渋くてかっこよくて色っぽい大人なおじさま受け!
受けの時任さんは仕事ができるいかにもかっこいい男!って感じで体つきもしっかりしてて、見た目からして男っぽい受け好きにはたまらない人です。
キャリアもあって経験豊富な大人だからこそ、傷を見せられない、見せたくない頑ななところに、手負いの獣のような雰囲気がある、危うい美しさがある人。
だんだん攻めの佐野にほだされていく自分に戸惑って逃げ出したくて、いわゆる愛してる佐野ー!にはならないけど、時任さんの作中の人物像を見てたらそりゃそうだよねと。
時任さん比で言えば十分甘いハッピーエンドを見せてもらいました。
本当に理想的なかっこいい受けで、攻めは表向きは爽やかな顔を見せているけど執着たっぷりで、時にかわいいところもある年下攻めで、攻めも受けも大好きな組み合わせで最初から最後までただただ楽しかった。
桃山プール先生こちらがデビュー作かと思うのですが、これからももっと作品が見られたら嬉しいなぁと思います。ぜひ。
人の顔が認識できない悠陽と、なぜか一人だけ顔を認識できる壱月の物語。
どうしようもない孤独やつらい過去を抱える2人の奇跡の邂逅が泣かせてくれる、とても優しくてあたたかいお話でした。
あらすじにも書かれていますが2人は過去に交流があって、特にそのあたりは2人が幼いだけにかなりつらいのですが、だからこそ2人が出会えて、悠陽が壱月に見つけてもらえてよかったなぁと心底思います。
誰かに助けてもらったり、一人じゃないと思えたり、短い間でも大切な誰かとの出会いって、それからを生き抜く力になるんですね。
折り返しに書かれた作家さんの「明るい方へ歩いてゆける力と愛」という言葉が本当に作品をよく表していて、暗闇から抜け出して光と愛の溢れる世界へ2人でこれから歩んでいくんだろうな、と思わせてくれる作品でした。
悠陽の症状が一気に治るのではなく、これからの明るい未来を感じさせてくれるのがまたよかった。
でも2人の恋のお話としてはまだまだこれからというところで終わってるのでそこだけ寂しい。もっと見たいよー。
はづなおシリーズも6作目ですね。
はづなおはやっぱり私としては出会いの1作目の衝撃がすごくて、このあたりまで来るとカップル要素はさておき家族のほのぼのエピソードだったり子供たちのかわいい姿に癒やされるのが作品の醍醐味に感じています。
今回も入ってくる葉月くんの嫉妬ネタはあまりに繰り返されるので、やや食傷気味なのが正直なところです。
それに、この2人のしっかり根付いた関係性からするとさすがに不自然に思えます。単なる嫉妬だけじゃなく雫斗さんの過去のことがあるというのはわかるんだけど。
はづなおは信頼関係も盤石だし予定調和なので、穏やかに見守るしかないですが。
子供たちの成長後を先生のSNSなどで時折見ることができますが、葉月くん似の蒼大くんはとんでもない攻めになりそうで、気が早いけど現時点でこのシリーズいち好きなキャラです。
あとBLでは見られないってわかってるけどしずダイも応援してます。
今回のもう一方の主役は響羽ですね。
あの感じだと意外にも響羽は受けのようですね、相手はマネージャーさん?こちらもスピンオフがありそう。
私としては伊織のスピンオフが見たいのと、作家さん自身も時々言及されている村雨スピンオフが読みたいんですよね。村雨は絶対受けであってほしいんですが。
こちらもまだまだ続きそうだし、あさやな続編が決定したので、シリーズ全体にこれからも期待大だなという気持ちです。
1作出たら途切れることも多いドラマCDが出続けてるのもすごいですよね。
今のところ史上最高の男前受けだと思っている風間さん。
最終巻で再びシュウ×風間を拝めて本当に嬉しいです。今回も大変美味しゅうございました。
3話目のみですけど、一話ほぼ独占でシュウ×風間を見せていただいて感無量です。
2巻でもシュウは風間さんへの執着を結構見せているように思いましたが、とはいえどうなるんだろう、風間さんは絆されてくれるのか…?と思っていたけど意外にも何かちゃんとまとまってる感じで、この二人らしい関係を築いているなと感じました。
常にちゃっかり風間さんにくっついてるシュウと、もうそれが当たり前になっている空気感、いいですよね。あとがきにも書かれていましたが納得しました。
あんなにかっこいい風間さんに「かわいい」っていうのとか、シュウの表情見てると本当に彼にとっては「かわいい人」なんだなと伝わって、この二人にしか出せない雰囲気が最高に良い!
シュウって思った以上にあざとくて策士で、そして風間さんて友好的なゴリラ…というか優しいお兄さんなんですね。シュウをよろしく風間さん。
これだけかっこいい受けはそうそう拝めないのでまたどこかでぜひ会いたい。
ペアチケットで温泉行くエピソード読みたいです。
ナホちゃんの純粋さによるすれ違いでちょっとややこしくなってしまっていた二人ですが、2巻でようやくまとまって何よりです。
身も心も結ばれるぞ!というその時、アオイとのことが引っかかるナホちゃん。
自分はカナだけが好きだけど、カナもそうとは限らない。カナが好きだから、カナの望むようにして欲しい、アオイと愛し合ってもいい。
本音では嫌だけど、「ボクともちょっとでいいからいて欲しい」なんていじらしすぎて、カナは果報者ですねー。
それにしてもナホちゃんって本当に純粋でいい子ですよね。
外見の美しい人はそれこそカナレベルでも現実にいるけど、心がこんなに美しい人はいないように思います。
ナホちゃんは人に優しいし礼儀正しいし、悪意に触れてもそれに染まらない。
ここまで心の美しいナホちゃんが生きていくのって心配だな、と思うと同時に現実にここまでの人がいたら確かに危なくて仕方ないなと感じました。
生い立ちが壮絶というわけではなく普通に育ってるのになぜか闇堕ちしている風なカナがちょっと可笑しくて、想いも確かめ合ったことだし今後はナホちゃんという宝物をひたすら愛でていくんだろうな。
まだ続くみたいなので、そんな二人の今後がすごく楽しみ。ナホちゃんが可哀相な目に遭わないことを祈ります。
ナホちゃんが鶴を解体してしまうところ、本当に悲しくて辛かったので。
すれ違いとか恋愛漫画においてはスパイスとして楽しむ要素の一つだとは思っていますけど、ナホちゃんだと悲しすぎるんですよ〜。
スピンオフ!!
本編にちらっと出てきてから、この2人も進んで欲しいな〜と思っていたら単独連載が決定して本当に嬉しい!
柳木先生の過去は思ったより重く、どうやっても取り戻せない時間、失った人のことを考えると伯母様の心情を鑑みてもただよかったねと手放しには思えず。
それだけに、実家をあとにする柳木先生が「もうここには戻らない」と言ったことによりその重みを感じました。
ここで全部まとまって、よかったね〜伯母さん本当は心の中では想っててくれたんだ〜とならないところがよかったと思ってます。
子供が喧嘩の絶えない中、夜も眠れず中学生まで過ごしていたその時間は、「本当はそうじゃなかった」の一言で終わらせてはいけない。
今後あさやなは結婚するのだろうし、子供も授かるかもしれない。柳木先生がそうして幸せを積み重ねていった先にもうちょっと歩み寄れる未来があるといいなとも思います。
しかし朝永先生、なかなかとんでもない無自覚Sのようですね。
優しいんだけど結構厄介な人に捕まりましたね柳木先生。あと朝永先生年上だったんですね。深く考えていませんでしたがどちらかと言えば年下希望だったのでそこだけちょっと残念。垣間見える年上っぽさはありましたけど。
あとがきにも先生が書かれていましたが、2人の先がまだまだ見たいです。
お金持ちのお坊ちゃんが大好きな執事と恋人になるため奮闘するお話。
可愛らしく楽しいけど、切なくて胸がきゅっとなる沖田先生ならでは、と感じられる作品です。
頭はいいけどまだまだ幼く小学生らしい宝坊っちゃん。
でも「大人になったら抱くからな」なんて、大人びたことを言うんだなぁと思っていましたが、実のところその本当の意味をいまいちわかっておらず、この気持ちは「抱きたい」って言うんだな!という解釈に落ち着いてるところがとてもかわいい。
この「わかっているようでわかっていない」のがショタの良さですよねー。
前半は面白おかしく、後半は坊っちゃんの真剣な気持ちが発揮されてほろりと来る展開。
体育祭のエピソードは坊っちゃんのポテンシャルが引き出され、それまでかわいい坊っちゃんを微笑ましく見守るという立場に甘んじていた待雪の気持ちにも変化が。
その後、テーマパークでのちょっと切ないすれ違いを乗り越えて、最後の最後で改めて「大人になったら抱くからな」と宣言する坊っちゃん。
ここの宝は、それまで同じことを言っていた宝とはまるで別人でとてもかっこよくて。そして本編はここで終了という潔さ。
描き下ろしで、満を持して高校を卒業した坊っちゃんと恋人同士になります。
私はショタおににおいては、子供のまま性的要素のないほのぼのでもいいし、こうして成長して肉体的にも結ばれてもいいしという考えですが、今回は坊っちゃんの終盤の成長ぶりからして、ちゃんと「抱く」が実現されてよかったと思います。
バスローブを着てワイングラスを傾ける(ちゃんとぶどうジュース)、どこまでも期待を裏切らないバブリーな雰囲気を醸し出す坊っちゃんです。
「ずっと待っていました」と言う待雪。待っていてくれたんだと感激する坊っちゃん。よかったね…!
待っている方もなかなかもどかしい日々だったろうと思います。涙ながらに抱き合う二人に感涙です!
しかしそうなると、やっぱり待っている待雪、成長していく坊っちゃんのお話が見たくなりますよね。
あと、健ちゃんでスピンオフお願いします。健ちゃん受け…見たい…健ちゃんもショタに出会っちゃえー。
幼い頃のキスの思い出。
お互いファーストキスだったそうで、
「これまで生きてて一番幸せな瞬間だった」と言うリンチェ。
「今より幸せ?」とちょっぴり妬くエリオットに、「もっと幸せになるキスしてくれよ」と返します。
特典だけ見ると切なくも甘い内容なんですが、本編を読んだ後だと、甘さよりも重苦しさを感じます。
これは後日談ではなく、二人が儚い蜜月を過ごしていた時の話ですよね。
リンチェの切ない表情と、純粋にやきもちやいてるエリオットのずれも垣間見えるようで。
特典はこちらを含めてエンディング後の後日談がなく、その後として描かれているのは「2023年」を生きる“if”とも言える二人。
(余談ですが、GUSHの全プレペーパーも後日談ではないです)
直後の二人がどこにもいないことに、何だか不穏な気配を感じてしまいます。
手放しに幸せに!と言えないのでとっても苦しい。でも穏やかな日々を過ごせたと信じたい。
徹頭徹尾「かわいい×かっこいい」が楽しめる素晴らしい作品です。
受験に失敗して落ち込んでいる最中、怖い人たちに絡まれて困っていた梅太郎を助けてくれたのが、ヤクザの竹内さん。
広い背中、温かい手、優しい心、とにかく全てがかっこいい竹内さんに一目惚れした梅太郎は、ひとまず受験から離れてクラブで働くことになります。
組長の愛犬ペロちゃんのお世話も任され、お店にやってくる竹内さんを待つ日々。
ある日、散歩中にペロちゃんの泥遊びを止められず汚してしまったことに怒った組長に「ヤキ入れ」として梅太郎に抱かれるよう言われた竹内さん。
期せずして竹内さんに触れることが叶った梅太郎は、これをきっかけに、何とか振り向いてもらおうと頑張ることを決意。
とは言いつつ、梅太郎がかわいくて仕方なくて、「望むことはなんでもしてやりたい」と思っている竹内さん。そのどういうわけかわからない特別な想いって、きっと恋とか愛の始まりだと思うんですよね。
梅太郎が大事だから、自分の立場を考えると深い関係にはなれないという思いで、「弟みたいに」となってるだけで。
物語はヤクザ世界に巻き込まれるお姫様な梅太郎と、作中でもそう呼ばれる王子様な竹内さんのかっこよさを堪能できます。
竹内さんの何がかっこいいって、文字通りの腕っぷしの強さ、ヒロインを守るヒーロー的な部分ももちろんなんですが、「おれは別に格好よくなんかない、格好つけてるだけだよ」と言えちゃう冷静で大人なところ、まっすぐ想いをぶつけてきて、芯の強い梅太郎こそ「格好いい」と認める潔さなんですよね。
そして、晴れて恋人になれた2人が手を繋いで歩いている時、それまでとはがらりと暮らしぶりが変わった竹内さんを気遣う梅太郎に「惚れた相手の横を胸張って歩けるんだ」という切り返し…!
ビシッとスーツを着て先の尖った靴を履いてなくても、竹内さんはかっこいい!!
受けな竹内さんは、鹿島こたる先生の耽美な描写でエッチの時はとても色っぽいんですが、いわゆる雄っぽさが残る絶妙なバランスで、私としてはそこもとても好ましかったです。かっこいい受けは抱かれててもかっこよくあって欲しいのです。
そして、とろんとした顔で竹内さんを見つめたり、潤んだ瞳で見上げたり、袖を掴んで帰らないでって引き止めたり、梅太郎はとにかくかわいい!
でもヤクザ相手にお店を守るために立ち向かったり、めげずに受験を頑張ったり、何よりあんなにかっこいい竹内さんに惚れてもらおうと押しまくるんだから、見た目や仕草はかわいいけどかっこいい男の子です。
受けの腕の中に包み込まれたり、リードされたり、すぐうるうるしたりなかわいい攻め×激しい夜の疲れを感じさせず攻めを抱きしめるタイプのかっこいい受けを存分に楽しめて大満足です。
カタギな世界で暮らす2人のその後がもっと見られたら嬉しい。梅太郎の家族に紹介するエピソードとか見たいー!
両親を事故で亡くしたαの少年×同じく夫を事故で亡くしたΩの警察官のお話。
1話目冒頭で、ベッドに座る愁人に手を差し伸べる無花果さん。
ここはプロローグであり、回想にもなっている本当に印象的なシーン。
幼くして一人ぼっちになった愁人を見て、放っておけなくなったのか、哀れに思ったのか。彼の今後の選択肢として、「俺と暮らす」ことを提案する無花果さん。
その言葉をすぐに受け入れる愁人とは、いわゆる「傷の舐め合い」というもので、作中にもそう記されているように、表面上はお互い打算的な始まりだったんだろうと思います。
でも、プロローグで語られている、
「―今 思うと― 俺はこの日、恋をした。」
という言葉通り、潜在的にこの時から惹かれ合っていたんですよね。
年の差とか、亡くした番を一番愛しているんだという強い想いとは矛盾する背徳感がぐっときます。
手探りで暮らし始めるちょっとぎこちない2人。
「ゴミ捨ては僕の仕事でした」と言い、何でも手伝いたがり、一生懸命役に立とうとする愁人がかわいくて切なくて微笑ましい。
そんな愁人のいじらしい姿を優しく見守る無花果さん。亡き夫の服を抱きしめ、もう消えてしまった匂いを思いながら「会いたいなぁ」とつぶやいたり、愁人のために、亡くなってからそのままにしていた夫の部屋を片付けたり、表向きは見せない喪失感や悲しみが随所に垣間見えるのがまた辛いんですが、大切なものが欠けた2人が少しずつその隙間を埋めていくんだなと。
愁人が小学生から社会人になるまでが単行本1冊で描かれるので、どうしても展開が早いのが惜しい!250Pくらいあるのでボリュームは少なくないのですが、この倍くらいは欲しい…。
無花果さんの同僚や上司、事情通な人材派遣会社の女性、愁人の同級生でよき友人となるΩの曜と、登場人物も豊富だし(曜は愁人に想いを寄せていそうなので、その失恋も回収してあげて欲しい)、無花果さんの手掛ける事件とか、亡くなった番のこととか、もっともっと読みたいところがあったなぁと。魅力的な素材がたくさんあるだけにそう思います。
初めて体を重ねるのも発情による勢いなところがあり、後日談で納得して再び抱き合うものの、表向き「発情期の処理」という形をとるので、愛が実ったという感じが薄め。
義理とはいえ親子という関係を飛び越える躊躇や、亡き夫への愛は残り続ける葛藤などを乗り越えていく過程、その先が欲しいです。
「(亡くなった夫の)次に好きになってもらえるように頑張る」と言った通り、噛まないで終わるのもこの2人らしい。だからこそ、その次の段階に踏み出す姿も見たかったとも思ってしまいます。すごい矛盾なんですが。
最後に背中を押してくれた優斗さんが本当にかっこいい。
強烈に存在感を醸し出してくるわけではなく、いつもそこに在る空気のように、自然に無花果さんの一部と化しているような感覚。その存在や過去も含めて愁人が好きな無花果さんなんだなと伝わります。
なのでやはり、愁人と無花果さんの関係がやや途上で終わってしまったのが寂しい。2人の関係としては序章という感じなので、改めて2人の恋路が見たいです。
とても引き付けられた冒頭のシーンでの「俺はこの日、恋をした。」という言葉、最初は愁人かなと思っていたんですが、どうやら無花果さんのようで。
後日談で、「あの日 子供だったお前に惹かれてた」というモノローグが入るのと、本誌連載版では、愁人も無花果さんも一人称が大体「オレ」と表記されていたのが、単行本では愁人が「オレ」、無花果さんは「俺」に修正されているので。
愁人かな…でも実際はどっちかなと思っていたので丁寧に回収してもらえてよかったです。
でもきっとどちらもあの日惹かれ合っていたんだろうな(勝手な解釈なので間違っていたらとても恥ずかしいし申し訳ないので付け加えておくのです)。
作中で「運命の番」の可能性が示唆されているのも印象深いです。
この2人の関係はどちらも愛する人を亡くした上で成り立っているので、それを含めて「運命」だと考えてしまうと実に残酷。
無花果さんは夫を、愁人は両親を失わずにいた方がよかったには決まってるけど、そうすると2人のこの結末はないわけで。
色んなことを乗り越えて幸せになって欲しいと心から思います。
神戸ゆみや先生、また新作読みたいなと何年もずーっと思っていたので本当に嬉しい。また待ってます。