本文も人を選びますが、それ以外の部分が酷いです。
まず本作について。この作品には、ラブはあまりありません。攻めと受けの恋愛はスパッとダイジェストで書かれています。
受けが誘拐されて暴行を受け、攻めが右往左往しつつ心配する…。その辺りの酷な描写が作品のメインです。
内容については好き嫌いの範囲かと思いますが…。
ネット小説の書籍化とのことだったので、ネットでこの作品のことを調べてみました。
そしたら、本作でダイジェストだった攻めと受けの恋愛が公開されているんです。
後書きに「出版社に一作目を発掘してもらったが、二作目に思い入れがあったので売り込んで文庫にしてもらった」と書かれていたんですが、どうも一作目というのが攻めと受けがくっつくまで。二作目が本作だったようです。
道理で本を読んでいて、キャラの過去がちゃんと存在しているのに作中では書かれてなかったり、思わせぶりに出てきてそれっきりの伏線があったりするわけです。
本作もネット上で読めます。更には本作と同じぐらいの長さの後日談まであります。
元々は前後編の予定で、本は前編部分だったとか。
つまりこの作品は、
・第一話:主役二人がくっつくまでのラブ
・第二話:くっついてからの話(前編)
・第三話:くっついてからの話(後編)
の二話目にあたるということです。三話完結の二話目だけ読んでもどうしようもないと思うんですが…。
そして著者はネット上で
「この作品とは一旦決別します。引き伸ばすような内容じゃなかった。前後編の予定だったので書籍版は尻切れトンボです。私の脳内でキャラは美形ではなくキラキラしてもいません、HなBLを伝えたかったわけではないのに紙の本になる誘惑に負けました」
と発言しています。お金を払って損したと心から思いました。
本文が好みに合わなかったのは趣味の問題なので仕方ないですが、その辺りに納得がいきませんでした。