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山藍紫姫子 水上シン
ofnotice
BLでは比較的珍しい多視点で書かれた作品であります。 BLの方程式で言えば、ここは受けである貴族の王麻呂(きみまろ)が 主人公ということになるのでしょう。 ですが、実際は必ずしもそうとは言えない。 呉服問屋の隠居、十右衛門 没落した京貴族の美しい若君、王麻呂 高級遊郭の遣り手、侘助 そして十右衛門の隠し子、太助 立場も経歴も異なる4人の男が登場いたします。 十右衛門は一見…
山藍紫姫子 蝶野飛沫
山藍センセイをこよなく愛する私としては、評価低めの1冊。 です・ます調と短めのセンテンスで綴られたお伽噺風の文体はいいとして、 前半があまりに長すぎ、ドライブ感が薄れている印象。 一家を皆殺しにされた皇太子シェールは、押し入って来た兵士たちに輪姦され、 あげくのはてにキナイドス寺院という、寺院とは名ばかりの男娼窟に売り飛ばされます。 そこからエンドレス凌辱…そして、一家を陥れた敵の不…
山藍紫姫子
ネタバレ
天才能楽師・観月篠芙(しのぶ)を取り巻く欲望の系譜である「花夜叉」の続編にあたります。 その続編として読むとちょっと肩透かし。 前作は今なら問題視されかねないほどのキワモノやショタ満載でありながら、 宿命に捕えられた天才の悲劇、といったおもむきでかなりドラマ性が高く面白かった。 宗家の後継としての宿命、業(ごう)、 また皮肉にもそれが能楽師としての糧になっていることを暗示させ、 な…
山藍紫姫子 本仁戻
死者と感応することができる美しすぎる警視とその2人の恋人(もちろん男) という設定もだんだんこなれた感じになってまいりました。 前作「ドッペルイッヒ」から続いていた事件ファイルNO.8がようやく完結。 ネタバレはいたしませんが、まぁ、予想通りの結果だったかなと。 ただし、このエンドあたりから精神分析医でアリスティアの恋人・ジンの言動が 予想外なものになっていきます。 大金持ちで…
スタンレー・ホークシリーズ第3作目。 ここまでくると、もはやトマス・ハリスのBLヴァージョンとでも言いたくなるような猟奇ミステリーでございます。 ヴァ―ジルシティ警察の超美形アリスティア・ロスフィールド警視は、殺された者の意識と感応する不思議な能力を持っています。 その恋人、スタンレー・ホークは警察署内では彼の部下。アリスティアの貴族的な趣とは真逆のワイルドでラフな不良刑事。 その上、…
山藍紫姫子 ぽ~じゅ
「クリームな僕」はショタちっくでさすがに驚いたけど、 読み進めるとやっぱりヤマーイ先生なんだよね(笑) 山藍先生ご自身、「書いたことを忘れていた」というから、 探してきた花丸文庫さんグッジョーブ!です。 いまどきとなってはショタ同人誌レベルでありがちな話になっちゃうんだけど、 あくまでかわいらしさとエロっぷりを両立させているところは山藍節というか。 花丸文庫って、ほかのレーベルより…
強豪スポーツ校の主将をやっていた子が顧問の体罰を苦にして自殺、 こういう事件があるたびに、息苦しい気持ちになる。 いまどきの子は心理耐性が低いとかほざくヤツがいたら回し蹴りしてやりたい。 出口のない苦しみとは生きる力まで奪ってしまうのであります。 さて、山藍作品の中でもキワモノ中のキワモノと呼び声の高い本作、 なにしろ描写が輪姦・浣腸・女体盛り・男体盛り・獣姦とヒドイにもほどがある。…
このシリーズは山藍先生の特徴たるエロエロ濃厚とはまったく違います。 とはいえ、短編集では微妙なホラー作品は書いていらっしゃいましたから、 もう一つの山藍先生といったところ。 前作は、コンセプトはそこそこ悪くなかったんですが、ミステリーのキモともいえる 読者裏切りや謎かけ部分が甘く、さらに登場人物のそれぞれもイマイチつかめないような 消化不良な感じに終わってしまった。 しかし、Ⅱでは…
山藍紫姫子 ライトグラフII
うーん、これは山藍先生の世界を全部ぶちまけました的な小説。 いままでのタリオシリーズとはちょっと趣を異にします。 山藍先生といえば、古くは「長恨歌」や「花夜叉」で和の幽玄世界を、 そして「スタンレー・ホーク」シリーズでドライなミステリーを展開なさっていますが その両方が合体したかのようで、ところどころ既視感があります。 とはいえ、面白いですよ。 タリオ特有の暴力的な描写と濃厚すぎる…
これがシリーズものでなかったら、中立~萌の中間ぐらい。 スタンレー・ホークはヴァ―ジルシティ署の不良刑事。 オープニングの部分は山藍先生のHPでも読めます。 耽美でエロス祭典の山藍節はなく、むしろ短編集などでお目にかかる ややブラックなミステリー方向、なのでありますが だがしかし、ミステリー小説として読むとかなり物足りない。 イタコみたいな美しい男っていうコンセプトは悪くな…