけて……。

吉永が春谷妹の目を盗んで内線電話で内海と話すシーンが度々あって、ちょっと情けないけれど、オフィスラブらしくて萌…

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