キャスト買い、原作未読での視聴です。
オメガバースという点を除けば、ド攻め様な主人×翻弄される綺麗受け執事の古典的な作品。ですが、想像していた以上に聞き応えのあるよい作品でした。
本作は基本受け時点で語られますが、受けのセノを演じられている高梨さんが非常に良かったです。冷静で執事然としたキャラのため場合によっては単調になってしまうところを、キャラ性を守りながらもどこか人間味のあるキャラに仕上げて下さっており、モノローグをずっと聞いていても飽きがこなかったです。「the 執事受け」なはずなのですが、感情の機微が繊細に表現されていて、攻めに翻弄されていく過程がすごく感情移入できました。お声のトーンも、決して低くはないけど可愛くなりすぎない、このキャラにちょうど良い品のあるお声・高さだったと思います。
絡みのシーンは大変えっちでした。とくにトラック4の挿入シーン、ちょっと声が裏返るのがヤバかったです。
高梨さん、お名前は伺ったことがありましたがキチンとお芝居を聞いたのは今作が初めてだったのでビックリしました。是非別作品でも聞いてみたいです。
攻めのリョウスケですが、見事なド攻めです。もうさすが阿座上さんという感じです。
が、それに加えてお伝えしておきたいのがトラック4でようやく受けのセノに対する感情を暴露するシーンの絶妙さ。攻めによる受けへの一方的な愛って、ともすると気持ち悪いストーカーっぽくなってしまうところを、きちんと「セノが心を奪われているリョウスケ」のままに表現してくださっているのがすごく良かったです。このシーン、個人的には非常に好きでかなりリピートしています。
絡みのシーンは言うまでもありません。もう攻めに攻めまくっておられました。
全体通して丁寧なつくりで想像以上によく、リピートできる良作でした。思ったよりレビュー数が少なく個人的には意外です。
以下、若干の難癖です。
・続篇予定とのことで、本作の終わり方は明らかに続きがあるなという感じです。一応音源としてのオチはついているのでクリフハンガーというほど不快感はありません。が、続編を買わなければ完結とは言えない仕様ではあるため、その辺りは注意した方が良いかと思います。
・他のかたもおっしゃる通り、射精音は改善点かなという感じでした。常時潮吹いてるのか?というレベルで「ぷしゃーっ」となるので、せっかく良い雰囲気の絡みシーンなのに少しもったいなかったです。視聴を勧めない理由になるほどの違和感ではありませんが、続篇に期待です。
キャスト買い、原作未読です。
少し古いタイトルだったので不安でしたが、思わぬ当たり作でした。
とにかくこの作品は、語り手である攻めのナオタカさんを聞き手が受け入れられるか否かで評価が変わると思います。いわゆる「信頼できない語り手」で、武士のような実直な語り口の反面、多々常識はずれはムーブをします。受けのマサキに対して「なんなんだコイツは」と呟くシーンがあるのですが、思わず「お前がいうな!」と笑ってしまったほどです。
ただ、自分がこの作品を当たり作だと思ったのはナオタカさんを演じる杉田さんおよび、振り回される受け・マサキ役の立花さんの好演でした。
まず、攻めのナオタカさんですが、当初は受けのマサキに振り回されながら、いつのまにか逆転してマサキを振り回し始めます。しかも、語り手として無意識にナルシストをしていたり、ちょっと倫理的にどうなのということも多々やらかします。
しかしがながら、杉田さんの好演によりこの破綻ぷりがちょっと許せてしまうだけの「抜け感」とか「愛嬌」が生まれており、常識人の顔したダメ男という面白いキャラクターになっていました。
続いてマサキを演じる立花さんですが、とにかくこのキャラがしっかり聞き手の心情によりそってくれたのが良かったです。少しスレでいるけど色っぽいマサキが、常識はずれな攻めの行動に逐一常識どおりのリアクションを取ってくれたのが、この作品が物語としてまとまった理由だと思います。色々可哀想な目に遭いながらもどんどんナオタカさんにハマっていってしまう過程がとても愛らしく感じられて良かったです。
絡みのシーンは言わずもがな、かなり濃厚でした。ゲイ受けならではのコッテリした絡みと、打ち解けていく途中の甘酸っぱい感じの両方が楽しめ、非常に満足感がありました。
時代的なギャップで多少「?」となる描写やBGMの古風さは否めませんが、ドラマ性含め、リピートできる良作だとおもいます。
キャスト買い、原作未読(拝聴後に購入済)です
阿座上さんが受けをされていると言うことで購入しました。ものすごくえっちでした。
まずストーリーについて、ガタイが良く絡まれがちで、弟や妹がいて大人な性格の受け・ジュンタくんが、穏やかな性格の「レンタルお兄さん」の攻め・アラタさんと依頼を通じて関係を深めていくお話です。一応大学生×未成年の恋愛ものなので、その辺りは創作物ということを前提に楽しんでほしいなと思います。
特典も含めるとかなり大ボリュームで、2人が恋人関係になるまでの過程や、甘々なその後までじっくり楽しむことができる作品でした。「穏やかエロエロ」系のストーリーかなと思います。
絡みのシーンはかなり容赦なくあります。特に結ばれてからは結構なペースでこなしていて、攻めのアラタさん、ド攻めというよりはヘタレ攻め系なのですがプレイは中々な事してるのがちょっと面白かったです。
キャストさんについて、受けのジュンタくんを務められた阿座上さんですが、本当に何故これで受け役が少ないのかという程度のお働きでした。ガタイの良いジュンタくんが年上のアラタさんにどんどん甘やかされていく過程、とてもえっちです。男らしい声だけどどこか品があるジュンタくんの喘ぎは是非多くの人に聞いていただきたいなと思います。
攻めのアラタさんを演じられた増田さんですが、個人的に受け役や若年の役をされる印象が強く(それこそ阿座上さんとご共演の別ドラマCDなど)、ちょっと意外なキャスティングでした。もちろんお芝居は当然のようにお上手だったのですが、ヘタレ攻めとはいえジュンタくんにだけ見せる包容力という点ではもう少し年上感のあるかたでも良かったのかな?とは思います。
ただ、だからと言ってドラマ的な違和感があるとかでは全く無いので、純粋な好みの問題として受け取っていただければ幸いです。
以下、若干の難癖です。
・ストーリーについて、終盤、攻めのアラタさんの経歴が明らかになる展開がすこし唐突に感じられました。序盤とくに伏線と思われるものが少なかったのに加えて、その経歴が明らかになることによって受けのジュンタくんの特異性が揺らいでしまったように感じられてしまい、個人的にその展開はなくても良かったかな〜とは思います。
キャスト買い、原作未読での拝聴です。
ひょんなことから付き合うことになってしまった男子学生のド王道青春もの……ながら、細部までしっかり作られたとても良い作品でした。決して特異な展開がある訳ではないのに、とにかくストーリー・キャラクター・BGMなどすべて心地よく、モリヤくんとタダくんがそれぞれの抱えている壁を乗り越えていく過程が矛盾なく進んでいくのが良かったです。甘酸っぱく、楽しく、ホッコリとした気分になれます。
キャストさんについて、まず受けのモリヤくんを演じる山下さんですが本作で初めて受け役を拝聴しました。モリヤくん自体は過去に男性への片思いをしているというキャラでしたが、ナチュラルに演じて下さっているためしっかり感情移入させてくれます。攻めに翻弄される立場だけど、ギャグになり過ぎず、丁度いい等身大な男の子という感じで非常に良かったです。絡みのシーンでのお芝居はえろえろという感じではないのですが、それがモリヤくんのキャラクターによく合っていました。とは言え、やる事はしっかりやってるのでその部分でも満足度が高かったです。とくに少々強引にキスされてるシーンはどれもたいへんえっちでした。
攻めのタダくんを演じる阿座上さんですが、ややローテンションで受けを翻弄する攻め役ということで、正に本領発揮という感じでした。
モリヤくんへの「一緒に女の子になろ?」の破壊力は是非多くの人に聞いていただきたいです。
受け視点から飄々とした様子を描写されるのでともすると意地悪で”ド攻め”な感じになってしまいそうなところ、絶妙なバランスを保っておられ、こちらもまたよい等身大の男子感が素晴らしかったです。絡みシーンは言うまでもなくえっちでした。
無理やり短所?も掲示したい所なのですが、正直なところ完成されていて余り難癖をつける部分がありません。萌え要素、音源としての聞きやすさ、えっち要素と一作品でそれぞれの要素をまんべんなく入ったとても良い作品でした。強いて言えば、オタク感のないタダくんの口から、我々腐女子がつかうようなカプ名が出てきたのが若干不自然だった、くらいでしょうか……?
キャスト買い、原作未読(拝聴後に購入済)で拝聴しました。
この作品で阿座上さん受けにハマり、その本数の少なさに絶望、渇望する日々が始まりました。タイトルにもありますが、なんで攻めばっかやってるんだ……となるものの、攻め役をされていても最高なのが困りどころです。
作品の感想に戻ります。
えっちさ120点満点に加え、ただえっちなだけに偏らずストーリー的な萌えもしっかりある大変満足な作品でした。受けが攻めの手中に落ちていく過程が上手に一つのドラマにされていて、BGMも適度に挟まり聞きやすいリピートできるクラスの良作です。
キャストさんについて、まず攻めの岸辺先生を演じておられる興津さんですがほんとうに良い仕事をしてくださっています。こういったちょっと偏ったキャラは天下一品という感じです。そして、本作ではそれに加え、セラピストとしてマッサージするシーンでは聞き手までふわふわになる癒しボイスを楽しむことができます。リピートできると先ほど言いましたが、まさにえっちだけど癒されもするので繰り返し聞きたくなる、という感じです。
受けの黒岩くんを演じる阿座上さんについてですが、この作品が初受けだったと知り大変困惑しております。この作品が2024年現在の時点でも1、2を争うレベルでハードだったのでは?というレベルで受けをこなされていました。大変えっちでした。しかも、俗に言う「快楽落ち」までの過程が自然と言うか、喘ぎに説得力があります(?)。特に絡み中の「らめ」というセリフは成人男性である黒岩くんのキャラとしてあんなに違和感なく出せるんだなと感心しました。後生ですからもっと受けをやって頂きたいです。
原作未読での拝聴だったため、カットについては寧ろテンポの良さを感じました。ただ、確かにドラマCDとしての完成度が高かった分、この仕上がりであれば是非あのシーンも入れて欲しかったなと、原作既読後の現在は惜しむ感情もあります。
また、限定ミニドラマについては必須というか、これ込みで一作品として認められるかなと思います。なので通常盤だけで満足できるのかはなんとも言えない所です。特典まで追加して購入されることをつよくお勧めします。
キャスト買い、原作未読(視聴後に購入済み)で拝聴しました。
ストーリーにどハマりしました。SMという特殊性癖のある受けとの関係を攻め視点から描写するという構造なのですが、攻め自身が恋愛感情だけでなく「普通」という価値観に翻弄され続け、モノローグさえどこまで本心なのか分からない。とにかくシンプルなのにすごく奥深い構造で、繰り返し聞ける名作だと思います。
キャストさんについて、増田さんの受けは本作で初めて聴きました。個人的にかなりナチュラル寄りなお芝居をされる印象があるのですが、トビタくんという何を考えているのか一見すると分からない、朴訥としたキャラクターによく合っているなと感じました。少しずつ関係性が動いていく過程を繊細に演じられています。
攻めのマスミについては、阿座上さんファンには本作を絶対に聴いてほしいなと思います。飄々とした表面上の言葉と、トビタくんと過ごす中で徐々におかしくなっていく様子、詩のような美しいモノローグの3つをこれでもかという破壊力で届けてくださっています。少し高めの声域なのも、等身大の大学生感があって素晴らしいです。
えっち度合いについては、まずSMという単語ほどハードではない事はお伝えしたいです。正確には、プレイ自体はハードだけど音声としては自然に流れていくというか、えっちではあるけどえっちさを売りにしている訳ではないという感じです。
それはそれとして攻めのマスミくんによる言葉責めや、トビタくんが痛めつけられて乱れる描写はたいへん良い仕上がりでした。
とにかく全体として「SMもの」だからと言って忌避されて欲しくないなと思います。本当にストーリーが良かったです。
以下、若干の難癖です。
・SMという特殊なプレイの関係上、絡みのシーンではどんな体勢/行為中なのかが分かりづらいです(上で言った「そこまでエロエロではない」の理由の一つでもあります)。ただ、作品の雰囲気を踏まえるとこれ以上説明口調になるのも違和感があるでしょうし、気になるかたは是非原作を買って確認するのが良いかと思います。
・「甘々な2人のその後」的なシーンはありません。ハッピーエンドではあるものの、その辺りが必須のかたには不満に感じられるかもしれません。ただ余韻が残る良い終わり方になっており、それを理由に購入を控えるほどでは無いかなと思います。
・パッケージがなぜかCD規格ではなくDVD規格なことが管理上でやや難点でした。また、配信関係の事情には疎いのですがこんなに素晴らしい作品なのに現在音声販売が無いのは非常に勿体無いなと感じます。
ドラマCDから入り、原作漫画無印→deeper 上下巻と拝読しました。
無印時点で人体の作画が上手な作家さんだな〜と思っていたのですが、deeperではそれに加えて「絡みシーンの湿度と躍動感」が増量されているなと感じました。
ドラマCDでジットリえっちだな〜という感想を受け、その後無印原作の順で拝読したため無印時代は比較的「ラブコメ色」をつよく感じていましたが、今作はドラマCDを越えるジットリえっちさでした。特に挿入シーンのスピード感が凄い。もはや主人公のナオトくんの尻が心配になる域で、「deeper」の名に恥じない仕上がりになっています。
唯一の難点は、ドラマCD続編を心待ちにしていた身として「これはえっち過ぎて音源化は難しいのでは?」と不安になる点です。そのくらいえっちだったという賞賛なのですが、なんとかこちらも音源化していただきたい…!
キャスト買い・原作読後の視聴
また世界に阿座上さんの受け作品が生まれると伺い、原作既読の上で拝聴しました。ちなみに原作漫画は本当に作画が美しいので是非合わせておすすめしたいです。
まず、想定外に良かったのが脇キャラの声優さんの好演です。とくにチビこうしろう・つばきさんはこれ以上なくハマっていて凄いなと思いました。
そしてメインお二人について。ゲンジはもう声が風呂のように温かかったです。冷たい対応をしていても包容力が溢れていました。イカついながらも美しい感じが期待通りでした。
コウシロウについては自分が阿座上さん目当てで購入したため大いに色眼鏡が加わりますが、ぜひこの繊細な「ネコ科」感が多くの人に評価されてほしいなと思いました。少し前に別作品でも「ネコ科」みのある受けをされていましたが、またそれとは違う良さがありました。
作品の雰囲気もあるため濡れ場は控えめだった気がします。が、阿座上さんについては過去の受け作品のハード率が高い分、それと比較してという評価ですので一般的なレベルではしっかりヤることヤってると思います。全くヌルくはないです、えっちです。
全体についてですが、作品の雰囲気を非常に大事に保っているため、繰り返し聞き続ける作品というよりは、手元に置いておいてふと思い出したときに聞き直したいようなストーリー・音源だったなと思います。
弱点として、もう少し序盤から中盤にかけてのテンポが速めだったらより一層ドラマチックに聞けたかなと思いました。
また、これは自分が原作既読で拝聴したので判断が難しいのですがストーリー上かなりファンタジックな描写が多いため、この状況って初見の場合どこまで読み取れるんだろうか、理解した上で感動できるんだろうかという所は気になるところです。