山藍紫姫子さんのレビュー一覧

背徳の聖者たち 小説

山藍紫姫子  ライトグラフII 

タリオ、開幕…耽美と猟奇、そして痛快

現代の「必殺仕事人」、闇の報復集団「タリオ」の物語、開幕…

本作「背徳の聖者たち」が第1作。
「耽美の女王」山藍紫姫子先生の絢爛な世界が繰り広げられています。
設定は、言ってみればファンタジー。しかし、今時の妖精と騎士とか、獣王と花嫁みたいな話ではありませんよ。
暗殺未遂で半身不随になって引退した元議員・四ノ宮が創設した政府公認の闇組織「タリオ」。
「目には目を、歯には歯を」。
被…

1

ラ・ヴィアン・ローズ 小説

山藍紫姫子  本仁戻 

ぶっ飛び世界、アナザーワールド

耽美の女王・山藍紫姫子先生の文章プラス、ザ美麗画の本仁戻先生の挿絵とくれば!
どんなドロドロ美かと思いきや、ずずっと読みきることができる非常に読みやすい作品でした。
初版は1995年発表。

「ラ・ヴィアン・ローズ」
男を渡り歩いた美貌の母の元に最初の婚外子として生まれた横田一眞。
彼が自分では全く意図もしないし望んでもいない自らの「魔性」で、次々と男たちを吸い寄せていくオハナシ。

0

堕天使の島(文庫) 小説

山藍紫姫子  小島文美 

閉ざされた島での少年たちの愛憎劇

面白かった! 耽美っぽさはやや少なめながら、映画のようなハラハラ感。現代日本が舞台のためか、「アレキサンドライト」や「色闇」よりかなり読みやすかった。
ストーリーは明快。少年院を出て、親に引き取りを拒絶された明生が連れてこられたのは、絶海の孤島の更正施設。そこには同じように犯罪者となり、親に見捨てられた少年たちが集められており、とある暴力団が極秘裏に少年らに違法薬物を栽培させている。
支配する…

3

色闇 小説

山藍紫姫子 

大江戸捕物帖+山藍流耽美エロ

「アレキサンドライト」もよかったですが、こちらのほうがよりBLっぽくて私は好き。時代劇が好きな大人の姐さまにおすすめ。

追っていた盗賊に妻子を殺された過去を持つ、もと火盗改方•牙神と、彼によって一族を捕らえられた元盗賊の二代目で男娼の美少年、月弥の、恋と官能の物語。
牙神は過去の事件をきっかけに表向きは隠居しているが、裏では闇の仕置き人のようなことをしていた。堕胎薬を売ったり、男娼をしてい…

0

アレキサンドライト 小説

山藍紫姫子 

憎しみから生まれた愛

BLレーベルではない山藍先生の作品を読むのは初めてだったけど、思った以上に読みやすかった。陵辱シーンなど痛い場面も満載だけど、流麗な文章と決して下品にはならない言葉選びで、どんどん内容に引き込まれてしまう。
ストーリーとしては、復讐心からの陵辱に愛が芽生えていくパターンの王道。なんだけど、そこに革命やら裏切りやら、両性具有であることが原因で起こった悲劇やら、そんなシュリルに異常な執着を見せる将軍…

7

クリームな僕 小説

山藍紫姫子  ぽ~じゅ 

白昼夢の話がこわい!

「耽美の女王・山藍紫姫子」作品!と表紙を見ると、え⁇と驚くような。
ネコミミ〜〜⁇

「クリームな僕」
設定は未来。
性奴、として造られたキャット・ピープルの猫型少年、ミナト。
ただ可愛がってくれた所有者の女性が亡くなってオークションにかけられ、買われた先で今度こそ本当に「性奴」として調教されることになる…
ショタで無垢で可愛らしいミナトがアレコレされて、それが知識もなく語彙もないミ…

2

江戸繚乱 小説

山藍紫姫子  水上シン 

BLに求めているものが違う

正直、ものすごい小説だったとしか、ありません。
なんだか、男性向けの官能小説を読んでいるようでした。

とある貴族の坊ちゃんが、親の生活のために遊郭に売られちゃう話……なのですが、決して売られたそのぼっちゃんが主役ではなく、その坊ちゃんの気持ちは完全に無視。
普通、BLの王道の売られちゃう系は、最初は反発している売られた子が、だんだん絆されて惹かれていくっていうのが普通だと思うんですけど、…

3

THE DARK BLUE 小説

山藍紫姫子  舞方ミラ 

ラストの大どんでん返しがお見事でした

THE DARK BLUE(ロスが舞台)とTHE DARK SHADOW(ロンドンが舞台)の2編が入っています。
通して読んで、その収束の付け方に唸りました。
THE DARK SHADOWの方には、陵辱強姦とは異なった『非常に暴力的な』と言いますかグロいシーンがあります(さらっと書かれているのですが)ので、苦手な方は避けた方が良いかもしれません。

日の光や十字架など、吸血鬼の弱点と呼ば…

4

禁じられた戯び 小説

山藍紫姫子  蘭丸 

長文です。

長文です。作品が素直に好きな方にはかなり腹立たしい内容となっている可能性があります。
ただ予めいっておきたいのは、長文で批判的なことを書いてるからといってこの話が私にとって無意味なものなわけではないということ。
これだけの言葉を引き出させるんだから逆に凄いとさえ言える。

とにかく主人公シェヴィーが身も心も美しく、でも聖人君子というわけではなく所々で人間くさいキャラ造形が素晴らしい。
も…

4

歪んだ真珠(闇の継承・日影成璽シリーズ ) 小説

山藍紫姫子 

山藍文学

山藍先生の初期の傑作を読破しました。これ完結していないんですね。4巻とても読みたかった!古い作品なのでここまでの気持ちに遡って続編を書くのは難しいでしょうね。3巻でも区切りよく終わってるし、あとがきの段階ではかなり具体的に4巻の構想は決まっていたみたいですが。

内容は先生ならではの官能的部分ははもちろん、刑事ものなので本格サスペンスもあり、日本神話まで遡る古代ロマンあり、長野・戸隠の鬼っ子伝…

4
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