ここのレビューを見るとみなさん感動した!とか素晴らしい!と仰ってますがわたしはあんまり好きな作品ではなかったです。
個人的に暗めな作品が好きで、リアリティに溢れていると噂だったので購入に踏み切りました。
なんというかはっきりここがダメ!という部分もないので言いにくいんですが、強いて言うなら(どなたか既に書かれておいででしたが)BLではないかな、と思いました。
ボーイズがラブしているというより、己の性について悩む思春期の少年たちとそれを取り巻く環境についてのお話、といいますか…。
読み終わった後、なんだかモヤモヤとしてしまいました。
というのも、「あれから○年後……」というような手法で飛ばされすぎでは?と思ってしまったからです。
その後色々な人生を歩んでいく姿を描きたかったところは理解できますし、描かなければ成立しなかったのもわかるのですが、その後の姿になかなか納得がいきません。
なにより、キャラクターたちを中学生という設定にするところが最も意味がわかりませんでした。高校生、と言われた方がすんなりストーリーが入ってきたように思いますし、正直作者様は中学生を描くのに向いてない絵柄でいらっしゃるように思いました。
高校生の間になにか重要なことが起こるシーンでもあるのかと思いきや、1コマもなし…。どういう意図で中学生という設定になさったのか全く理解できませんでした。
また、三島はできれば夢野ではない、完全なモブとくっついてほしかったです。というのも、なんだかそれでは桐野だけがあまりに不憫な気がしてしまいます。というかなんなら全員不憫なエンドで良かったのでは?とさえ思いました。リアリティとか言っても、結局は男同士の恋愛に寛容な世界なのが少し残念です。(まあそうでないと成り立たないというのもありますが)
あと個人的に三島のお母さんが苦手なタイプのキャラだったので読んでいてしんどかったです。