はー…すごい。すごくおもしろかったです。
読み始めたらあっという間にあとがきになっていました。
事件は読み応えがあり、恋愛面はかわいいときました。
ちょっとこの二人、かわいすぎますね…!
中華風の異国ものかつ王宮ものとなると、人名・用語・その他もろもろに慣れるまでが難しそうなんて思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
実のところ私もその口だったのですが、これが本当に読みやすくてですね。
するすると読めるうえに、BLと事件ものの両方が良いバランスで描かれていて最初から最後までたっぷりと楽しめました。
舞台はアジアンな雰囲気が漂う王宮なのだけれど、蓋を開けてみるといわゆる同級生の再会ものなのです。
放蕩な王とタイトルにもある通り、遊び人と噂をされている新王・ザイと、突如として王宮の庭の管理を任されることになったユン。
彼ら二人の両視点で進んでいくお話がですね…もう成人をしている年齢だというのに、なんというか全体的に絶妙な初心さが漂っていてたまらないんですよ。
旧知の仲特有の気安いやり取りもあいまって、なんだか合間合間でスコッとツボにハマるようなじわじわくる萌えが重なってくれるというか…
経験は豊富でも、本当に人を好きになったことがない恋愛初心者な攻めが、今までの相手たちとは違って超恋愛初心者な受けに対して「どうしたら本気だとわかってくれるのだろうか」と、少しずつ探り探りでアプローチをしていく姿がかわいらしく見えて仕方がなくって!
子供っぽく拗ねたり、二人きりの時には名前で呼んでほしかったり、時に理性がきかない自分に落ち込んだりと、初恋を拗らせたザイがかわいいったらなかったです。
彼がユンを好きになった理由も納得のいくもので、学生時代のエピソードがしっかりと生きていたのも良かったなと思います。
一方の今作の受け・ユンも非常に魅力的で、努力家で真面目で仕事も熱心にこなす有能さがありながら、ちょっぴり抜けたところもあるかわいい人なのです。
両視点で進むので、ザイ視点と微妙に噛み合わない天然さを持つユン視点を読むのが楽しかったですね。
最悪だと思っていたザイへの印象が彼の中で変化していく様も自然で、春の日に置いてきた甘酸っぱい青春の続きを見られたようでわくわくしました。
恋愛面以外のストーリーもしっかりと練られていて、ここでそうきたか!もあり、はじめは二人…から次第に事件を追いかけ、国を想う仲間が増えていく展開も読んでいて気持ちが良かったです。
兄と弟や母親との関係もすごく読ませてくれるんですよ…
端から端まで魅力的なキャラクターが多すぎて困りました。
巧みな心理描写が光る、読みどころ満載のまとまりの良い一冊だと思います。
その後の二人をもっと読みたくなりました。
元奴隷の褐色攻め のワードだけでどうしようもなくわくわくとしてしまいます。
攻めから受けへの献身的で一途な想いが印象的な一冊でした。
愛し尽くし攻めであり、やや過保護攻めでもあり、一見すると頼もしい英雄のようで、受け以外のことはどうでも良いとすら思っていそうでもある。
嫉妬をしたり、からまわってしまったりと、ラムルートが関係する物事となると人間くさいところがちらほら見え隠れするミスラが魅力的でした。
この人だと一度愛したら一直線なんですよね。
美しい挿画も文章の雰囲気とぴったりと合っていて素敵でしたし、キャラクターの心情が読み手にダダ漏れになってくれる両視点ものは好みのはずなのですが…
お話と二人の関係性になかなかグッとはのめり込めず、中立寄りのこちらの評価になりました。
というのも、パッパッパっと早めのテンポで場面が変わっていってしまう中、メイン二人の焦れったいすれ違いは長く続くのです。
一番読みたい恋愛面ははっきりとせず、ややもだもだとしているのに、物語全体の話運びはなんだか妙にスピーディーに感じられて少々アンバランスに思えたかなと。
中盤のラムルートの父親関連のお話が良かっただけに、ラムルートがオメガだと判明し拘束されるまでのエピソードがもう少しあったのなら…と惜しいです。
終盤の展開も駆け足気味に感じる箇所がありましたが、想いを伝え合った後は最高の流れ。
すれ違いが多かった分、もっと甘い二人の姿も読みたかったです。
まず、上巻は良かったのになあ…と思ってしまいました。
もうちょっとストンと腑に落ちるような流れと甘さを期待していたものですから、下巻の展開はそこまで刺さらず。
少々評価に悩んでこちらの評価になりました。
上巻では、お互いへの大好き度が古萱→→→→→→→→→←←トワ先輩くらいの比率に見えていた2人。
きっとこれは、下巻で古萱がトワ先輩のトラウマと不安を全部溶かしてからの大ハッピーエンド&砂糖菓子よりも甘い2人の図が待っているのでは?なんて勝手に思ってしまっていたのです。
うーん…ハッピーエンドではあるのだけれど、なんというかスッキリはしなかったかなあ。
7話目の唐突な夢の中の未来エピソードにも少々困惑しました。
トワ先輩の今後の不安と過去のトラウマが想像していたよりも根深かったようで…
古萱がこんなにも全身で大好きを伝えてもこんなことをしてしまうのかーと、最後までトワ先輩の気持ちが理解できないまま置いてけぼり状態で終わってしまい残念です。
というのも、トワ先輩と元彼のエピソードがすごく中途半端なんですよね。
ここはもう少し描いてほしかったかも。
どれくらい彼のことを好きだったのかが描かれていないので、なぜ古萱にまで同じことを?と疑問でいっぱいに。
自分を納得させるためではなく、なんだか試し行動のように見えてモヤモヤとしました。
良かったところを含め、もっとポジティブに書きたかったのだけれど、後半の展開が悪い意味で強く印象に残る下巻でした。
下巻の前半はかわいらしく、古萱の一途さと真っ直ぐさは終始好ましかったです。
本当に彼は裏表のないカラッとした性格のいい子ですよね。
ベッドでのリバ要素は上下左右どちらも味わえる良いものでしたし、私はただひたすらにかわいいリバップルのいちゃつきを見ていたかったのかもしれません。
リバ作品とのことでわくわくしながら手に取りました。
コミカルかつ明るくかわいらしいお話で、テンポも良くすっきりしていて読みやすかったです。
学生寮の同室で繰り広げられる、高校生リバCPの馴れ初めから現在までが描かれています。
上巻を読み終えた現時点では、元々単話掲載されていた上巻1話部分にあたるエピソードがリバ描写的にも心理描写的にも1番好みだったかなーとこちらの評価になりました。
少数派かもしれませんが、受け経験がある攻めというワードにロマンを感じます。
元々受け側だった者が攻め側になると、どこをどうしたら気持ちが良いのかを身をもって把握しているので、すごく丁寧に相手のことをとろけさせていってくれるんですよねえ。
こちらの作品の藤和ことトワ先輩もなかなかにずるいキャラクターでして…
これ好きなんだ?と、古萱のことをベッドで甘く攻めながら「俺はこーゆーのも好き」なんて、自分が受け側ならどうされるのが好きなのかも教えてくるのだからまいりました。
なんだかここがすごくツボで、教えてくれるんだ?!ありがとうな…の気持ちでいっぱいです。
個人的には、時に男前でクールな美人。
そして時にかわいらしくもあるトワ先輩に惹かれましたが、古萱のストレートな先輩大好きアピールも微笑ましく、黒髪美人先輩も人懐っこい犬気質な後輩も総じてかわいい1冊でした。
現時点ではどちらかというと小萱からの矢印が多めなので、下巻ではもっと相思相愛な2人が見られることを期待したいです。
とても良い青春の1ページを見させてもらったような気分です。
全4巻を通して、じっくりゆっくりと進む彼らの日々を眺められてしあわせでした。
かわいらしさと爽やかさと初々しさをたっぷりと味わえるうえに、ノンストレスではじめて同士の恋を追いかけられる。
なんというか、読んでいてすごく微笑ましくて癒されてしまう作品だったなあと思います。
2人ともがお互いのことが好きでたまらない様子を隠さずに全て見せてくれるので、なんだか読んでいてかわいくてかわいくて仕方がないんですよね。
2人を繋いだ音楽も、学業も、一歩踏み出す勇気と成長も、そして手探りの甘やかな恋も。
どれもバランス良く4巻の中で描かれていて、大人っぽすぎず子供すぎずな等身大の高校生らしさがあって好印象でした。
巻数が増えるたびに、彼らが好きな人にだけ見せる表情がどんどん魅力的になっているなあと感じていたのですが、完結巻となる4巻ではさらに魅力が増していましたよね。
中でも、孝宏が奏多に見せる笑顔が本当にかわいらしかったんですよ…
大好き!が顔に書いてあるようで、これはたまらなかったなあ…!
お互いに良い影響を受けながら、一段ずつ階段を一緒に手を繋いで登って成長していく2人を最後まで見届けられてうれしいです。
ラストも作品の雰囲気にぴったりな爽やかさでした。
アニメイト特典の小冊子に数年後の2人の姿が描かれていて、大人になった2人ももっと読みたいなー…なんて。
うわー、すごくおもしろかったなあ…!
6巻目にしてこの展開になるのかと、毎巻おもしろさを更新し続けてくれる無能な皇子シリーズに魅了されっぱなしです。
シリーズものって、しばらく前に発売された前巻がどんなところで終わっていたのかを思い出すために、まずは1巻目から読み返してから…となりがちなのですけれど…
夜光花先生は物語の序盤にさり気なくあらすじを織り交ぜてくださっているので、本を開いてすぐに新たなお話に入り込めるんですよね。非常に助かっております。
さて、どこからどう書こうかといううれしい悩みがつきません。
リドリーVS皇帝もあれば、シュルツVSマッドあり、ずっと匂わされていた最大の謎が明かされたりと、最後の最後まで手に汗握る展開のオンパレードなのです。
全部が見どころ・全編サビなんて言葉がぴったりの巻だったのではないでしょうか?
個人的に大好きなアーロン王子とスザンヌ妃の裏側が見られたのもうれしいポイントのひとつでした。
主人公であるリドリーが知略をめぐらせ、次々と立ちはだかる問題をばっさばっさと解決していく姿にスカッとするこちらのシリーズ。
もちろんスカッと具合も素晴らしかったのですが、今巻はやはりなんといっても終盤にかけての怒涛の種明かしが1番の見どころでしょう。
思い返せば…な見事な伏線の数々に、なるほどこうくるのかとはじめから読み返したくなってしまいました。
ずっと見守っていた彼とのやり取りにはぐっとくるものも。
謎が解けてもまだ謎が残っているうえに、謎が解けたがゆえにリドリーのこれからがどんな道になっていくのかがより楽しみになったなと思います。おもしろかったです。
そして、肝心のBL部分に関してはシュルツ×リドリーが少し進んだかなといったところ。
しかしながら、前巻のレビューにも記載したのですが、リドリーのキャラクターの強さと比べてしまうとどうしてもシュルツのかっこいい部分があまり強くは見えてこないのがネックですね…
現状ではどちらかというとストーリーをメインに楽しんでしまっている自分がいます。
マッドとの関係を含め、これからはBL部分ももっと盛り上がってくれることを期待しつつ、引き続き次巻の発売をわくわくしながら待ちたいです。
ポップでかわいらしい感じのお話かな?と思いきや…
それだけではなくて、ちょっぴり胸が苦しくなったり、主人公の心の成長と恋の芽生えにグッときたり、うれしい驚きが待っていたりと盛りだくさんな1冊でした。
最後まで仕掛けがわからないようになっていて、そうきたか〜!となりました。
これは読み終えてからもう1度はじめから読み返したくなりますね!
過去の出来事に起因するトラウマめいたコンプレックスを払拭しようと、毎日少しの無理をしながら大学生活を送るコウがなんだかとても痛々しく見えてしまって辛くなるところもありました。
ですが、このしんどさが後半でかなり効いてくるのです。
一緒にいて楽しい田中との日々が、少しずつ少しずつ彼の中で名前がわからない気持ちを大きくしていきます。
自分自身の凝り固まった思考に気付けた瞬間にはちょっとグッときてしまったなあ…
コウほどではないかもしれないけれど、周囲に合わせて自分を偽って生きている人って少なくはないと思うんですよね。
そして、そんなコウの元に現れた田中のコミュニケーション能力の高さと、スマートながらもぐいぐいいくところはいく不思議なキャラクターには終始翻弄されるばかりでした。
なんておもしろいキャラクターなんだろうか。
またずるいことに、彼は最後の最後まで読み手を翻弄してくれるんですよね。
押しすぎず引きすぎずな田中への好感度が、コウとともに読み手側もどんどん上がっていくわけなのですが、ピークまで達した瞬間にえっ?!っとなる。
ここが本当に上手くて、やられた〜!なるほどなあ…!と唸るばかりでした。
攻め視点があまりにも良かった。もっと読みたくなります。
Sっけがありそうで、でも見守り系溺愛っぽい雰囲気もあり…
随所に工夫がされていて楽しめた1冊でした。
ただ、欲を言えばこの先をもう少し読みたかったかも。
すごく雰囲気の良いCPになると思うんですよね。
はー、どこを開いてもでっけえラブが溢れる最高の続編でした。
またあんみつに会えてうれしい気持ちでいっぱいです。
そして、会うたびに相思相愛メーターがぐいぐいと上がっていく2人だなあと思います。
これがもう、読んでいてすごく心地が良くって思わずにまにましたくなってしまうくらい全身に効くんですよね。
ありがとうあんみつ。ありがとうミナヅキ先生。
恋人たちのその後といえば、やはりなにか一波乱ありそうなものじゃないですか。
しかしながら、あんみつの2人にはあまりそれらが当てはまらないのです。
ただただお互いを心の底から信頼しあって、より深まった愛情を大きく育てていく様子を見守るかたちになっているのですが、まったく飽きがこないうえにもっと読みたくなるのだからすごいですよね。
共生契約を結んだ、守り守られ・愛し愛され・与え与えられな唯一無二の関係になった2人をこれでもかと堪能できる。
これを最高と言わずになんと言おうか。
なにがあっても彼らの関係性は揺らぐことはないでしょうね。
萌えるポイントを数え始めたらキリがないのですけれど…
アンナ視点で見るみつるの表情もかわいらしければ、みつる視点で見るアンナの表情もたまらなくかわいらしくてどうしようもないという…この…もう…なんだ……?
本来ならば恋人同士でしか見ることができないものをこっそり覗き見させてもらっているようで、2人を見守る部屋の壁冥利につきます…
みつるのことがかわいくてかわいくて仕方がなく、時折のろけすぎて様子がおかしくなるアンナの溺愛っぷりはもちろん、かわいいのにどしっと構えた男前なみつるも本当にツボでした。
お互いに執着し合う2人のどでかい愛がぎっしり詰まった1冊です。
もし叶うなら、彼らの何気ない日常をもっともっと眺めていたいなあ。
手に取って、おお…!となる分厚さに思わず期待が膨らみました。
やっぱり分厚いとわくわくしますよね。
絵柄が好きな作家さんではあるのですが、お話がすごく刺さる時とそうではない時の差もあって、今回はどちらだろうかと期待をしながら読み進めました。
読んでみた結果、恋愛に発展するまでの心情が丁寧に描かれていた良かったのだけれど…
すごくハマったか?すごく萌えたか?と考えると、ちょっと自分の好みとは異なったかなとこちらの評価になりました。
というのも、グッと掴まれるような盛り上がりが少なかったように思えたのです。
やはりこの厚みですから、恋愛に興味がない年上美人が年下からの熱心なアプローチにどう溶かされていくのかを最後までドキドキしながら見届けたいじゃないですか。
うーん…登場人物の気持ちの変化が丁寧に描かれてはいるのです。
ですが、全体的にテンションが淡々としているように見えたというか…
ロートーンのまま長尺でじっくり進んでいっているようにも感じられて、ラストの前に少々ダレてしまいました。
ただ、このゆっくりと静かに進む恋模様がお好きな方もきっといらっしゃるはず。
個人的にはもっと緩急がほしかったものの、素直でまっすぐな年下攻めの図はかわいらしかったです。
かわいらしい絵柄とは裏腹に、重苦しくヒリヒリとした展開が続いていた横浜篇もついにラスト。
都と冬夏はもちろん、他キャラクターにもきちんとスポットが当てられていて、最初から最後まで見逃せないといいますか…
とても読み応えのある1冊だったなと思います。おもしろかったです。
組の抗争や、それぞれの過去。
そして、どのキャラクターがなにを抱えて生きているのか?なにが隠されているのか?など、相関図を見ているだけでもなかなかに複雑だった横浜篇。
数巻にわたって描かれていた、ずっしりと重たく謎めいた部分がこちらの8巻で明らかになりましたね。
都の両親の死の謎、饕餮と藍浮、奈倉組の2人…など。
そうだったのか…!もあれば、そうだったのか…もあったりと、本当にいろんな意味で心がざわつく展開ばかりなのです。
都と冬夏の成長と、強固になっていく守り守られな唯一無二の関係性に一喜しつつ、今巻ではその周囲を固める面々の人間関係にも惹かれてしまいました。
執着と身勝手な優しさと強い想いが絶妙に混ざり合っていて、どこを開いても目が離せないのです。
楽々先生、人間関係を描くのがうまいなあ…と唸るばかりでした。
暗く長い夜が明けた彼らの未来が、少しでも明るいものになりますように。
断片的にしか語られていない都の両親のお話も、今後どこかでもっと読めたらうれしいなあ。
次巻からは青春スクールライフ編とのことで、より関係が深まった都と冬夏の甘くてかわいらしい年相応な部分がまた読めるのかなと楽しみです。
ハレルヤな日々が送れることを願って、次巻を待ちたいと思います。