愛がアンビバレンツな物で出来ているなら
愛は本来辛いものなのかもしれない
エバ、愛ってさ…
ただ一緒に居続けるって事なんだ――
生きてる時も死んだ後も…
言葉のチョイスがいつも詩的で素敵な藤たまき先生ですが、
愛のアンビバレンツさというのは先生の色んな作品に共通するテーマの1つのように思います。
特にこの作品は繊細でグロテスクで、暗くて、
エバの過去は痛々しくて、読んでいて辛い部分もありましたが、
ルーサがエバを囚われた過去から連れ出してくれる役割を果たしてくれたので、明るく優しいラストでした。
愛と救済については、「ホライズン」「桜並木袋小路」「アタ」
等でも描かれていますが、(これも先生の作品に共通したテーマの1つのように思いますが)不安定で繊細で時に大胆な心の動きを、
美しい言葉と可愛い絵柄で形を持たせる、すごい力量のある作家さんだと思います。