山藍紫姫子さんのレビュー一覧

恋に落ちるまで I'll never leave you alon 小説

山藍紫姫子  坂本ミキ 

可愛い青春恋愛物語

はて、これって本当に山藍先生の小説?と首をかしげたくなるんですが。

拓也は大手企業レイブン・グループ会長・佐々川俊之の隠し子だった。
17歳で施設から佐々川に引き取られるがそこにはすでに瑞貴という養子がいた。
佐々川は二人を競わせてどちらか一人に後継させようとたくらんでいる。
瑞貴の美貌に心惹かれる拓也だが、瑞貴はかつて養父の佐々川に性的虐待を
受けていたという引け目もあって拓也と距…

2

愛する人は毒入り 小説

山藍紫姫子  不破慎理 

山藍作品にしては薄い…。

「愛する人は毒入り」、なんとも魅惑的なタイトルです。
山藍作品のカタルシスはといえば、凌辱とそれに溺れる美しいひと、
そして結果的には身も心もベタベタなほどの相思相愛っぷりが
強烈なクセのある文で綴られていることでしょうか。

しかしこの作品はいささかその持ち味を欠いていると言わざるを得ません。
肉環(アヌス)、頭冠(クラウン)男茎(シャフト)といった山藍用語ともいうべき
ルビの振り…

2

花宴 小説

ごとうしのぶ  松岡なつき  森内景生  山藍紫姫子  おおや和美  鳥羽笙子  中川勝海  水上有理 

やおい期の名シリーズ外伝集

90年代当時、人気作だったものの外伝を集めています。

さて、現在もバリバリ現役でなおかつ中央にいらっしゃるのはやはり
Flesh&Bloodの松岡なつき先生と、耽美の女王・山藍紫姫子先生かと思いますが、
こういう昔のものを読んでも、このお二方の作品ていうのはとても読みやすく
あまり古臭さを感じないです。普遍性といってもいいかも。

タクミくんシリーズの外伝は、あぁ学園モノの…

1

江戸繚乱 小説

山藍紫姫子  水上シン 

神視点でさまざまな人間模様を描いた作品。

BLでは比較的珍しい多視点で書かれた作品であります。
BLの方程式で言えば、ここは受けである貴族の王麻呂(きみまろ)が
主人公ということになるのでしょう。
ですが、実際は必ずしもそうとは言えない。

呉服問屋の隠居、十右衛門
没落した京貴族の美しい若君、王麻呂
高級遊郭の遣り手、侘助
そして十右衛門の隠し子、太助

立場も経歴も異なる4人の男が登場いたします。
十右衛門は一見…

5

とりかえばや 小説

山藍紫姫子  蝶野飛沫 

果たしてこれだけの長さって必要かぁ?

山藍センセイをこよなく愛する私としては、評価低めの1冊。
です・ます調と短めのセンテンスで綴られたお伽噺風の文体はいいとして、
前半があまりに長すぎ、ドライブ感が薄れている印象。

一家を皆殺しにされた皇太子シェールは、押し入って来た兵士たちに輪姦され、
あげくのはてにキナイドス寺院という、寺院とは名ばかりの男娼窟に売り飛ばされます。
そこからエンドレス凌辱…そして、一家を陥れた敵の不…

7

花鬼 小説

山藍紫姫子 

エロス描写はやはり神だが、続編としてはいまひとつ。

天才能楽師・観月篠芙(しのぶ)を取り巻く欲望の系譜である「花夜叉」の続編にあたります。
その続編として読むとちょっと肩透かし。
前作は今なら問題視されかねないほどのキワモノやショタ満載でありながら、
宿命に捕えられた天才の悲劇、といったおもむきでかなりドラマ性が高く面白かった。

宗家の後継としての宿命、業(ごう)、
また皮肉にもそれが能楽師としての糧になっていることを暗示させ、
な…

3

スタンレー・ホークの事件簿(4) 冥罰 小説

山藍紫姫子  本仁戻 

ミステリアスな三角関係

死者と感応することができる美しすぎる警視とその2人の恋人(もちろん男)
という設定もだんだんこなれた感じになってまいりました。

前作「ドッペルイッヒ」から続いていた事件ファイルNO.8がようやく完結。
ネタバレはいたしませんが、まぁ、予想通りの結果だったかなと。
ただし、このエンドあたりから精神分析医でアリスティアの恋人・ジンの言動が
予想外なものになっていきます。

大金持ちで…

3

スタンレー・ホークの事件簿(3) 二重自我 小説

山藍紫姫子  本仁戻 

白いアスパラガス…ってなんか意味深…(´・ω`・)

スタンレー・ホークシリーズ第3作目。
ここまでくると、もはやトマス・ハリスのBLヴァージョンとでも言いたくなるような猟奇ミステリーでございます。

ヴァ―ジルシティ警察の超美形アリスティア・ロスフィールド警視は、殺された者の意識と感応する不思議な能力を持っています。
その恋人、スタンレー・ホークは警察署内では彼の部下。アリスティアの貴族的な趣とは真逆のワイルドでラフな不良刑事。
その上、…

3

クリームな僕 小説

山藍紫姫子  ぽ~じゅ 

花丸文庫らしい上品さとチョイスの良さ。

「クリームな僕」はショタちっくでさすがに驚いたけど、
読み進めるとやっぱりヤマーイ先生なんだよね(笑)
山藍先生ご自身、「書いたことを忘れていた」というから、
探してきた花丸文庫さんグッジョーブ!です。
いまどきとなってはショタ同人誌レベルでありがちな話になっちゃうんだけど、
あくまでかわいらしさとエロっぷりを両立させているところは山藍節というか。

花丸文庫って、ほかのレーベルより…

5

幾千の河もやがてひとつの海になる 小説

山藍紫姫子 

コレは変態小説ではない、苦しみを抱えた人へのエール

強豪スポーツ校の主将をやっていた子が顧問の体罰を苦にして自殺、
こういう事件があるたびに、息苦しい気持ちになる。
いまどきの子は心理耐性が低いとかほざくヤツがいたら回し蹴りしてやりたい。
出口のない苦しみとは生きる力まで奪ってしまうのであります。

さて、山藍作品の中でもキワモノ中のキワモノと呼び声の高い本作、
なにしろ描写が輪姦・浣腸・女体盛り・男体盛り・獣姦とヒドイにもほどがある。…

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