初めに短編で読んだ時のあの衝撃を思い出しました。
鮮烈で強烈な出会いと体験をした2人が、今やすっかり仲良し同棲カップルになっています。2人とも角がとれてまるくなって、柔らかしい優しい雰囲気を醸し出しています。
が、しかし、2人ともそれぞれ、独特な性格、倫理観、考えを持っていることから、予想外の言葉、予想外の展開が続くところが今作の魅力だと思っています。
貴宏の大阪の系列店に派遣で別居になってしまう2人。
希雄が、あれこれたくさん考えて、考えすぎてしまう様子が、貴宏が好きで好きで、絶対的に好きなところからきているのがとてもかわいいです。
貴宏も希雄も現旧、夜の世界で働いて、恋心や体を商売道具にしてきた経験から、恋人に対するあれやこれやの感覚は、少々、一般人とずれているようです。~しなければ、~でないとおかしい、とならない2人のあれやこれやが、かわいくもあり、ときにハラハラさせられます。
希雄が一時期、本指名していたウリ専の客、涼介との再会。涼介が失職した理由、涼介が希雄に向ける愛情。
貴宏が派遣先の大阪の店にいるナンバーワンの問題行動、そして過去。
貴宏と希雄の遠距離恋愛の話がありつつ、新しいキャラクター2人による、別のつながりや物語も進行していきます。
これまたハラハラさせられておもしろいです。
だいぶ難しいところが多いふたりだけど、希雄は「なんで俺の気持ちいつも全然わかってないわけ、俺はすんげーわかりにくいお前をいつもわかろうとしてんのに」と泣きながら気持ちをぶつけ、それを受けた貴宏は「俺はお前にふさわしい人間になりたい、それだけなんだ」と気持ちを打ち明け、そうやって、少しづつ、お互いに対する気持ちを、言葉で交し合っていく様子が素敵でした。この2人、身体で交し合うことが多いので、言葉でも、という大事なところが、5巻は多めに描かれていたと思います。
遠距離によるすれ違いは解消されましたが、5巻で新しく登場したキャラクター2人がかかわる波乱が今後ありそうで、続きが楽しみです。
原作既読。
山田ノノノ先生のどろりとした暗さのある情感たっぷりな世界観が味わえる作品。
原作は視覚で味わう作品ですが、かなり心がヒリヒリしましたが、ドラマCDは聴覚で味わう作品で、そのヒリヒリさが増しているように感じました。
聴取していて、かなり心が痛い、というか、つらい、というか・・・
原作のラストを知っていないと、つらさが先に立って聴き続けるのが自分はしんどかったです。
それが作品の味であり、原作の雰囲気をより広く深くした演出だと思います。
ドムサブ作品は今や数多くあり、作品ごとに設定が少しづつ異なるものだと思いましが、今作はドムサブという性癖を通して、人間の気持ち、考え、本能、を深く掘り下げています。
メインキャストのふたりとも、原作のふたりの解析度をさらにあげてきたように感じる声、演技でした。
特に佐山正己を小林千晃さんが演じられたのが、素晴らしかったです。
ちょっとこもっている、聞き取りづらい声色、話し方、が佐山正己の持つ、悩み苦しみをより際立たせていたように思います。
佐山正己の生い立ち、今の状況に同情はするものの、それでも、あまりにとげとげした言動は聴いていて心が痛みました。
中盤から後半に生きてくる、演出、演技なわけですが、聴いていてしんどいほどでした。
今作は絶対的に原作から入るのをおすすめします。
山田ノノノ先生のどろりとした暗さのある情感たっぷりな世界観が味わえる作品。
いろいろなドムサブ作品がある中、甘さや優しさより、人間の深いところ、複雑なところ、難しいところを掘り下げて表現していると思います。
読んでいて、かなりしんどくなることもあり、つらい、ひりひりする、と思いながらも、時々、読み返したくなる強烈な印象があります。
愛情と、気持ちと、生き物としての本能、性癖との、区別とすり合わせ、せめぎ合い、折り合いをつけていくまでを、情感たっぷりに描いています。
孤独と苦しみの中でもがいてもがいてなんとか生きてきた佐山正己が、伊達悠生に出会い理解され救われる話でもあり、伊達悠生もまた、佐山正己との関係で理解され救われる話でもあります。
ハッピーエンドかと思ったらまた一波乱あるのも、深いところだと思います。
心身の体調の良いときに読むのがお勧めです。
心のカロリーをけっこう消費します。
蛇喰い、原作、ドラマCDともに履修済ですが、同人誌が電子書籍化された作品があるのを先日まで知らず、うきうきで購入しました。
大学生の二条が、先輩にだまされて(知らされず)合コンに参加してしまった店で、千鳥と遭遇してしまうお話です。
二条が千鳥に興味をもつきっかけとなったのが、飲み屋のトイレでセフレと発散しているのに遭遇してしまったこと、というエピソードが生きています。
今や恋人の2人が、やきもちと束縛との感情を持って甘く甘く、言葉で、行動でつながる様子が、とても色っぽいです。
そしてその場所が、2人が交際するに至るきっかけとなった飲み屋のトイレ、という仕掛けがとても効いていて、素敵です。
やられ、やり返した首筋のキスマークにとても萌えます。
原作既読、大好きで何度も繰り返し読んでいる作品です。
ドラマCDの1作目でも、メイン声優のお二人、佐藤拓也さん演じる羽山麻水、斉藤壮馬さん演じる白崎由岐、どちらもとても役柄にあっていて作品の奥行きを深めていると感じました。
こちらの2作目、2人が両想いになったけれど、出演する作品はばらばらとなり、少ない時間での逢瀬を重ねていく様子が、情感たっぷりに綴られています。
再会のきっかけ、交際のきっかけ、となったドラマ、昼のゆめ、のヒットにより、白崎由岐が売れっ子となり、2人とも超多忙となっている中、寝る時間を削ってセックスばかりしているエピソード、原作でも素敵でしたが、2人がささやきを交わす様子がとんでもなく色っぽくて最高でした。
「麻水さんとするのが一番気持ちがいいんだもん」という由岐の名セリフ、斉藤壮馬さんの声によって、色っぽさも情感も増大し、向けられた麻水ではない、単なる聴取者なのに、深く深く感じ入ってしまいました。素晴らしい。
ドラマCDの続編もこれから追いかけていこうと思わされた素晴らしい作品でした。
ボーナストラック
203号室
原作でも大好きなエピソードが、情感マシマシになっていて、にやにやしながら聴きました。
合法的に半同棲になれるという甘いエピソード、2人のやりとりが楽しくて、萌えて大好きでした。
神谷浩史さんの声が目的で先にドラマCDを聴きました。
20年近く昔の作品なので、設定や展開など、いい意味での古さがあります。
今より、自由度が高い、というか・・・
突拍子もないエピソードがいくつかありますが、ぶんぶん振り回されつつストーリーをおいかける展開が楽しく、原作を読んでみました。
大和名瀬 先生の作品は、1Kアパートの王子様シリーズは読了しています。
いい意味で突拍子がない、ぶっ飛んだストーリー展開が作風なのだと思います。
綺麗な絵柄、美しい人物たちとの絶妙なバランス、アンバランスさが味になっています。
CDでストーリー履修済みでしたが、最初のうちから登場人物が多くて、職業もの、でありつつ、ご町内の人情もの、の風合いもあり、味わい深いです。
依頼人、桐ヶ谷亜喜の、とても整っている顔立ち、無表情、つんつん、からの心の内を打ち明けたときの表情の変化、きれいで整った顔が変化する様子には、読んでいるだけでも、見惚れました。
公私の、裏表のギャップも愛らしいし、これは柴崇史が惚れるのも納得、という強烈なキャラクターでした。
瀬戸うみこ先生の独特の言葉遣い、世界観のファンで好きな作品がたくさんありますが、今作が一番好きかもしれません。
カスタマーセンターを舞台にして、かなり変わった人柄の2人が出会い、片方からのぐいぐいに応じる形で交流が始まり、恋に発展していくお話です。
なのですが、2人のキャラクターがとにかく強烈です。
エピソードはほんわか、決意と発言は強烈、まじめな台詞なのにおもしろく、時にとても愛らしい、読んでいて感情があっちこっち忙しく動きます。
岸本くんも江藤さんも、まじめで仕事ができるけれど、個人的な部分はかなり変わってるし、ポンコツだし、捉えようによっては怖いです。が、どちらもとても愛らしいのです。
2人がものすごくたくさん言葉を重ねて(今まで読んだBL漫画でもたぶん最多レベル)いく様子は、再読して、再々読して、とするとより味わい深くなります。
一生懸命に仕事用の表情、言動を保ち、大事にしている江藤さんが、感情が動いたときに(キレたときなど)がらりと変わるのが、本当にものすごい変化なのですが、やりすぎで興ざめすることなく、読者が置いてけぼりにされることないのがすごいです。
ギャグっぽいところもかなりありつつ、心に響く名セリフもいくつも盛り込まれています。
特に岸本くんが江藤さんに向けた「貴方の嫌いな貴方が、好きです」という台詞は、素晴らしいと思います。
江藤さんはばら、と連発しますが、そのばか、ごとの感情と表情の違いが、愛らしいです。
巻末の短編たち、どれも、甘くて、甘くて、かわいくて、かわいくて、すんごく萌えます。
両想いになって幸せ気分で読み終えた後の、デザート攻撃を受けた幸せ気分になります。
シリーズ4作、発売されていますが、今作だけでも楽しいし、全部読むとより楽しめます。
原作既読。
瀬戸うみこ先生の独特の言葉選び、一風変わったキャラクターたちがいったいどんな風になるのか楽しみに聴取。
原作の魅力が魅力的に表現されていたと感じました。
メイン声優さんたちの演技ももちろんですが、演出もとても世界観にあっていたと思います。
岸本の、とことん人が良いのだけれど、ちょっと気持ちが悪いところがある、奇妙なアンバランスな人柄を、新垣樽助さんが見事に演じられていました。江藤さんより先に、うわ、と声をあげてしまうほどの迫力がありました。
江藤さんの、とことん外面がよくて仕事ができるのに、プライベートが駄目な、ギャップを、かわいらしく内田雄馬さんが演じられていました。江藤さんのキャラクターは、下手すると、ちょっと鼻につくし、うっとうしく感じかねないのですが、とてもかわいかったです。
瀬戸うみこ先生の独特な言葉遣い、おもしろいところはとてもおもしろく、奇妙なところはとても奇妙に表現されていて、聴きながら、笑ったり、声を出して突っ込んだり、ほほえましくなったり、萌えたり、と、とても楽しみました。
キャストトーク
それぞれのキャラクターの掘り下げが楽しかったです。
原作既読。
オメガバースの芸能もの。
斉藤壮馬さん演じる王賀夏目は子どもの頃から芸能界で活躍していて、アルファだと思っていたら成長して検査でオメガと分かった後も、親の執着による希望、要求、本人の希望もあり、薬で調整しながらアルファと偽って活動を続けています。
強さと弱さの両方を併せ持ち、揺れ動く繊細な心情を、斉藤壮馬さんが見事に演じられていました。
斉藤壮馬さんのオメガ、受け、何作か聴取したことがあり、圧倒的なオメガ、圧倒的な受け、が素晴らしくお上手な声優さんだと思っていますが、今作の役も最高でした。
王賀夏目の幼馴染でオメガであることを知っており理解し応援しており、芸能界で活躍するβの千歳琥太郎を山下誠一郎さんが演じています。
幼馴染で大好きな友達の夏目に大きくて広くて強い愛情を持っていますが、頭では理解できるけれど、バース性の違いは実感できない、苦悩を、優しく繊細に表現されていました。
キャストトーク
斉藤壮馬さんが夏目の出産後の母親との対話、わだかまりがとけたエピソードについて、僕は許してない、と話していらして、声優さんが演じた役柄を深く理解し、想いをこめていらしたことが伝わってきて、素敵でした。
ビジネスBLの配信者の2人が、上巻で少しづつ関係に変化が出てきてからの下巻。
利己的で強く見える先輩のサイですが、後輩のコマに対する気持ちが生まれ、その気持ちが変化していきます。
2人とも配信者なので、配信中の顔、言動と、そうでないときは違いますが、ギャップがすごいのは後輩のコマのほうです。
そのギャップにサイも読者もやられます。
2人ともそれぞれ、芸能人になろうとしたのには子ども時代、家族、親族の気持ちが関係していたことがわかります。
それぞれちょっと重たいエピソードですが、それらを知ることにより、2人の今、関係がより深く感じられます。
タイトルの意味を考えもせず読んでいましたが、コマに「どうしてそんな風なのか」と聞かれたサイの答え、「神様がさいころをふってしまった」という言葉こそが、タイトルの意味だったと知ります。
さらっとタイトルの意味を作中で主要キャラクターの台詞で読者に伝えたこの演出、素敵でかっこいいと思いました。
ネットの世界から有名になり、実力が認められ、テレビの世界で活躍するようになったコマ。
テレビ業界のドンによる、売春クラブ所属要求、そして、断ったことで芸能界から締め出されてしまうという流れは、少し前に日本の芸能界を大震撼させたあの事件を彷彿させ、ハラハラしました。
芸能界のドンに逆らうということは、芸能界から消されるだけでなく、ヤクザに殺されることもありえるというかなり危機的状況からの、サイの決断と行動、命からがら逃避行かと思いきや甘いハネムーンのような状況もあり、後半はとにかくドラマティックで盛り上がりました。
事件を経たことで、コマがサイに、サイがコマに、おそらく初めてしっかりと目を向け心を向けて言葉を発するようになる変化には胸が熱くなりました。
一件落着かと思ったら、その後にまた事件、ハラハラ、ドキドキの展開が続きます。
最終話は、映画のエンディングテーマの後に流れるおまけの後日談のような感じで、穏やかで心温まるものでとても素敵でした。
舞台設定、台詞、絵柄、演出、全てがかなりドラマティックで映画のようで素敵でした。
初読み作家さんでしたが、次の作品も読みたいと思いました。