他の方々が言っているように確かに詩的だし、三十路のおじさんが可愛こぶった口調で子供っぽいところもありますが、私はとても好きです
前半後半でお話の雰囲気が全然違う印象でした
前半は2人が出会ってからお付き合いして少し経つあたりまでで、高校生のあめちゃんと大人になりきれていない先生の甘い恋が描かれています
読んでいる途中は甘々すぎでは...と思うところもありましたが、その甘さ加減は後半の悲劇と釣り合いがホントに良く取れていて、前半の幸せと後半の悲しみが相乗効果を生んで素敵です
一度読んでしまうと後半辛すぎて読めない、先生の気持ちを思うと涙が止まらない
真っ白で純粋な泣ける作品を探している方にはおすすめです
お話の内容はみなさん書かれているので割愛します。
1つ1つのお話が短いので、お話に深く入り込むのは少し難しいかなと思いました
その点、二つ目のお話の「シアンに沈む」は前編・後編の構成で、他のお話のように言葉や説明が足りなくてわかりづらい、ということがなくて読みやすかったです。
どのお話もキラキラふわふわとした作風で、素直で穏やか。
線がきれいで、ガラスのような美しい瞳が印象に残りました。
ただ、その素直さやキラキラ感が少女マンガチックで、そういった表現に耐性のない人はつらいかなと思いました。
個人的には、やはり「シアンに沈む」が好きです
題名の「シアン」って何を指しているんだろうなと考えました
睦月くんの描く海のシアン、涙のシアン、裏表紙に描かれた中村氏の万年筆も青かったのでそういう解釈もありかなと思いました