秋月こおさんのレビュー一覧

富士見二丁目交響楽団シリーズ第5部 ミューズの寵児 小説

秋月こお  後藤星 

連作です

フジミシリーズでいくつかの作品が収録されている本は、時系列がばらばらだったり、前後していたりするものもあるのですが、この作品は時系列にそってきっちりと配列されていて読みやすかったです。

「ミューズの寵児」は、セレンバーグ氏が桐ノ院圭のマネージャーになるまでの紆余曲折を描いたもの。時期は「ブザンソンにて」とかぶります。圭はまだ予選の最中です。
クラシック界の大手エージェント・サムソンの社長(…

2

富士見二丁目交響楽団シリーズ第3部 退団勧告 小説

秋月こお  西炯子 

意味深な題名です

題名を見たときに「うわ~やばそうだ」と思って読みました。
中はドロドロの人間模様かな、と覚悟して読み始めましたが、大丈夫でした。

主人公のバイオリニストの卵・守村悠季が、七転八倒しながら自分だけの音を模索しつつ、コンクールにチャレンジしていくストーリーです。
今回はこの「退団勧告」という言葉が最後の最後にならないと出てきませんので、皆様覚悟してお読みくださいね。

指揮者として将来が…

4

王朝春宵ロマンセ(3) 王朝秋夜ロマンセ 小説

秋月こお  唯月一 

陰謀渦巻く

平安朝を舞台にしたロマンスの第3段です。
ここへきて、やっと「春宵」「夏曙」「秋夜」と続いてきて四季を舞台にしているのだと気づきました(←遅い)。
次回はきっと冬だと思います。4巻で終わってしまうのがちょっともったいない気がしてきました。

今回も、またまた千寿丸は陰謀に巻き込まれてしまいます。
それは天皇の皇太子である東宮・道康親王が病弱であることと、千寿丸の出自がその東宮に匹敵する地…

5

王朝春宵ロマンセ(2) 王朝夏曙ロマンセ 小説

秋月こお  唯月一 

王朝は陰謀だらけ!

晴れて恋人同士になることができた正六位上蔵人・藤原諸兄と諸兄の家人・千寿丸。
今回の舞台は競べ馬。夏の宮中行事が舞台です。
宮中の人だけでなく、京都の人がみんな楽しみにしているその行事で、千寿丸は自分の顔とそっくりな人物と出会ってしまいます。
彼の名は藤原国経。藤原良房を叔父にもつ、中務省内舎人です。

それまで千寿丸の出自に疑問を抱いていた在原業平の調査によって、その出自が高貴なもので…

4

寒冷前線コンダクター コミック

秋月こお  後藤星 

生き生きとありありと!

先に小説版で出されている「寒冷前線コンダクター」のコミック化作品です。
描かれているのは後藤星先生。
この方はフジミシリーズの第4部からの挿絵を担当なさっていますので、まったく違和感なく、コミックも読むことができます。

小説版で名シーンといわれる、あの「ヴァーグナー」のシーンですが、小説版で読む時とまた違った感じで音の迫力がありありと感じられて、ああこんな風に悠季は…、と感情がシンクロし…

5

王朝ロマンセ外伝 王朝唐紅ロマンセ 小説

秋月こお  唯月一 

萌え果てました

この本は私がBLにはまった最初の本なんで思い入れが強いです。


もともと、シリーズものだと知らずに買ったんですがキャラの可愛さ故にさらっと読めました。
本心をださないけど、実は一途に友人の妻(男なんですけど)に恋してる色男の業平(攻)とプライドが高くツンデレな国経(受)の恋愛は見ててもどかしかったです。
途中で業平は国経が自分のことを好きだと気づくんですが「次善の策」と業平に言うんです…

3

タンデムノート 小説

秋月こお  御茶柱さむ 

バイクに興味ないんですが、面白かったです

この小説に登場する受け、めちゃくちゃ可愛くて大好きでした。乙女な嫉妬やワガママをふりかざす可愛さにはあまり惹かれないんですが、この小説のヤンチャで一生懸命でケナゲな可愛さにはキュンキュンさせられまくりました。

主人公はバイク好きの大学生。バイト三昧のすえに憧れのハーレーダビッドソンを手に入れる。見た目はコワモテのひげ面です。
で、バイクをきっかけに知り合った高校生の中臣と、タンデムでツーリングに…

0

身持ちの悪い姫と騎士 小説

秋月こお  徳田みどり 

さすが人気ベテラン作家さんの一冊

現実感の薄い設定に、ハチャメチャ展開なストーリー、なのにめっちゃ面白かったです。
読みやすかった。

主人公はノンケのボディーガード。昔は警視庁のスゴ腕のSPだったけど、大借金を抱えて退職し、以来ずっと危険な仕事ばかりしている。
そんな主人公がボディーガードすることになったのが、16歳の美形の天才ゲームクリエーターだった。めちゃくちゃな性格と行動パターンに、主人公は翻弄されまくる。しかもその美形は…

1

パパ、ドントcry 小説

秋月こお  BELNE 

BL小説家♂が主人公です

高瀬まみというペンネームを持つ、人気BL小説家(男)が主人公のお話。
主人公は優しい性格のバツイチで、リーマンとBL小説家をしつつ、シングルファーザーをしている。
そろそろ思春期になる娘に、BL小説家であることがバレてしまい、慌てふためく。そんなとき、近所に住むゲイの男にナンパされ、男同士のセックスを初体験してしまう――。

ファミリーコメディです。設定も面白いんですが、話の中身も面白かった。
『…

1

富士見二丁目交響楽団シリーズ第4部外伝 その青き男 小説

秋月こお  後藤星 

お得すぎます!

表題を含めて8本の短編が収められています。
すごくお得な一冊です。
総ページも350ページを超えます。
一話一話が楽しくて、あっという間に読んでしまいました。

「その青き男」は、ハンガリー国際指揮者コンクールでの圭の戦いぶりを音楽雑誌記者の目を通じて描いています。本選まで残った圭の、力ずくでオーケストラをねじ伏せるシーンが圧巻でした。

「ブロンクス便り」はニューヨークで暮らす圭の…

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