8歳差で、未成年でもある館石くんと恋人同士の吉矢さん。相手が未成年だからと大人として気を付けているが、色々と規格外なことがあったようで…。だけど、そんな館石くんもついに成人式を迎えます。
しかし「待たせた詫び」だと、ハワイの別荘やマンションの鍵を渡される吉矢さん。別荘には毎年遊びに行き、マンションへはいつ引っ越しをするのかと、相変わらずの情熱的な溺愛言動を館石くんから言われます。
とうに覚悟は出来ている吉矢さんは、マンションへの引っ越しを告げます。吉矢さんの真摯な対応と、それに喜ぶ館石くんが何だか可愛いですね。吉矢さんに裸エプロンをしてもらうと言い出す館石くんには思わず笑ってしまいました。
秀香穂里先生の既刊作品は拝読させて頂き、今作も作家買いさせて頂きました。
個人的、各項目5段階で
自信家 4
溺愛 4
絆され 3
エロ 2
な感じだと思います。
館石くん×吉矢さんのカプです。
タイトルの通り、ちょっと残念な王子様の館石くん。本当の王子様という訳ではなく、見た目や家柄、才能などが優れている御曹司です。でも自信満々な発言と裕福な家庭だからこその言動が色々と凄すぎて、逆にクスッと笑えてしまう残念さが程良くて何だかんだ憎めないですね。
自信家で、吉矢さんに対しての想いが情熱的で凄くグイグイ来ますが、実は館石くんはまだ高校3年生の未成年です。なので、館石くんに惹かれてはいるが、大人として、担当編集者として、館石くんの想いに応えることも一線を超えることも吉矢さんは躊躇ってしまいます。
相手は未成年なので、常識的には正しいことですが、吉矢さんも館石くんを想っているからそこ、少し焦れったかったですね。でも最後はちゃんと、館石くんが高校を卒業してから、身体を重ねてはいます。
何もかもが規格外の館石くんの自信満々な言動が、少しクセになる残念さで、終始楽しいので、是非とも読んでほしいです。
黒岩チハヤ先生の既刊作品は拝読させて頂き、今作も作家買いさせて頂きました。
個人的、各項目5段階で
女装 4
ツンデレ 3
エロ 2
な感じだと思います。
要さん×咲耶くんのカプです。
カフェ店員の要さんは、男性客と揉めているパパ活女子を助ける。しかし助けた女子は、女装した男の咲耶くんだった。女装をしていても中身は男だから大丈夫だと、危機感が無い咲耶くんに、ゲイである要さんは痛い目をみせてやろうとして…。
受けは女装男子の咲耶くんですが、女装している理由が、自身の美貌が武器になる、女装だとバレなければ、優しくされるし褒められる。そしてパパ活で美味しい飯がタダで食べられるから、と花より団子な咲耶くんです。なので、タイトルの「グルメな」というのがそういうことかとクスッと笑ってしまいました。
しかし、女装男子とカテゴライズされているので、やはり女装描写がかなり多かったですね。要さんと会う時も基本女装してます。
個人的にBL作品に於いての女性の介在があまり好きではなく、勿論厳密には女性ではないのですが、やっぱり女装描写にはモヤモヤしてしまいました。
因みに、絡み描写では女装はしていませんので、そこには一安心しました。
最初こそ、ちょっと生意気だなと思った咲耶くんですが、徐々に要さんに懐いていく姿が可愛かったり、ツンデレな言動も程良くて、女装をしていない状態での、要さんとのやり取りがもっと読みたかったですね。
要さんはドSって程ではなかったですが、意地悪さや一枚上手な大人な言動で、咲耶くんを翻弄します。そんな要さんに負けじと煽るようなことを言って、でもやっぱり要さんの意地悪言動に返り討ちに遭っちゃう咲耶くんがエロ可愛いので、是非とも読んでほしいです。
夜月ジン先生の作品は初めてなので、拝読させて頂くのが楽しみでした。
個人的、各項目5段階で
ファンタジー 3
ツンデレ 3
溺愛 1
エロ 0
な感じだと思います。
ウピくん×ユイさんのカプです。
獣人達が暮らす島に迷い込んでしまった人間のユイさん。敬愛する竜のセイランさんに気に入られているユイさんのことが、気に入らないウサギのウピくん。しかし、ある体質の所為で、ユイさんと一緒に過ごすようにとセイランさんから言われてしまい…。
獣人や暮らしている島独自の世界観など、ファンタジー要素が多めですが、それ故に全てを描き切れていない気がしましたね。
本編が3話分で構成されてて、2話までウピくんは少年の姿なので、大人になってのユイさんとのやり取りは3話目からなので、ユイさんが言っている通り「今朝までガキだった奴」だと思うと、いきなり大人の攻めキャラと認識するのは難しかったですね。しかも大人になった途端、ユイさんに対しての溺愛言動は流石に急過ぎでは…。
ツンデレな子供ウピくんが可愛いのですが、個人的には大人ウピくんとユイさんのやり取りやティタくんの子育て描写が読んでみたかったので、2話目くらいから大人に成長しても良かったのかなと思ってしまいました。
ウピくんとユイさんだけでなく、可愛くて個性的な様々な獣人達や、個人的にはラピの行動が可愛くて癒されて、恋愛要素は少なめですが、ファンタジー要素が多めなので、読んでみては如何ですか。
キリメンジャロ先生の初単行本を拝読させて頂くのが楽しみでした。
個人的、各項目5段階で
ラブコメ 3
オメガバース 2
エロ 2
執着 2
な感じだと思います。
王子くん×由良くんのカプです。
今作は表題作が6話分と短編が1作品同時収録されています。
男オメガは希少で、ハイスペックなアルファから人気が高い為、裕福な家庭が築ける、いわゆる勝ち組。しかし何故か全くモテないオメガの由良くん。そんな時、王子と呼ばれる新入生のアルファと出会うけど…。
個人的には、同時収録のデビュー作の方が好きでしたね。読み切りだからか、表題作より絡み描写が多かったり、世界観や設定に引き込まれたので、読み切りの2人の続きが読みたいなと思いました。
表題作のオメガバース要素は比較的少なめなので、しんみりとした雰囲気はあまり無く、キャラクター達のやり取りなどラブコメ要素にクスッと笑えるので、是非とも読んでほしいです。
藤咲もえ先生の既刊作品は拝読させて頂き、今作も作家買いさせて頂きました。
個人的、各項目5段階で
人外 5
ラブコメ 3
甘々 3
エロ 3
な感じだと思います。
陳さん×花游さんのカプです。
まず、人と獣の姿をした哺乳類の人外、更には植物の人外も存在し、性別も種族も関係なく恋愛している世界観です。
そんな中で、植物しか愛せないない花游さん。だけど、バイト先のパンダの陳さんには何故かときめいて、更には陳さんからお試しでお付き合いしよう、と言われプラトニックなお付き合いをするように。
人外、パンダ、植物が恋愛対象、触手、もう色々な要素もツッコミ所と多過ぎて、設定や萌えに正直ついて行けるかな?と少し不安でしたが、流石人外ものと言えば、藤咲先生ですね。色んな要素をこれでもかと活用していて面白かったです。
攻めの陳さんは、パンダであり植物でもある人外の陳さん。パンダとしての習性もありますが、どちらかと言うと植物としての習性の方が多く描かれています。
受けの花游さんは人間ですが、恋愛対象が植物です。ですが、植物に対しての恋愛関連が特に描かれていないので、そこは読んでいてあまりピンと来なかったですね。
因みに、見た目はパンダだけど、植物の人外でもある陳さんに対しての無意識にときめいていたので、絡みではそこそこ反応しています。植物成分が少ない陳さんに対しては反応しないと言っていたのは、ちょっとそれは無いのでは?と思ってしまいましたが…。
今作は珍しく、パンダの陳さんの方がツッコミ役になっていて、感情の起伏はちょっと控えめな花游さんとパンダ姿でツッコミを入れる陳さんが微笑ましくて可愛いです。
特殊過ぎる人外の陳さんとマイノリティーな性癖を持つ花游さん。他の人からはなかなか受け入れてられない2人だからこそ、お互いを想っているのが、ラブコメだけどしっかりと甘々なので、是非とも読んでほしいです。
駒鳥ぴた先生の作品は初めてなので、拝読させて頂くのが楽しみでした。
個人的、各項目5段階で
可愛い 3
クーデレ 2
推し活 2
エロ 2
な感じだと思います。
界くん×優里くんのカプです。
俳優の界くんが推しのトリマーの優里くん。ある日散歩代行の打ち合わせに訪れたマンションで出会ったのは、推しの界くんだった。界くんの愛犬をお世話する中、界くんのある事を知ってしまって…。
タイトルには「恋ができない」と書かれていますが、実際は人を好きになったことがない界くんです。その所為で俳優を引退しようとしていたくらい。それを知った優里くんは、それはダメだ、と界くんにファンとしての思いをぶつけると、まさかの界くんの方から付き合ってと言い出します。しかも小型犬みたいで気に入ったと…。恋を知ろうとしている言動ではない感じだったので、やはり界くんの心理が分かり辛かったですね。
そしてその界くんの心理が読めない所為でか、デート後に勘違いした優里くんが挽回する為に恋人らしいことをしようとします。健気な感じの優里くんだったので、グイグイ行く言動は意外でしたね。
界くんの推し活をする優里くんと、ちょっと真意が読み辛い佐久間くんの推し活描写が微笑ましくて可愛かったですね。でもやっぱり佐久間くんは当て馬としての役割もちゃっかりしちゃうので、案の定な展開になります。
界くんのクーデレさと情熱的になっていく言動にキュンとしたり、優里くんの健気さとファンとしての推し活言動などが可愛らしいくて、比較的王道展開で読み易いので、是非とも読んでほしいです。
西野花先生の既刊作品は拝読させて頂き、今作も作家買いさせて頂きました。
個人的、各項目5段階で
エロ 5
執着 3
仄暗い 2
モブレ 1
な感じだと思います。
慧斗さん×姫之くんのカプです。
誰かと付き合っても性的な欲求が湧かない大学生の姫之くん。ある日、子供の頃に、兄のように慕い、可愛がってくれていた慧斗さんと再会する。しかし、再会するまで慧斗さんのことを忘れていた姫之くん。更には慧斗さんと身体を重ねる淫夢まで見るようになってしまう。
タイトルで何となく分かる、催眠ものです。でも、催眠をかけられ淫らになっていく姫之くんなのかと思っていましたが、その催眠ではあることを忘れてしまっている、という展開でしたね。
催眠をかけたのが慧斗さんだと、物語り序盤で、慧斗さんが打ち明けたのが意外でしたが、催眠で忘れている記憶、催眠をかけた理由、そして慧斗さんに惹かれている姫之くんだが、その想いも催眠ではないのか?と徐々に不安が募っていきます。
明確な描写は殆ど無いですが、倫理観が極薄な展開など、全体的にほんのりとした仄暗さがある雰囲気なので、是非とも読んでほしいです。
佐竹笙先生の既刊作品は拝読させて頂き、今作も作家買いさせて頂きました。
個人的、各項目5段階で
むっつり 3
両片思い 3
健気 2
エロ 1
な感じだと思います。
ファリドさん×ライリくんのカプです。
放蕩を繰り返す王の寵童だったライリくん。しかし、王の側近の息子であるファリドさんが、王の治世を終わらせる為、王を処刑し、ライリくんを墓守りにさせた。それから3年後、新王となったファリドさんとライリくんは再会して…。
前王に引き取られ寵童として過ごしていたライリくん。美貌の持ち主でもあった為、女性のような恰好をさせられてはいたが、本当は前王と身体の関係が全く無かったのです。
しかし、新王のファリドさんはそれを勘違いして、そして嫉妬し、更には意外と妄想が凄まじくて、むっつりさと子猫の登場にはニヤニヤしました。
あと本編最後のファリドさんの勘違いにも思わず笑ってしまいました。佐竹先生のあとがきにも書いていましたが、まさに苛烈な王でしたね。
ライリくんに手を出していなかった前王ですが、ライリくんの話の中での様々な行動には普通に気持ち悪さを感じましたね。それもあって前王を処刑したファリドさんには嫌悪感は抱かなかったですね。元々ライリくんもファリドさんを慕って無自覚にも惹かれていたんでしょうね。
健気だけど、芯がしっかりとしたライリくんと厳しく真面目だけど、ライリくんの言動で心乱されるファリドさんのやり取りが、両片思いの時の切なさと徐々に惹かれ合ってからの微笑ましさが絶妙なので、是非とも読んでほしいです。
本編で和解した後のようで、同棲している晴斗くんと雅くんの部屋に大和くんが訪れていることが描かれています。
本編では晴斗くんが居る時には行かないと言っていた大和くんですが、晴斗くんが居る状況で、しかも対面して若干口喧嘩っぽくなっている晴斗くんと大和くん。
そんな2人に対して、仲良くしよう、と宥める雅くんですが、2人の返答がまさか過ぎて、思わず笑ってしまいました。
そりゃ雅くんも機嫌を損ねるよね。それで逆に晴斗くんと大和くんが、仲良さげに雅くんの機嫌を取ろうとしている姿に、本編で見たかった3人の微笑ましいやり取りが、この特典で見ることが出来て個人的に凄く嬉しかったです。