秀良子さんのお話はこれの他に宇田川町〜しか読んでないですが、多分秀良子作品の中で最も好きなお話だと思われます。
金持ちくんの好きなのに素直に慣れないのに分かり易い(笑)性格が可愛くて良いし、貧乏人くんの何考えてるのか分からないけど優しい所もいい。
それよりももっと良いのはおじいちゃんたちの恋。
戦争が終わって、なんとか生き延びた時に好きな相手に「子供をたくさん作るぞ」って言われたら自分の気持ちを押し殺すしかないじゃない!!
貧乏くんのこと取り合うおじいさんと孫って一見ギャグみたいだけど、こう言うバックグラウンドを抱えて本当に純粋に貧乏くんのおじいさんが好きだったんだなぁって、むしろおじいさんを応援したくなってしまうくらい純愛なんですよね。
おじいさんの貧乏くんのおじいさんを想う気持ちに涙が止まらないお話でした。
宝井理人さんのお話は「セブンデイズ」から好きで読んでます。
ただ「花のみぞ知る」は途中から有りがちな展開と言うかちょっと好みじゃなくなってしまったのでスピンオフと聞いて暫くは放置してました。
でもやっぱり綺麗なタイトルと表紙に惹かれ購入。
戦後暫くたった時代が舞台ですが、儚さと美しさが共存したようなお話で私の好みドンピシャを突いてくれました。
最後の基晴のセリフが本当にせつない。
そして地味に基晴を慕ってた芸妓の子も切ない。欲を言えばもう少し芸妓の子と2人を絡ませてきちんと当て馬にして欲しかったと言う気持ちもあります(笑)
優しくてせつない気持ちにさせてくれるお話です。
もうちょっと2人の話を読みたかった、って言うのと「花のみぞ知る」の方で伏線引いておいて欲しかったなぁ〜と思います。
多分後から構想を考えた話なんだろうと思います。