こちらで絶賛されていたので、それなりに期待していたのですが...。
すいません、あまり趣味ではありませんでした。
主人公が眠りについてからの細かい世界設定から、作者のこだわりが垣間見えたのはよかったです。とはいえ、登場人物達の掘り下げが浅く、どうも設定だけが空回りしている印象を受けました。
それと全体的に心理描写が少ない。作品として一番大切な筈の導入部分も、生前の攻めと受けのエピソードをさらさら擦っているだけなので感情移入がしづらく、そんなキャラクターにいまいち愛着が湧けないまま物語が進んでいくので、ヒカルBとの別れと再会のシーンでも特に感動もなく読了後も「ふーん」程度の軽い気持ちしか残りませんでした。
せっかく死んだ恋人を倣ったアンドロイドとの恋愛をテーマにしているのなら、生前の光に対する葛藤がもう少しあってもよかったのでは?結構あっさりヒカルBに恋愛感情を抱いているので、少し光が不憫な気がしました。
それでも、アンドロイドの持つ冷たさと無機質さとヒカルBの主人公に対する想いは、痛い程に感じられたので、深い事は考えずに雰囲気を楽しむのにはいい作品だと思います。
設定萌ができる方は読んでみる価値があると思います。