周防佑未さんのレビュー一覧

水曜日は淫ら 小説

秀香穂里  周防佑未 

「ドリームじゃないかも」と思わせる説得力

個人的見解ですが『ノンケの男性がいきなり男性と性的な関係を持つ』というのは、やはり無理があると思うのです。でも、BLにはよくあるシチュエーションな訳で。
だから『何でそうなった?』についてリアルに描いていただかないとその後のお話が響かない場合もあるのですが、今作はその辺が「上手いなー」と思いましたよ。秀さん、手練れですねぇ。

広告会社に勤める三嶋巧は初めて入った品の良いバーで酔い潰れていま…

3

ラブシッター 小説

夜光花  周防佑未 

ひねたガキと犬が好きな方、必見の書

2012年刊行の本作。
あらすじ&今まで書かれたレビューを読むと、私のイメージの『夜光さんのお話』とはちょっと違う感じ。なので期待して読んだんです。
……この本、面白いよ!

以下、私が面白いと思った部分を。
面白い所①
私、2017年から始まった『眷愛隷属』のシリーズを先に読んでいたんですけれども……
あれ?この本に『リトル弐式有生』がいるーっ。
攻めの椚優治の『小学生の様に好き…

1

身元引受人 小説

真式マキ  周防佑未 

レジリエンスを描いた名作だと思うの

「すっごく好み!」と言うほどではないのに『共鳴』が心に引っかかってしまっていたので手に取った今作。実は途中までは共感できずに「?」と感じる部分も多かったのです。
ところがどっこい、話が展開し出してから、丁寧な心理描写に引き込まれる、引き込まれる……気がつくともう泣きそうに。良いものを読ませていただきました。

日下部遼一は15歳の時、母とそのお腹にいた妹を暴走する自転車に轢かれ亡くしている。…

5

傷痕に囚われて 小説

義月粧子  周防佑未 

今どき珍しい大和撫子

6年前の作品なのですが、読んだ感じはとてもクラシカルでした。
6年前ってこんな感じだったかしら?むしろ『昭和』を感じてしまったりしたんですけれども。悪い意味ではなく、何て言ったら良いのかな?大和撫子?

司は大好きだったからこそじっと耐えていたんだろうと思うのですが、単純な私は「なんで言わないっ!」と思っちゃう質なので、この展開にはかなりジレジレいたしました。
結果は大団円なのですが、それ…

2

花降る国のウエディング 情熱の王子に無垢な花は奪われる 小説

海原透子  周防佑未 

とにかく甘い

二人が出会って結ばれるまでの本編と、その後の甘い夜のショートです。

メインの主人公は颯良(受)。母親思いな健気で素直で真面目で、好感が持てる高校生です。

母親の結婚式で訪れた国で、王子様と出会って惹かれ恋に落ち…という王道パターン。紙芝居でめくる前に次の話が分かるような展開で、驚くような内容はありません。しかし、その分安心して読めます。

最近スレた人物が出てくる本しか読んでいなか…

1

B.B. baddie buddy 小説

水壬楓子  周防佑未 

王道ヤクザもの! いい意味で!

 元々は官僚だった千郷は、同僚から手痛い裏切りを受けて、無職へと転落してしまう。
 信じて一番仲良くしていたはずの男の行動に、自暴自棄になり投げやりになっていたところを、鳴神組の組長だった先代に拾われて、ヤクザとして生活していた。
 それからというもの、今までのヤクザとは違うしのぎの上げ方で、組を一つ任せられるまでになった。
 ところが、急に先代が亡くなったせいで、組長の情夫という立場だった…

4

殉愛 小説

綺月陣  周防佑未 

「至高の恋は結ばれない」と信じていた頃を思い出しました

純粋な感想として「懐かしい!」の一言に尽きます。
2編とも21世紀前に書かれたものだと思うのですが、男性同士の恋愛が決して結ばれないもであった時代があったんだということを感じますね。
表題作なんて思いっきり不倫ものですもの。
今だったら「恋に落ちてしまっても、妻と別れる前に関係しちゃダメっ!」という、別の倫理が先立つのでしょうけれど「当時は男性同士の恋愛自体が禁忌のものだったんだよねぇ。同性…

0

傷痕に囚われて 小説

義月粧子  周防佑未 

仕事モノ好きにはたまりません!

「傷に沁みる毒のような蜜」と対になる作品とのことです。あちらは手酷くフラれた方、こちらは好きな相手のことを思いフッた方が主人公の話です。先生のあとがきを読んでから、敦史のイラストを見たら、確かにあっちの作品の攻めも似ている?って気が付きました。こういう出版社を超えてのリンクも楽しくて好きです。

司(受)が心ならずもふらざるをえなかった繁晴(攻)と8年後に再会。繁晴の医療訴訟になるかも、という…

5

共喰い -αの策略- 小説

秀香穂里  周防佑未 

あらすじは、好みだったけど

電子書籍で購入。
あとがきあり、挿し絵あり。

「しゅみじゃない」よりの「中立」評価。

以下、辛口です。
あらすじ的には好みだったのですが、細かな点が気になり、しらけてしまいました。
なんでしょう?
微妙に他のオメガバースと設定が異なるのは別にいいと思うのです。
作者様のオリジナル設定を付加できるのが、オメガバースのいいところですしね。
でも、なんというか。。。矛盾を感じると…

5

共喰い -αの策略- 小説

秀香穂里  周防佑未 

監禁モノだけど甘い

主人公のエン(受)の視点なので、義兄になった恭介(攻)にいきなり監禁されてる混乱ぶりや、ベータだと思っていたのに実はオメガだと判明して落胆するなど、最初は可哀想な印象を受けたのですが、客観的に読み返すとオメガよりアルファの方が酷い目に遭っていたという珍しい作品でした。

確かに監禁はされるのですが、恭介がエンを愛して大切にしているのが最初から最後までブレずに伝わってくるので辛さはゼロでした。狂…

3
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