「まじめに、ゆっくり、恋をしよう」
草壁の髪色と同じ、レモンの炭酸飲料を飲んだような読了感があります。
同級生は、ドロドロのおせっせが読みたい人にはお勧めできません。この物語に、恋に落ちる→おせっせのスピード感のある展開はありません。同級生の2人が、まじめに、ゆっくり、恋をします。
佐城(暗い・ガリ勉・メガネ)、草壁(明るい・バカ・人気者)と、真逆な2人の物語です。この2人、共通の趣味も、共通の友達も、共通の話題もない。この2人は、そんな表面的なもので惹かれ合っているでのではない。お互いの人間そのものや、存在みたいなものに惹かれ合っているように感じます。だから「お前が側にいるからそれだけでいい」んです。そばにいる、それだけでいい…。本当に人を好きになる、恋をするってこういうことなんだよなぁ、と。胸が熱くなります。
序盤は草壁からの愛情表現が多く、佐城は少々押され気味ですが、後半にかけて、佐城がたどたどしくそれを返しています。これにトキメキます。
間違いなく「同級生」はBL漫画の金字塔だと思います。
そこに穴があるから第1回企画
『ちるちるにレビューを書きこもう』