かわい有美子さんのレビュー一覧

墨と雪 小説

かわい有美子  円陣闇丸 

ぜひ続きのお話を読んでみたい

平河寮シリーズと知ってはいたのですが、他の作品はまだ読んだことがありません。
でも、本作品だけでも十分楽しめました。

お話は、警視庁特殊犯捜査係の篠口が、拉致監禁されるという内容で、BLというよりかはサスペンス要素が強かった気がします。

篠口の異変にいち早く気づき捜査を始めたのは、篠口と10年ちがく体の関係を続けてきた黒澤。
一線をひいて距離を保った関係を続けてきた篠口に対し、黒澤…

3

未成年。 小説

かわい有美子  金ひかる 

甘く切なくちょっぴっり苦い初恋のお話し

かわいさんの学園もの。
高校生が主人公の甘く切なくちょっぴっり苦い初恋のお話です。

空色スピカのシリーズを読んだ時に興味を持ったのですが、1996年に発行された作品の文庫化で古くて合わない気がして手に取りませんでした。
でもなんとなく気になり「いつか読みたい」と心にメモしつつ今回機会があり読むことができました。

パステルカラーの風景の中に明るく人懐こい男の子がいて、泣いたり笑ったり…

5

危うい夜の女王 小説

かわい有美子 

女装ネタ三種

女装をテーマに、番外編が三つ。
エロ、コメディ、ややシリアスと、バランスの取れた一冊です。

■「素敵なメイドコス」
『鮮烈に闇を裂け』の飯田×高梁。
馬淵からメイド服を(半ば無理やり)貸された飯田。
ホテルで高梁に着てもらうと、思った以上に似合っていて…。

スカート丈の短さや下着の小ささに恥じらいつつも、
「なんか、俺、すごくいやらしい気分になっちゃって…」
と、ノリノリな…

9

君と僕と夜の猫 小説

かわい有美子  笠井あゆみ 

個人的にはあと一歩欲しいかなという印象

京都BLに飢えていまして、何日も前から書店を覗いて楽しみに待っておりました。
やはり色々読んできて、京都といえばかわいさんだなあという感じでしたので、表紙もエロくない笠井さんで嬉しい!にゃんこも可愛らしい。

で肝心のお話ですが、個人的にはあと一歩欲しいかなという印象です。
三十路だし土地柄こういう静かなお話はたまらないのですが、結局きっかけは何だったの?という感じで、話というよりも感情の…

8

君と僕と夜の猫 小説

かわい有美子  笠井あゆみ 

京男の粋

かわい有美子さんの京都BL、そして挿絵が笠井あゆみさんと来れば手に取らずにはおれません!
期待通り京都の魅力が詰まった一冊で、笠井あゆみさんの美しい挿絵も堪能できました。

京都で小さな刃物店を営む夏生(受け・30歳)と、近所の町医者・智明(攻め・32歳)は幼馴染み。

「なっちゃん」「智ちゃん」と呼び合い仲の良い二人ですが、京男同士故か?
互いに容易には本音を口にせず、なかなか恋愛に…

17

墨と雪 小説

かわい有美子  円陣闇丸 

臆病な白蛇と黒い鷹

かわい先生の警察シリーズ。
凄く好きなのですが、この作品に至っては購入を躊躇ってました・・
理由は2つ。
①受けの篠口が他作品では余り好きじゃなかった
②痛々しいシーンがあるらしい
ーー結局我慢出来ずに買ってしまいましたが、読後は「早く買ってれば良かった~」と唸るくらい、本当に購入して良かったです。

まず、①についてですが。
失礼ながら、『甘い水』を読む限り、篠口って嫌みなインテ…

7

空色スピカ 小説

かわい有美子  小椋ムク 

清泉学院シリーズ(1)

シリーズの記念すべき第一弾です。青春群像劇としては面白かったのですが…うーん、今いちハマりきれませんでした。

シリーズ最初の作品のためか、設定上の説明文がまぁ多かったです。これは私がシリーズの別作品を既読のせいも多分にあるでしょうが、それにしても総文字数の割に二人の恋愛にまつわるエピソードが少なく、代わりにこの世界観における学院や生徒会とそのメンバーのコンセプトみたいなものが何度も語られて、…

2

世界の半分 小説

かわい有美子  葛西リカコ 

両親と兄の仇に惹かれるまで

小国の第二王子だったカイ(受け)は、母国が大国に攻め滅ぼされる時に父王たちから女性の格好をさせられ逃がされた。しかし敵国の皇子エルヴァンに捕らえられ、女装していたため亡き姉姫アイラとしてエルヴァンの後宮へ入ることに。両親や兄を殺した憎き相手。しかし伽を強要せず、穏やかにカイを気遣うエルヴァンに徐々に惹かれていくカイだったが…。


まず相手は両親と兄を殺した人物で、自分は女だと思われていると…

4

星屑シトロン 小説

かわい有美子  小椋ムク 

清泉学院シリーズ(3)

「空色スピカ」から始まるシリーズの第三弾。作中の時系列では一番古い世代の二人が描かれていますが、前二作を知らなくても読める内容になっています。私は「流星シロップ」のみ既読の状態で読んだので、峰と衛守が思ったより登場していてちょっと嬉しかったです。

前作でしばしば「伝説の世代」と書かれていた弾正と堂本のお話なので、一体どんな強烈なキャラクターなんだろうとワクワクしながら読み始めました。が、結果…

0

上海金魚 小説

かわい有美子  花本安嗣 

異国での恋

シリーズ続編に当たる「透過性恋愛装置」を先に読み、滝乃×佑季の作品があるとな!?と思って読みました。「透過性恋愛装置」ではすっかり落ち着いて同棲に踏み切ろうとしていた二人の出会い編は、しっとりと、エキゾチックで、優しく、ロマンティックなお話でした。

滝乃も佑季も穏やかな男性ですが、ビジネスマンとして必要な強引さや頑固さを備える滝乃に少しずつ心を委ねていく佑季の様子が、本当に花が綻ぶようで微笑…

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