内容は他のレビューで詳しく書かれているので割愛しますが、とにかくまるまる1冊が前フリのような内容で読んでいてとても疲れました。
恐らく、物語全体に圧倒的に“会話”がない事が要因だと思います。
異世界トリップなので、現地の人と言葉が通じない。
一緒にトリップしたもう一人の主人公の少年は、少し頭が足りないので会話の内容が主人公の脳内で要約される。
唯一意思疎通できるのはトカゲですが、きゅうきゅうしか言わないので、これもまた主人公の一人語りになっている。
主人公が可哀想な目に会うのが十八番な先生ですが、今回はそれを救う甘いシーンが少ないのも要因だと思います。
だって会話が通じないから、せっかくの甘いシーンも主人公のマイナス思考のおかげで幸せに浸れないです。
また、攻めはもう一人の少年のお世話で忙しいので、物語のうち半分くらい出てこないです。主人公は攻めが何をしているか知れる立場にいないので、読者の私たちも何も分かりません。
異世界のルールを主人公が知らないから、読者の私たちもなんだかわからないまま為すがまま急に「生きる為に精液が必要」だの「神の水は飲めなかったけどトカゲのおかげで飲んでいい事になった」とか言われてご都合主義にしか聞こえない。
どこかでみたことのある設定のファンタジーに無理やりBL要素をぶっ込んできた感じ。きゅうきゅう鳴くトカゲとのやりとりも少しあざとく感じてしまいます。
異世界の言葉についての説明もいくつかありましたが、正直言ってしまうと知りたいのはそんなことではない、とつっこんでしまいたい。
シリーズものなので、次回作は一緒にトリップした少年の話の話になるとのことですが、そちらの少年のほうが言葉が通じて会話が成立するので世界観に浸れると思います。
とにかく次回作の前振りだと言われても仕方が無い内容でどのキャラクターにも惹かれるものがありませんでした。
作者買いで初めてオメガバースものに手を出しました。
世界観は何となく知っていましたが、本作は丁寧な世界観の説明文が最初にあり、オメガバースの世界を全く知らない人でも読めばすぐにわかります。
まぁ、ようは身分差萌えと男同士の妊娠が平気な方なら読める世界観です。
私の中で勝手にオメガバースものは濃い性描写なイメージがありましたが、本作は突然変異により階級が下がってしまう、プライド高い受の苦悩が描かれており、良い意味で性描写に頼らないストーリー展開になっています。
絵も少し個性はありますが綺麗ですし、性描写も色気がある作者の先生なので、オメガバースの世界に少しでも興味があれば、お勧めしたい物語です。
天然というか、自由奔放な攻めとコンプレックスを持つ臆病な受けの子の話です。
舞台が美大なので、才能云々の話でストーリーが進みますが、淡々とし過ぎてて退屈でした。
自信のない受けが自由な攻めに憧れる展開は想像通りでしたが、攻めが受けを好きになる展開になぜ?って感じ。
受けの才能も特に攻めが見出したわけでもなく(そもそも最初から周りは言ってたのに受けが聞く耳を持たなかっただけ?)、穏やかにストーリーが進む割には恋愛のところだけ無理矢理押し込んだなって感じです。
性描写は全くありません。
それだけに、もっと心理的な恋愛描写を丁寧に入れて欲しかったなって感じでした。
やられました!!
何に?って受けの村瀬さんの超絶可愛いボイスです。
村瀬さんと言えば、某バレーアニメ主人公の元気、超ポジティブ、少しおバカな少年がすぐ頭に浮かぶので、この物語の病弱健気のキャラクターに合うのか少し心配でしたが、なにも心配はいりませんでした。
前半の攻めに冷たくされてどんどんしぼんでいく声や後半のクライマックスシーンの喘ぎなどはとてもまだ(BLCDでも)経験の浅い声優さんとはとても思えないほど可愛いく、気持ち良さそうでした。
ストーリーが良いのはもうすでに有名な原作なので割愛しますが、CDになってもその質は全く落ちていません。
欲を言えば、蟻酸を注入するシーンの効果音がティラティラーンみたいな謎の魔法の音だったのが少し気になりました。でも、ドラマCDなどは決まった効果音から選ぶのでしょうから仕方ないのでしょう。
なんにせよ、とにかく村瀬さんの神受けボイスは聞く価値ありです。
ここ1、2年のこの作者の先生の傾向ですが、攻めが男くさく眼力に凄みがあるキャラクターが多いように思います。自分は猫シリーズの一見クールだけど独占欲の強い攻めが好きだったので、そこから少しずつ自分の萌えと違う方向に先生の萌えが進んでいる事を承知で、レビューさせて頂きます。
読後すぐの感想は、ここまでたくさんの経歴と良い作品作りを重ねてこられて今ここでこんな平凡な作品を?でした。
ホストと医者の身分というか世界の違う恋を描かれたのでしょうが、そもそも、受けの医者が幼すぎてやっていることがちんぷんかんぷん。医者である必要も感じないし、実家の開業医についてフラグは立っているもののあとから何もついてこない。挙句結婚?あれ、実家はどうした?ってファンタジー医者ものなのはしょうがないのでしょうが、ただ、甘い2人を書きたかっただけなのかなと思います。厳しく言うのなら、今までの繊細な心情やキャラクター作りがメインのお話に比べると随分手抜きな作品だなと感じてしまいました。
作家の先生だって書きたいものがたくさんあると思いますが、応援している先生だけにちょっと期待外れだったかなと思います。
最初の感想は、よくこのタイトルで出したなって感じです。
ストーリーは他の方が載せているので割愛しますが、タイトルに驚き表紙の絵に惹かれて買いました。
ただ、中身は特に珍しいものではなく何にも興味のなかった攻めが愛情深い受けにはまるというもの。受けの粘着質な恋人に逆恨みされるというところまでステレオタイプのストーリーだと思います。
暴力描写もそんなにひどいと感じませんでしたし、受けのトラウマも特に目新しいものはなかったかなと言う感じ。
あちらの絶対に笑わない家政婦さんと正反対でいつでもニコニコ笑っているニタ(本当は新田)さんをかけたのかもしれませんが、逆にこのタイトルでなかったら普通の健気受けとしてストーリーに入っていけたのに、どうにも元ネタが浮かんでしまうので物語に入っていけませんでした。
少し前に超訳で新作を出されていましたが、新刊は本当に久しぶりの作家さんです。昔から大好きで既刊本はほとんど読んでいますが、今作は作風を変えたのかなという印象を持ちました。
10代や学生の可愛らしく健気な受けがとても魅力的な作家さんなのですが、今作は少し年齢も高く純真無垢な健気というよりは強がりで一人で突っ走るタイプの健気な受けでした。
ラストのベッドシーンも、以前は良い意味でBLらしいファンタジーに溢れるものだったのですが、今作は下準備や後処理など少し現実実のある描写が多かったです。
長く活躍されている作家さんなので文章などが変化していくのは当たり前のことなのですが、本当に久しぶりの新刊だったので、少しだけ期待から逸れてしまいました。
ただ、数々の素敵な料理の描写や間男の襲撃は相変わらず面白いので、これからもずっと新刊を待ち続けることは間違いないです。
タイトル通り期待が大きかったため、読後の感想は、えっ!?て感じでした。
狂おしいほど攻めに恋焦がれる受けが正直ちょっとおバカちゃんなのかなって感じで、どうしても感情移入できず、さらに言えばキーキャラであるはずの兄はモブ感たっぷりでどうしてそんなに攻めが恋焦がれるのかわかりませんでした。
一応ちゃんとした根拠はあるのですが、それだけで?人を殺したくなるほど?って感じで。
とても評価が高かった分辛口かもしれませんが、仕事上のトラブルの説明やらなんやらで物語が結構占められて肝心の主人公達の気持ちの変化が見えづらかったのも萌えられなかった原因の一つかと思います。