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本編170pくらいの中で新キャラのニコの出番が70p近くある(ニコの話題が出ていて佳乃が出ていないページを含めると80p弱)
※特装版未読

本編の半分を新キャラにあてていて、ロウと佳乃の触れ合いは少なく、想いを伝えあう場面もほぼセックスに終始。
何故かニコとロウの方がちゃんと会話をして心を寄せ合い距離を縮めている。
1の時点で、器用なようで恋愛下手なロウによって佳乃とロウの会話の機会はそこまでなく、2でやっと会話のターンが見れるんだろうなと思っていたので本気で驚いた。

なにより今回、ロウという存在がノンデリを超えて普通に恐怖だった。
色んな理由があって話しかけないでほしい、近づかないでほしいと願っている相手(ニコ)に対して、躊躇なく距離を詰め、持論をぶつける。誰かにそうやって近づかれて傷ついたことがないから。
講釈を垂れる、という言葉がピッタリ当てはまってしまい、未熟な姿を見せられ続けるのがかなりしんどかった。

それと、初手でニコに「それウィッグ?」と訊くシーン、そのセリフもさることながら、その後ニコが「もしもオレが無毛症や乏毛症だったらどうするわけ?」と問いかけるシーンも、作者や編集者に対して非常に微妙な気持ちになった。
いや、そのセリフが出せるなら、そもそもロウにも言わせない方がよかったよね? と。
無毛症や乏毛症の人が読んでいる可能性は0だと思ったのか分からないが、あとから慌ててフォローを入れている感じがした。
全ての人に配慮しろとは言わないが、ニコとの出会いのくだりを絶対に″ああ″しなきゃいけなかったとは思えないので、何故…の気持ちが拭えない。

ロウはまだ若く未熟だから仕方ない、これからだ、と書かれているレビューも多くあるが、今時の20代でここまで「分かっている風に首を突っ込んでくる」子はいない。(むしろ、我関せずを貫き通す子が多く、故にディスコミュニケーションに陥る、ということはある)
特にルックスやセクシャルへの言及については、以前よりずっと教育がなされている。
だから、ロウが「若いから」で許されることは無い。それは現代の20代を軽んじていることになる。
ロウが「ロウだから」未熟なのだ。
そこは作者も、その気持ちで描いていると思う。人はそう簡単に変われない、だから愛しい、という描き方なんだと思う。
でも私(たち)は、そんなロウに少しでも変わって欲しくて続編を読んでいる。
よって、今作へは落胆の気持ちの方が大きくなってしまうのだ。

単純に、
・ロウが佳乃と約束していたこと(お店でナポリタンを食べる)をニコと先にしたり
・佳乃に振る舞ったことがないだろう手料理を先にニコに作ったり
・そっとしておいて欲しいだろうニコを「自分が」放っておけないからという理由で布団を買ってまで泊まろうとしたり
・フリーにならないこと前提で、DV被害に遭っている失恋したばかりの相手に「オレがフリーだったら全然アリだよ」と言ったり
と、とにかくロウの言動が軽薄すぎることも気になった。
特に「フリーなら」のくだりについては、内容そのものへのデリカシーのなさ以上に、何故かロウが”選ぶ立場”として物を言っていることが気になった。
自分は”選ばれる”のではなく”選ぶ”側、という潜在的な意識が表層化した瞬間に思えた。

加えて、ニコがゲイであることを佳乃にアウティングした(本人の許可を取っていないため建設的なカムアウトではない)こと、これは普通に罪に問われる問題で、こんなに軽く流されていいことではない。出版社サイドのチェックも甘く感じた。

佳乃やニコがロウにとってあまりに都合よく、優しく、諭しているようで受け入れを強要されている存在に見え、それも苦しかった。両者ともロウの身勝手さに振り回されている印象だけが強く残った。

レビューを読んでいると、「先生が好きだから」「前作が好きだから」「いいところに目を向けるべき、向けてみた」と書いている方が多くいる。
即ち「いいところ探し」に終始しており、初読の感情に蓋をしているように思えた。
正直、読者側がその負担を請け負うこと自体が間違っている気がしてならない。
初見時に感じた気持ちを大切にするべきだし、その感情は決して間違ってはいない。

今後続編(あるいはスピンオフ)が描かれるとは思うが、ロウがここから急成長を見せたとしても、「あの時に傷ついた佳乃やニコや読者の気持ちは置いてけぼりなんだな」と思う可能性が高く、逆に読まない方がいいかもしれないな、とすら考えている。

これは単純に、作者の「成長しない萌え」と読者の求めるものが噛み合わなかった、というだけの話では無いと思う。

まさか商業BLを読んでここまでちゃんと傷ついたり淀んだりすることがあるとは思わず、言葉にしておきたかったためこの場をお借りした。
長々と失礼しました。