【無口なイケメン&地味なさえないくん&イケメンの彼女(幽霊)による三角関係】
ボールで頭を強打してから、記憶障害に悩まされる健太郎。身に覚えがない奇行を指摘されるようになる。そんなある日、目を覚ますと見知らぬ男の家のベッドに寝ていた。
男は無口で無愛想なイケメン、真柴。最近事故で彼女を亡くしたばかり。その彼女がとり憑いたのが、健太郎の記憶障害の原因だった。
健太郎の体を借りて接することの出来る真柴と彼女。理不尽さや無愛想な真柴への不満はあれど、それにつき合う健太郎。
物語の始めは、不思議な三角関係をコミカルにほのぼのと描いており、くすっと笑えます。
しかし物語が進むにつれ、三人の心境に変化が。
彼女に接する時の優しさや気遣いを垣間見せる真柴に、無自覚のうちに惹かれてしまった健太郎。健太郎に憑依した彼女と過ごすうちに、健太郎本人に恋愛感情を憶え始め、とまどう真柴。そしてそれに気付き、ほとんど姿を現さなくなった彼女。
変わっていく三角関係を切なく、文学的な描写で描かれています。
BL描写は抱きしめる程度でほぼないのですが、真柴と健太郎のもどかしい関係が丁寧に描かれていて、読んでいて胸がきゅうっとなりました。まるで最高の純愛小説を読んでる気分です。
また女の子を含む三角関係となると倦厭される方もいらっしゃるかもしれませんが、憑依した彼女と真柴がいちゃいちゃしてる、とゆうシーンはないです。なので抵抗なく読めると思います。
ヤマシタトモコさんが好きな人は、かなりツボに入ると思います。是非読んでほしいです。