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美形だらけのド派手な恐竜ワールド

3巻も良かったですが、4巻はそれ以上でした!!
今回新しく登場するのはリトロナクス。双子のイタリアンマフィア、
ファウスト&ルチアーノ・ヴィスコンティ兄弟。
豪華絢爛な世界の中で繰り広げられるバトルは、圧巻でした。
バイオレンス風味増してますが、可畏と潤のラブ度も増し増しです!!

ファウストとルチアーノは人間の姿の時も、変容しても凶暴凶悪(但しハンサム)。
対する味方(?)はリアム、クリス、蛟とオールスター共演。
挿絵も本当に美しく、敵も味方も美形だらけで眼福でした。

物語としては、竜嵜家主宰のクリスマスパーティに、招かれざる双子がやってくることから始まります。アジアを制する竜嵜家を支配下に置こうとする双子。
その前に潤が双子にちょっかいかけられるのですが、双子は最初からとてもいけすかない感じ。
しかし、パーティ自体は準備や当日もすごく煌びやかで華やかな雰囲気が良かったです。
可畏も人格的な面で成長著しく、潤との愛情が深まっているのを感じました。
可畏と潤はお互いに、異種族であることを理解して相手を思いやる気持ちがあるので、読んでいて和みます。

中盤から双子のやりたい放題が加速します。
可畏と潤とリアムを襲撃及び拉致して、豪華客船に乗せた双子の非道な仕打ちに
可畏は特殊な拘束具のせいで、全力で抵抗できません。
しかし、潤に対する双子の蛮行にはブチ切れて、可畏は大きなリスクを背負ってTレックスに変容。
リトロナクスに変容した双子とのバトルは本当に大迫力で、必見です。

リアムや蛟の活躍も良かったですが、私が一推しなのがやはりクリス。
双子がリアムに対しても筆舌に尽くしがたい所業を行いつつあった状況を見て
双子に最もダメージの大きい、効果的な報復をします。
直情的に激昂する可畏とは対照的に、クリスが冷静にキレるところに背筋がゾクゾクしました。
悪の魅力というか大人の余裕と知恵を併せ持つ、危険な「頼れるパパ」です(笑)
受けのことを大切に想う可畏もクリスも、攻めとして非常に魅力的です!

前半と終盤の可畏と潤のエッチシーンもかなーり濃厚でラブラブだと思います。69とか。
挿絵もばっちりエロス満載でした。
そういえば、双子に無理矢理色々やらされるシーンもありますね・・・ちょっと無理めな体勢の。

全体的に、BLとしても、ファンタジーとしても、大変面白く、
毎日少しずつ読もう、と思ったのに一気読みでした。
次巻は、糖度高めだそうなので、それもとても楽しみです!!

異種族間の愛と暴君竜の更なる成長

もともと好きなシリーズですが、今巻も面白かったです!!!
今回は新たにスピノサウルスが出てきました。

暴君竜シリーズでは攻めの可畏の暴力シーンが好みの分かれ目になってる部分もあるかと思います。
今回も生き餌達のちょっとしたミスで可畏が生き餌たちに暴力を振るいます。
それに抵抗感を感じる潤。それは勿論人間としては真っ当な感覚です。
ですが、竜人には竜人の常識があって、人間の常識とは違うと生き餌たちに諭され、
潤は可畏に歩み寄ります。
この生き餌達の反論は人間の痛いところを的確に突いています。
可畏は可畏で、潤やその家族・友人への配慮を示すなど、
お互いの価値観を押しつけ合うことなく(最初は押しつけてるかもですが笑)、
快適な距離を保てるよう気遣うところがこのシリーズの魅力の一つだよなぁと思います。

今巻では潤の前の学校の友人たちも登場します。
特に森脇は可畏に対して挑発する物言いが多いのに可畏はちゃんと我慢します。
生き餌達に対する態度と人間に対する態度をきちんと分けているあたり、
可畏の成長が感じられます!
実は完全に我慢しきれたわけではないのですが、その辺は本編で・・・。
成長と言えば、最後の方のリアムや蛟に対する可畏の考え方に至っては、
ビックリするほど名君な感じになってました。

スピノサウルスの蛟は一族の長として哀しい宿命を負っています。
絶望の中に一条の光(潤)を見出して、過ちを犯してしまうところが一番切なかったところです・・・・・・。
それになんといっても海に潜む巨大生物っていうのはやっぱり浪漫があります!
毎回そうですが、読後に恐竜映画を観たくなります(笑)

中盤では言わずもがなの大迫力の戦闘シーン、T・レックスVSスピノサウルス!!
挿絵もあってとても良かったですが、できれば海に落ちた可畏や、空を飛んで潤を保護するリアムなどもちょっと絵で見たかったです。

お待ちかねのエッチシーンはラブラブで潤が積極的でした。
可畏に対する愛を再確認したからというのもあるかもしれません。
しかしなんと言っても萌えたのは、ちょっとネタバレになりますが
潤がいない間、可畏が不眠不休で探し回ってたところです。
そんな風に深い愛情を示されたら潤も積極的になりますがな!
一番萌えたのは戦闘で疲弊しきった可畏が眠りにつく前に
潤が自分から離れないようにしたあることでした!!!
ネコパンチでじゃれあってるのもすごくかわいかった!

そして。ひょっとしたら一番好きなキャラかもしれないクリス。
今回もしょっぱなから頭のネジが2~3本吹っ飛び気味で我が道を快走します。
利害が一致していれば心強い味方なので、今回はイイヤツ・・・だったかな?

というわけで、恐竜好きな方、情熱的な攻めが好きな方、ちょっとイカれた科学者が好きな方、一風変わったBLが読みたいという方、などなどにこのシリーズをオススメします!

ストレートな甘さは控えめの、エロ切ない恐竜BL

大好きな作家さんの恐竜BLです。
序盤から流血があったり、攻の可畏が受の潤を殴ったり(攻の受に対する暴力は個人的には地雷なのですが、、、)とアララな場面もあるのですが、全体的にとても面白かったです。

分類すると現代ファンタジー&学園ハーレムでしょうか。
可畏を含め恐竜の遺伝子と能力を持つ者たち、そして可畏の血を得たことで恐竜の影を見抜くことができるようになった潤。
世界観もきちんと作り込んであるので、安心して違和感なく愉しめました。

可畏は一見本当に暴君で自己中な言動などあるのですが、
かなり最初の頃から「一緒にいたい……」と潤に対して切ない想いを寄せます。ツンデレです。紛うかたなきツンデレです。
そしてやむを得ない理由から潤を殺すようヴェロキラたちに命じますが、その後可畏は激しく後悔します。
そして「潤の死体」を捨てた井戸に向かい、
暗い場所が苦手なのに井戸の中に入って潤の無事を確かめずにいられなかったところとか、直球の甘さではないのですが、行動でその純粋な本心が雄弁に語られます。そして想いを確かめ合うHシーンも甘く、可畏はとうとう潤を守るためーー潤を最も大切な者だと自覚してある決断をします。
ところで、可畏の気持ちに添えるよう、潤が死なないようきちんと計らっていたヴェロキラたちの行動も心憎いです。

この井戸のシーンもとても良かったのですが、
エレベーターのシーンもお気に入りです。
可畏のトラウマによる恐怖感・殺意と潤への想いの葛藤。
混乱する頭でグルグル思考が巡って--潤を危険な者だと思いながら
その温もりにすがらずにはいられない可畏が、何とも言えず切ないのです!!

Hシーンも多めで、美麗イラストと相俟って(特に口絵の二枚目は構図も良くて絶品のエロさですし、あんまりBLらしく見えないな、と思っていた表紙も帯を取ると実はすごいことになっています)、そういう意味でもとても満足でした。

それと潤が作る食べ物がとっっってもおいしそうで!
この物語ではカボチャのポタージュとアボカドのサンドイッチの描写で、お腹がすきました(笑)

ツンデレ系暴君な攻と切ない物語が好きな方にお勧めです。
ファンタジーや学園物が好きな方にも。