中原さんの作品は二冊目です。
イラストが美しいので、まずは表紙をじっくり堪能する所からはじめました。
怪しげな占い師から、薄汚れたランプを売りつけられるというよくある感じの所からスタート。
…するのですが、そのランプから出てくるランプの精・キファーフが全く普通じゃない!
見た目は精悍な中年男性なのに、性格がとんでもないです。
とにかく、発言が酷い。下ネタにも程がある。
セクハラオヤジのような独特の言い回しが本当に凄いです。笑うしかありません。
いっそ、これがこの作品一番の見所なんじゃないかと思います。
物語としてはしっかり筋も通っていて、BLでなくファンタジー小説でも楽しめそうです。
個人的には、王子の形見の品を探す部分で、もっと謎解きのような要素があったら面白かったんじゃないかと思うのですが、そういう趣旨のものではないですし…
キファーフの他にもう一人、ランプの精が出てくるのですが、こちらはまだ半人前で見た目もお子様です。
主人公の匡とキファーフとこのお子様サラマの三人が団欒している所は親子のように可愛いので、その辺りもとても楽しめます。
初めて読む作家さんでした。
受がツンデレかつ、眼鏡の装着もあると聞いて購入しました。
普段は年下攻を読む事が多いので、読み始める迄は久しぶりの年上攻に不安もあったのですが、いざ読み始めるととても面白くて一気に最後まで突っ走ってしまいました。
とにかく主人公の直希が可愛いです。
王道の可愛らしさという意味では無く、不器用な子を見るときの「あーあ、しょうがないなぁ」的な可愛さです。
己を周囲によく見せんが為に影でこそこそ努力をしたり、クールなふりをして脳内であれこれ悩んでみたり。こっそり四苦八苦する様が良いです。
とにかく感情表現が下手すぎます。
とんでもない暴言を吐いたりするので、時折ドキッとすることも。
お相手の先生が包容力のある大人の男で本当に良かった…もし、直希のツンを真に受けるような人だったら、殺伐としたストーリーになってしまっていたでしょう。
内容が重くないので、ほんわかしたい時などに読むと良いんじゃないかなぁ、と思います。ダメな子を慈しむような気持ちで是非。