ぼっちでひねくれてるけど、本当はカワイイ顔した受けのミツオくん視点で物語は始まります。
クラスで人気者のイケメンな攻め・ハチヤのことを、ミツオくんは、このリア充め!イライラする!などと内心毒づきながらも、ついつい見つめては、彼のかっこよさを無自覚に羅列し無自覚にときめいて、日々を過ごしています。
二人はとあるきっかけで急接近し、よく会話したり一緒に過ごすようになります。距離の近いハチヤに常にドギマギするミツオくん、二人のかわいくて優しいやりとりには、キュンとしたり、ほわんとしたりで美味しいところ満載です。
ところが、最初はさわやかな付き合いだった二人の関係は、卒業までには、キスだけじゃなく・・・な状態に。しかも、ハチヤもミツオくんもその行為に何も言わないままなのです。
ミツオくん視点なので、彼にはハチヤの行動は訳がわからず、振り回されたままなのですが。時折みせるハチヤの表情には、お互いに惹かれあっているはず・・・という空気を感じさせます。
結果的に、卒業式後のハチヤの対応には度肝を抜かれたり、かわいいミツオくんがかわいそうな展開でヒヤヒヤするものの。再開したハチヤの心のうちが明かされた後の今となっては・・・全てが、かわいいじゃないか!と悶絶状態です。
この作品、ハチヤの気持ちを知った(最後まで読んだ)後、もう一度最初から読むと、これでもかってくらい甘い二人をニンマリニヤニヤと楽しめて、また違った気持ちでムフフな場面を堪能できるのがいいなと思いました。
男子高校生二人が、あふれる体の衝動と思春期心に翻弄されながら、好きとはなんぞや恋とはなんぞやと、悶々、チュッチュしながら恋を知っていく、キャッチーでエロエロな作品、かと思います。
フリーキス活動で出会う主人公たちの、くっつく前のケンカ腰、くっついた後のイチャラブ、どちらも楽しかったです。両想いエッチはエロキスにイチャエロで、そういうのが好きな私にはたまりませんでした。
さらに、くっついた後に訪れる「男同士カップルへの試練」へ向き合う二人の在り様には、ジーンとくるものがあります。
赤星先生にはめずらしく(?)、主役の二人と肉体関係ありのキャラが進行形の絡みで登場せず、二人の実はウブな恋と、欲に忠実な思い切りのいいエロに、終始している感じです。
攻めの愛光は、メガネで真面目で地味な見た目に反して、どこかぶっ飛んでいるところがあり、時々野獣男子に変貌します。素直じゃない意固地な面が序盤は目に付きますが、くっついてからの彼はとても優しく誠実な面が多々うかがえ、受けを溺愛します。
受けの栄介は、メガネクールモテ男子という設定で、ふとした仕草や挑発的な表情のときなどとても色気があります。デレ時は色気も倍増します。攻めへの想いを自覚してからの、彼のアプローチやスタンスはとても男らしく頼もしく、時おり攻めに見せる無垢で幸せそうな笑顔はとても印象的でした。
また攻めの友人2人がナイスコンビで、最後は主人公二人を誘って、仲良く4人で海デートに出かけます。こちらは20P超えのコミックス描き下ろしで、赤星先生が真剣に楽しいエロを描かれたのが伺える、読んでいてとても楽しいエロコメディでした。わぁもう若いね!エロいね!カワイイね!
そしてあとがきマンガとカバー下まで読み終わる頃には、友人コンビにあらぬ妄想と萌えを抱くように・・・。面白かった!!
店頭で一目惚れして購入してしまうほど魅力的な表紙です。
「漫画を読む」というより、気づけば「映画を見ている」ような感覚になる不思議な作品で、見せ方が非常に上手いといいますか、読もうとせずとも勝手に脳内に全部が入ってくる感じといいますか。
お話としては、見知らぬ二人がだんだん友達になっていく様子が描かれているんですが、友達かどうかすら怪しい二人の、縮まったりすれ違ったりする距離と心情に、BL心が湧き立ちます。二人は恋未満なのかと思いきや、それぞれが相手のことを考えているシーン(たくさんある)では、キュンとせずにはいられない、萌えるんです、とっても!
そして、駆け出す体、シクリと痛む心、会えた時の心臓が止まるような衝撃といった重要なシーンにおける、二人と自分がシンクロしたような感覚に圧倒されました。なので、控えめのストーリーであるのに、最後まで失速することなく物語に夢中になったまま読み終えていました。
また、味のある面白い脇役がたくさん出てきます。ポンポン飛び交う会話も、人柄や個性も本当に楽しくていい人たちばかりです。にも関わらず、わき道に逸れることなく、最初から最後までブレずに、主人公二人にスポットライトが当たり続けているところが素晴らしい!と思いました。まるで名俳優、名脇役、名監督によって作られた映画のようだなと。
それぞれが相手のことばかり考えるようになって、正体不明の感情に戸惑いながらも、ようやくお互い向かい合い始めたイイ~所で、物語は終わっています。
ラストコンテンツでの、通りを眺めるメガネくんの横顔がもうっ・・・もう~っ。
これから先はこういう顔を拝めるのか?と思うと、続編を望まずにいられません!
読み返す中、評価が変わりました。
以下、すみません、思い切りネタバレしています。
須崎の残り香のするシーツを抱きしめたり、時間を気にする須崎を見たくないばかりに事後はすぐ部屋から追い出したりと、スズキくんの須崎への執着心は良い感じだったのですが。
連絡なく急に姿を見せなくなった須崎に不安を感じて、堺に揺れたのであろうことは想像がついても、以降、堺から貰ったものを大事に部屋に置いたり、堺に好きですと言ったり、堺の名前を連呼しながらイクスズキくんのセックスに、スズキくんが取るすべての行動を理解できなくなってしまいました。
恋心は堺に。
家族愛は母親の元彼に。
体だけは須崎に、なんてことはなく、隙あらば堺とヤろうとするスズキくん。
増え続ける執着心の権化「絆創膏」も、北海道へ帰る堺への想いとも取れる。
スズキくんの頑固で溶けない心に、一心不乱に愛情を注ぎ続けた須崎に対して、私には読み取れないスズキくんの心。「愛してくれるなら、須崎じゃなくてもよかった」のではないか・・・
何度も何度も読み返しました。
須崎や、堺、オーナーと店長、彼らには溢れんばかりの「愛する心」があるのに、スズキくんのそういう描写は、須崎への執着のあと、堺への執着、と言う流れの繰り返しで、「愛してくれるなら誰でもいい」から抜け出せない。結局そうなのかな・・・と納得しようとした、そのとき。
あとがきにある作者様の「恋愛ホルモンの持続力に挑戦しました」という言葉が目に留まりました。
恋愛ホルモン持続させてたのはスズキくん以外の人たちだと思ってましたが、ふと思い浮かんだ「スズキくんが恋愛ホルモン持続させてたんだとしたら?」
追いかけっこは、鬼だけじゃなく、追いかけられる人もいないとできません。
追いかけっこを提案したのは須崎だけれど、始めたのはスズキくんで、
”叶わなかった恋心”も”なくなってしまった家族の愛”も
スズキくんは40年もの間、須崎からもらい続けるために
「始終私のことだけをずっと見ていた」須崎を、スズキくんもずっと見続け、
「追いかけっこは終わらないまま」(追いかけっこを終わらせないまま)、
「私の勝ちです」と、最後まで須崎を愛し続けました。
という解釈を経て、評価は変わりました。
すべては想像でしかないし、スズキくんを愛したいが故の、こじつけかもしれません。が、今はもうモエモエと再読しております!
前作「GAPS」で、イカレクズ王子/片桐の虜になり、疲れた不能中年/長谷川を”可愛すぎたまらん!”に見せる魔法使い里先生には、今作でもヤられまくりでした。
エロは無いに等しいのに、エロエロしくて萌えちゃう人たちは続編でも健在です。
序盤はいつものごとく、イカレた片桐の中に垣間見える長谷川への純愛・・・は見えたようで掴めないままで、長谷川が心から絆されないのも致し方ない状態。
しかしその長谷川も、臆病すぎて他人に踏み込まない・踏み込ませないままで、イラつく片桐にも同情してしまう。
この二人の焦れ焦れ感ほど楽しいものはありません。
ところが今回は、当て馬王子/三浦の乱入によって、片桐のかつて無いほどの余裕のなさっぷりや、長谷川への尊敬の念が本物であることを裏付ける出来事や、これまで聞きたくても聞けなかった片桐の真剣な想いが惜しげもなく披露されており、ほだされていく長谷川の心と体(まだ全部じゃない?けれど)に萌えまくりでした。
長谷川には、片桐のことをもっと深く理解・・・違うな、片桐にもっと深く溺れて欲しいので、続編あったらいいなあ・・・と淡い期待を抱いております。