ひだまりシリーズとしては8冊目となる春夏秋冬3巻。
無印では大学1年生だった彼らですが、航平は今シリーズで4年生に。3巻は航平の内定後のインターンがメインのストーリーとなります。
今まで描かれてきた聴覚障碍だけではなく、視覚障碍、内部障碍、下肢障碍のキャラクターも登場し、「障碍者の働き方」についての深掘りがすごい。自分ではわかっているような気になっていることでも、改めて航平と一緒にひとつひとつ学んでいるような気持ちで読んでいます。唯一無二の社会派BLとして、先生の描きたい世界を描き続けていってほしい!と願っています。(ドラマでも漫画でも「手話」をフックとして描かれる恋愛モノは多いけれど、「障害」を軸に見据えている作品はあんまりないように思います。そういう意味でも、特に若い人に読んでほしいと思っています)
そんな中にお互いを想い合うふたりの描写もちゃんとあるのがまた嬉しい。すこーしずつではあっても、近づくふたりの距離にドキドキします。
2巻での太一のお父さんエピソードは4巻に持ち越しで、これから太一はしんどい思いをするのかな、その時航平が支えとなってくれるのかな、とか色々考えてしまいますが、ラストのページの須藤くんに全て持って行かれてしまったので、大人しく続きを待っていようと思います。。。
とにかく、ふたりの人生をずーっと影から見て応援していたいですね。
待望の新章の第1巻。
航平は就活が始まり、太一は後輩が入社、と、春の訪れとともに始まる新生活。
リミット編で「そもそも俺と航平ってどういう関係なんだ…?」と悩んでいた太一が、ようやくそのモヤモヤを航平に伝えることができた、というのがふたりにとっての第一歩、という感じで胸熱でした。いまさらと呆れつつも、太一の気持ちに応えてちゃんと交際を申し込むシーンは祝福の鐘が脳内で鳴り響くほどに美しかったです!
なんといっても登場人物それぞれの気持ちを丁寧に丁寧に描いていく作風が大好きです。航平の元カノ永奈にも感情移入してしまいもらい泣き…。本当に本当に大好きだったんだよね、うん、わかる。そして、その永奈の気持ちが痛いほどにわかってしまった、なのに、という太一の自己嫌悪はこの先どうなるのかがものすごーーく気になります。
番外編『無色透明』が収録されたのも嬉しい!千葉さんは確かに太一と似ているな〜と納得の作品です。
これから、後輩の須藤くんがどんなふうな影響をふたりに及ぼすのか、航平はバートに就職するのか(就職したらsig-nと関わってくるのか、上野さん再登場もあるか?とか、気になることがありすぎます)…2巻も楽しみで仕方ないです。