読んだ後に幸せな気分になれます。
もう本当に、天禅先生の作品はイイですね。
主人公はタイプは違うけど、ままならない事情を背負っていて、どこか似ている二人。
内なるものが惹き寄せあい、かなり早い段階でくっついたけど、若さゆえの熱情が相手を想う静かな優しさに包まれていて、嫌な感じはしなかったです。
ひとりでは乗り越えられなかった主人公二人のそれぞれの問題を、お互いが支え合うことで、一緒に乗り越え、幸せになっていく姿に胸が熱くなりました。
全体的に静かに時が流れ、フンワリと優しい感じの中に、涙腺が緩んでしまうようなシーンや台詞もあります。
巻末の書き下ろしで、比嘉(攻)にきゅっとくっ付いて寝ようとする野波(受)と欲情を我慢しようとする二人が何とも微笑ましかったです。
静かで柔らかい雰囲気やBLだけど涙してしまった天禅先生の古い作品「丘の上の楽園」「青色の澄んだ色は」を思い出しました。
大きな違いは本作はエロが多めです。
タイトルのイメージ通り、かなり騒ついています。
尚人はいつも通りの清流という感じで落ち着いていたけど、尚人以外がザワザワしています。
特に従兄弟の瑛は今のところ、救いようがありません(笑)
沙也加(篠宮家長女)も、今までとは違う意外な展開になっているけど、相変わらずな性格で、彼女が出てくる度にこちらもざわつきます。
内容はいつものワイドショーネタよりも尚人の高校の文化祭の話を軸に、篠宮家(雅紀・尚人・裕太)と従兄弟との間の埋まらない溝や現状を打開しようと足掻く慶輔(父)の虚しい空回り(この人もどうしようもないです)など、個々の思惑が動き始めたけど結局纏まらず、話はまだまだ続きそうです。
本音を言うなら、BLなので、そちらよりも雅紀と尚人に重きを置いて欲しい・・・
良かったのは、尚人と桜坂くんの大正浪漫コスプレ(書生風袴姿)を裕太が撮った写真で見て「ナマで見たかった」と本気で悔しがる雅紀。
そして、いつもより長いHシーン(ほぼ前戯)。
文化祭の後の高揚感からか、珍しく積極的な尚人に雅紀同様、少し驚きつつも、勿論、恥じらう尚人も健在で前巻よりも満足度は高めでした。
従兄弟を牽制する雅紀(挿絵あり)が正に篠宮家のガーディアンという感じで、心の中で「(そんな雅紀を)待ってたよ」とそっと呟きました。
あと、雅紀の剣舞ネタがサラッと済まされた感があるので、番外編を待ちたいと思います。
次巻はできれば、番犬トリオや加々美さん、ミズカルズ、伊崎(GO-SYO)、高倉など、雅紀の仕事に尚人達が絡んでザワザワするのを読みたいですっ。
※男子のみの登場を希望します。
おまけのAmazon限定ペーパーは雅紀視点で、文化祭翌日の尚人との入浴シーン。
裕太の尚人限定ツンデレや雅紀の嫉妬が可笑しかったです。
(円陣闇丸先生のイラストがまた変わったような・・・他の作品も、受けの顔が・・・)
前作で一番気になっていた黒髪に緑の瞳の美形レミが主役。
嫌なキャラだったはずのレミが、実はとんでもなく辛い境遇で育ち、父親に怯えながらも、自分よりも他人を優先できる優しい心の持ち主で、素直で可愛くて、そしてエロいという最高?の萌えキャラになっています。
前作から日が経っているせいか、違和感なくストーリーに入っていけたけど、ジョックストラップが出てきた辺りから、乳首クリップ、「イエス、サー」連発、癒しの力、レザーアイテム、過去の事件の真相などなど気になることがてんこ盛り状態に。
ジョックストラップ???Hのたびに出てくるので、ググってみたら、
なっ、ニューバージョンのふんどしのような・・・とても素晴らしい、いや、けしからん(驚愕の)下着?サポーター?
可愛いキャラのレミがそれを日常履きしてるの?そして、それについて、何のツッコミもしない攻めジェイク。
海外では普通なの??ジョックストラップの描写があるたびに過度に興奮してしまったのは私だけ?
特にジーンズを引き裂いて、ジョックストラップ着用中のお尻丸出しとか・・・(その挿絵はないけど、もし笠井あゆみ先生または昔の奈良先生の絵なら、確実に本を一旦閉じてしまっていたかも・・・しばし妄想)※麻々原先生の絵も大好きです。
ジョックストラップに興奮し過ぎましたが、
お話はレミとジェイクの関係が段階的に発展していく中、レミの弟への愛情や仲間(人狼)達との絆、非道な暴力親父との確執などが丁寧に描かれていて、レミ達が一つ一つ問題を乗り越えハピエンを迎えるので、読み終えた時に、なんだか映画を1本観たような満足感がありました。
次作はジェイクの相棒リースxレミの弟(勿論、美形)のようなので、これまた楽しみです。
そしてカップルが出揃ったら、またジェイクxレミで1冊出して欲しいです。再びジョックストラップ希望。
海外作品、人外もの、ソフトSM、美形カップル、そしてジョックストラップに興味のある方(笑)は読んで損はないと思いますよ。