『これです、私が求めていたものは!!!』
そう、心の中で叫んでしまいそうな一冊でした。
私は面白い本ほ読んでいるときは
「あ、あとこれだけしかない……」
と、ページ数が気になってしまうタイプの人間なのですが……これは違いました。
いつの間にか、ページがなくなっていたのです。
しかも、読み終わっても、あの特有の切なさというか、さみしさというか……あの感じがない!!
はて、と思いました。
なぜだろう?
そして気が付いたのです。
「この二人は、終わってなんかいないんだ」
ということに。
まだ読んでない方はお分かりにならないでしょう。
ですが、読んだ方にはわかると思います。
2人の間には、『ゴール』も『終わり』も無いのだと。
どこまでも愛を育み続けるのだろう、と。
そう思ったからこその感覚なのだろうと思いました。
そんな安心感をくれる二人なのです。
この本は、決して愛を細かく書き示し、説いたものではありません。
しかし、心の中にスッと確かな『愛』を届けてくれます。
中世というロマンとドラマの詰まった舞台に負けない……
いえ、そのがあったからこそ……
いいや、そんな舞台さえかすんでしまうような、ドラマチックな物語です。
穏やかで、でもどこか激しい二人の『愛』を、感じることができると思います。
お暇がなくても、ぜひ、読むべき一冊です。
中世ヨーロッパに現代のリーマンがタイムスリップするお話です。
内容も濃くて、深くて、すごく読みごたえがありました。
後半は攻めも受けも相思相愛で、読んでいて恥ずかしくなるくらいでした。
そして、『受けが前世で攻めの恋人だった』という真相を知ったあとに攻めの行動を読み返して、すごく切なくなりました。
それと同時に、複雑な気持ちになりました。
前世の記憶が戻っても今の自分は前世の自分とは違うわけで、
その人に愛されても、自分が愛されてるわけではない。
でも、今の君が好き。ってのも、前世の人に対する裏切りなきがする。。。
そんなことを悶々と考えてしまい、のめりこめたのですが、ちょっと後味が悪いというか、なんというか……
そういうのを気にしない方でしたら十分すぎるくらいに楽しめる本だと思います。
時代物好きならなおさらです!
切なく美しいお話を書くことに定評がある作者の朝丘戻。さんの作品です。
私はこの方の本が本当に好きで、よく読みます。
切なくて、透明感があって、綺麗なこの方の文章が、物語が、大好きです。
ですが、一つだけ不満がありました。
それは、物語の最後がハッピーエンドにならないということです。
正確に言うと、ハッピーエンドではあるけれど二人が一緒にならない。ですね。
とにかく受けと攻めが2人がくっつくことは極端に少ないんです。
そこが切なくてまたいいんですが、でもやっぱり二人には幸せになってほしい……。
ずっと思っていました。
そんななか読んだのが本作品!
今回は2人が無事にくっついてくれて、本当に安心しました。
途中まではいつも通りのくっつかないエンドまっしぐらな展開なんですよ。
「あぁ、やっぱり……この二人が少しでも幸せになってくれることを祈ろう。」と、思いました。
しかし、その後の展開が違います。
いつもの朝丘さんの受けなら、泣きながら「さようなら……」
なシーンですが、受けが攻めを追いかけに走るんですよ。
よくやった!と、声にだしそうになりました。
朝丘さんの作品には毎回切なくて泣かされてしまいますが、今回はよかったね、と涙ぐむ形になりました。
朝丘さんのハッピーエンド、予想以上に綺麗で、透明で、美しかったです。
呼んで絶対に損はない、と私は思います。
タイトルには「想像力が試される」なんてかきましたが、十分萌えられます。
ただ、 ガッツリBLというわけではなく、基本的にはイケメン4人がキャッキャする普通の(?)アンソロジーです。
ギャグ多めでテンションの高い一冊だと思います。
しかし、ギャグだけなのかといわれると、そうじゃないんです。
流石、有名な作家さんばかりなだけあって、しっかり萌えをついてきていて、ニヤリとしてしまう場面も多々……
私個人としては、咲乃ユウヤさんの「bloodtype Lovers」がBL成分多めでツボでした。
あからさまにBLではないけれど、時々そういった描写が入るので、腐を知らない友達に貸すと大変なことになるかもしれません。
表紙の大人で不敵な感じとは違い、ゆっくりまじめな恋でした。
ちゃんとやることはやっている(笑)のですが、そこまでの道のりが長い!
と、いうよりもまじめなんですよね。
王道、といいますか・・・・
もどかしいくらいに、どうしようもなくまっすぐ相手を思っているのに、認めたくないから気持ちにふたをして、攻めのことが好きだという気持ちに気付かない受けが、とってもツボでした。
クールなはずなのに、好きという気持ちを自覚したらどんどんそれが崩れていって、そんな自分に戸惑う姿もとっても素敵です!
そんなに癖が強くない作品なので、BL初心者さんにもおすすめできる、素敵な作品です^^
「もっと読みたい!」と、ここまで強く願った作品に出会ったのは久しぶりです。
表題作の『今夜、ミスターで』と同じ舞台『さよならミスター』の二つの話が合ったのですが…
この二つを分けて2冊にしてほしかったです!!
二つのカップルの行く先をもっと見たかった…!!
私的に「もっと読みたい!」の気持ちが特に強かったのは、
『さよならミスター』です。
攻めはバイオレンスで最低な男ですけど、受けはそんな彼がなぜか好き。
なんで好きなんだろう?って、考えても理由にならないくらい好き。
そんな受けに何度「もうあんな男やめちゃいなさいっ!」って言いたくなったことやら…!!
でも、理屈じゃないんですよね『好き』って…
受けの、攻めに対する思いを読むたびに思い知らされました。
もう、受けと一緒に攻めの一言や何気ない行動に一喜一憂してしまいました。
この本は、限定盤のほうがおすすめです。
二組のカップルのその後が描かれているので、安心できます。。
でも、それにしても、もっと読みたい!!
やっとくっついた二人の、ラブラブ甘々なその後がもっと見たいのです!!!
残念な点は、そこだけ!