二人が恋人になってからのお話ですが、二人の関係だけでなく、それぞれの人間関係もいい味を出していますね。シンさんや楢崎の家族との会話にも、この作品独特な空気感がありました。
お互いにお辞儀をしてセックスを始めたと思ったら段取りの確認をしだす楢崎と、その後ろで目を引きつらせる寺島には笑ってしまいましたが、そんな堅物なところもまた楢崎の魅力なのでしょう。
「家族がいるから」と拒む堅物な楢崎が、前々から寺島を家に呼ぶためにちゃんと計画を立てていたと思うと!
二人ともちょっとずつ不器用で、寺島は悶々と悩むし、楢崎は言葉足らずだし。
でも、これからもこんな二人がずっと一緒にいてくれたらいいなと思う、素敵な読後感の作品でした。