かなりのボリュームでしたがページを捲る手が止まらず、読了後は喪失感と達成感が押し寄せてきました。
間違いなく神作品。
転生ファンタジーで最終的に主人公カップルはハッピーエンドで終わるのですが、その幸せはたくさんの人物の犠牲の上に成り立ちます。
そこが切なく、際限なく世界を描けるWeb作品ならではなのでしょうか。近年の商業誌ではなかなか味わえない余韻を感じさせてくれました。
全ての登場人物に魅力があり、最終的にはその数だけ色々な種類の愛がある事に気付かされます。
レオリーノを宝石のように大切に育ててきた辺境伯一家。レオリーノが天使のように無垢でかつ強い心を育めたのは彼らの温かい愛の中で育てられたからでしょう。
イオに心を捧げ続けるルーカス。彼が本当に報われるのはその生を終えイオとの約束を果たしきった時なのでしょう。その献身と一途な愛は優しく深いものです。
レオリーノを王弟に奪われる形になってしまい、政略結婚する事になったユリアン。別の形でレオリーノを愛し続ける事でしょう。
兄王ヨアヒムやその王妃の犠牲はとても悲しく、父王の狂気にゾッとします。(個人的に辛い記憶を1人で抱え続けたヨアヒムが1番可哀想だなぁと)しかし前王の狂気も妾妃に対する妄執からと思うと…ヴィーのレオリーノに対する猛烈な愛に通じるものがあります。
王家の闇はあまりに痛く苦しく、カイルが逃げ出したくなる気持ちも無理ありません。
誰かが幸せになればその影で涙を呑む人物もいるもの。現実もしかり。
しかしキャラクター達が魅力的すぎて、それでもなお全ての登場人物の人生に幸せがあって欲しいと願わずにはいられません。
このような壮大な作品を描ききれる作者様が現れたことは僥倖。
これからも応援します!!!
素晴らしかったです!
パブリックスクールの続編?になるのでしょうか??
今作のキャラクター達はどの子も輝いていて
エドとレイの時とは別の感動をもらえました(*´`)♡
スタンは器用な芸術家。詩的でユーモアを交えた会話運びからさぞ賢いのであろう!
序盤は得体の知れない怪しげな不良として登場しますが物語が進むにつれ弱者を見捨てられない優しい青年の顔が出てきます。
彼は優しい、しかし優しさと同時に弱さを持っていることが分かってきます。
受けのケイトはアジア系イギリス人で複雑な家庭に育ち愛を見失って生きています。美しく線が細い容姿に対して、なかなか根性が据わっていますw
そんな彼がスタンに自分の弱味をさらけ出すところから変わっていきます。
親の虐待という重いテーマ。
不幸な境遇を経験しているスタンとケイト。
そんな2人があっさりと普通の恋愛ができるのかな?
互いを愛していると認識したあとも、一悶着ありそうな気がする。
さらなる続編に期待してます!!
受けの涼也は病んでる優男って感じです。
美しい容姿を持っているとされていますがそれ以外は普通の病んでる人です。
とにかく臆病で弱くて優柔不断。
そんなダメダメな涼也ですが私は嫌いになれませんでした。
むしろ共感する部分がかなりあったかも。
ふつーに女の人と恋愛して平凡な日々の中でたまに死にたくなったりして。
双樹とサラの双子それぞれと関係をしたあとに双子の男女それぞれを経験した倒錯的な興奮を素直に表現したり。素直ですよね。
そういう自分の欲望に素直な感じも悪くないなって思います。
双樹さんはとにかくスパダリです。
イケメンで仕事もできて女にもてます。
挿絵が美しくて双樹のかっこよさが際立ちました。
お気に入りの本です。
私はとても好きでした。
登場人物
29歳幼なじみカップル(東京住み)
サトル×マヨリ
小学生カップル(↑cpの田舎住み)
オサム×双葉
この4人が主軸となり二つのカップルの視点を行ったり来たりしながらストーリーが進みます。
オサムが家の蔵で子どもの頃マヨリが書き綴っていた手紙を見つけます。
そこにはマヨリのサトルに対する恋心が。。。
(手紙の中のヤンチャなマヨリがかわいいです)
一方男同士の恋愛に傷つき田舎を離れた大人cpはお互いを愛しながらも恋愛に臆病になっています。(特にマヨリ)
田舎という抑圧された空間の中で偏見にさらされ半ば追い出されたような形で今に至るマヨリは田舎にコンプレックスを持っているわけですね。なにせ田舎の人々に悟りとの仲を引き裂かれたわけですから。。
そんな大人の事情はつゆ知らず、閉鎖的な田舎で男同士で恋愛することに悩んだ小学生カップルが東京までマヨリをたずねていきます。(かわいい)この二人はマヨリとサトルは都会で幸せに暮らしていると思っていたのに実際は。。。
行き違いすれ違い傷ついたマヨリとサトルは過去のマヨリの手紙がきっかけで思いを再認識します。
ここで私の感動はマックスに!
子どもカップルのその後が気になって仕方ありません。
けれど双葉とオサムならいづれ幸せになってくれると信じています。
オネエ受け!?って思ってたんだけど受けが健気すぎて切なくなりました(´;ω;`)
バーバラ片桐さんの作品はドラマみたいな展開で面白いですね!
メインカップル以外のキャラクターも素敵です。
高坂の元彼は典型的な当て馬だけれど人間味があって私は好きです。
恋愛奥手の佐々木が恋するレズビアンの美人社長令嬢も色気ある感じで素敵でした❤️
何よりこのご本を手に取った時「家に帰って一人で泣くわね」ってタイトルがすでに切ないですよね。
泣くなら誰か見ているところで泣きなさい。なんて言われることもありますが、人知れず傷つき失恋を封印しようとするオネエ様にいたく感動いたしました。
普段完璧に取り繕っている高坂が元彼の暴行を受けてボロボロになって(ひげが伸びかけていたり)いる自分の姿を佐々木に見せたくないと思う気持ち。たまらなく切なかったです。
こんなに思われたら幸せですよね!!
うーん。
設定自体は好きなのですが、攻めのランバートが好きになれませんでした。
ノエル(受)→修道院育ちで純粋無垢。父の暴力から逃れるために母親が修道院に預ける。
ランバート(攻)→ノエルの父親に家をめちゃくちゃにされ母と兄を失う。ノエルの父に復讐するためにノエルを利用。
伯爵ランバートは純粋無垢なノエルを利用して亡き兄の復讐を果たすのですが、あまりに容赦なくて心が狭い人になっちゃっています。
復讐にとらわれるあまり周りが見えなくなっちゃっている。
修道院、貴族、健気受け。。等。
個人的に萌え要素が詰まっているはずが感情移入できませんでした(><)
一方ノエルは健気にランバートを愛します。
一回り以上年が違うのにノエルの方がランバートよりずっと大人。
ランバートが憎しみに囚われているさなかにも、罪を犯し続けた父親の心を無償の愛で癒す。
この作家さんの本はちょこちょこ読んでいますがとても好みの作品でした。
座敷童子として屋敷を守ってきた延珠丸が逸郎との出会いによって恋を知り童子から生きた人間として成長します。
朽ちていく屋敷で逸郎を恋待ち続ける延珠丸が健気すぎて切なかった。 屋敷の大女将である八重と延珠丸のやり取りも微笑ましく涙が出ました
水無月さららさんの作品を何冊か読んだけれどどれも大好きです。 単純ではない人のずるい部分や恥ずかしい部分をきちんと描いていて、特に攻めに当たるキャラが人間らしく好ましい。
逸郎も例に漏れず自分の未熟さを認め精進して精進していきます。
逸郎の周りで起こる様々な不幸や幸運。そのどれかが延珠丸の力によるものなのか。。。はたまた別の何かの作用なのか。。。
子供の頃に祖母から聞いたちょびっと背筋が寒くなるような昔話。
幼い頃には信じていたファンタジーが盛り込まれた作品です。
あらすじは他の方も描いてあるとおりで、前作で同棲し始めた二人のその後が描かれています。
ほのき→志方が好きでたまらない。ぐるぐる一人で考えがち
志方→愛情表現が苦手。表立って伝えることはしないけれど行動から穂木が愛しくてたまらないことがにじみ出てる。
愛し合っている。けれど所詮別々に育った他人同士。
仕事の仕方も違えば愛情の表し方も違う。
当たり前だけれどもなかなかそこの折り合いをつけるのは難しいものですよね。
始めは納得できないことがあっても無理やり志方の考え方に合わせようとする穂木ですが最終的には自分にとって丁度良いワークライフバランスを見つけていきます。
仕事も大事だけれど好きな人のために料理を作る時間も大事っていう穂木の考え方にはすごく共感しました。
読んだことないけどMLってジャンルに近いのかな?
恋愛初期の激しく何も見えない時期は過ぎ去り、別の愛情が芽生える。
時間が経つごとに愛が増えていく。既婚者には共感出来る部分も多いのではないでしょうか。
激しさこそないものの穏やかな大人カップルのリアルがここにあります!!