思いのほかサラッと読めてしまった作品でした。
則雅への想いを抱えながら感じてしまったり、則雅に見られながら背徳感と絶望感の中で果ててしまう処女執事を期待していましたが、なんだかアッサリとサイに心を開いてしまった印象。
則雅への想いを越えてサイに惚れたとてつもない恋愛だと感心していたんですが、オチを読むと「なんだ最初から好き合ってたのか」と落胆。
サイもなんだか急に一気に優しくなって???まぁ本来最初から優しくしたかったみたいだからしょうがないけども。いやだったらいくら黒幕だったとしても己裕の慕ってる人の前で最初そんなに傷つくことする?
じわじわと懐柔されて、意識しだして、自分から攻めを求めてしまう受けが好きな私は、一度やり始めたら最後までしてしまうエロシーンは好みではなかったけど、69の描写はとっても興奮しました。
焦らされてサイの舌に自身を擦り付けてしまう己裕が、咥えられて達しそうになって「で、ます」ときちんと予告するのは執事らしいなと思いました。いたたまれない気持ちで主人に口内射精をしてしまって「まだ、出ています…まだ」と口走っているのも最高でした。小説でも漫画でも口内射精の描写って 我慢できなくて放ってしまう→受けが余韻でボーっとする→攻めが飲む みたいにサクサク流されてしまうんですが、もっと攻めの口内に放っている途中の気持ち良さとか恥ずかしさとかを描写してほしいと思っていたので、この作品で丁寧に書かれていて嬉しかったです。