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国産BLとは一線を画すコミックかな

イカニモな受けの出てこない男っぽい作品。BLというよりはMMね。ボディもしっかり男だし、すでにこの辺りで好みが分れるはず。ストーリーはサイコサスペンスに分類されるのかな。話の展開はすぐに想像がつく。それほど斬新なスタイルではないと思いますが。

不条理に拉致られて犯されているんだから簡単にはアンアン言っちゃう流れには当然ならない。この段階では全く愛はありません。攻めの感情を愛と表現する事もできるのでしょうが一方が拒否している以上は単なる執着ですね。むしろ所有欲かも。個人的好みとしては、受けには頑張ってプライド保って歯をくいしばっていて頂きたい。エロシーンを目的に読むには中途半端かな。画にかいたような監禁凌辱モノですから痛いし、攻めの快楽もイマイチ伝わらないから読んでる側も感じない。読者が濡れるほどエロくはない。そう、攻めの目的がわからない。快楽殺人者というわけでもないようだし、単に拉致ってレイプするのが趣味ってわけでもないみたいだしね。
でも半分以上を読んで残りのページ数で話が終結するのかと心配になった。どうしても納得できない伏線もあるしなぁ。攻めのバックボーンもチラリと語れれてはいるけれど、わざわざ引っ張り出すほどの説得力がない。と、皆様のレビューを全然読んでいませんでした。1巻で完結しないのね。できればこの緊張感を持続させるためにも全巻出てから大人買いすれば良かった。
快楽殺人者でもなければ単なるレイプ魔でもないし、攻めの精神構造と受けはどーいった経緯で堕ちるのか。自分で想像して二度美味しい。

インテリ老眼鏡オヤジの存在感

正にbassoワールド。極端にセリフの少ない構成と前作にも増して洗練されたライン。
エロって感じよりもセクシーって感じね。
ボーイズよりはメンズに萌える私にとっては夏の陽に蕩けるジェラートのような美味しさ。インテリ故に、オヤジ故に素直に言葉にしない含みのある表現が画面の更に奥を想像させる。う~ん。妄想が暴走する。ピシッとキメたスーツとクールな表情の裏に隠された(ピシッと決まっていない人もクールじゃない人もいますが)ナマの彼らを感じます。
アンダーウエアの柄まで想像しちゃう。

コミックでもノベルでも恋愛モノの相手が男性に代わっただけのBLって退屈。
やっぱり♂×♂ならではの必然性と魅力をしっかり描いてこそのBL、と思う。
その点コチラは絶品。
すこし緩めたネクタイと老眼鏡越しの上目使いって必殺でしょ。

耽美・・ですか?

耽美派といわれて久しい作家さんですが、毎回首を傾げる。舞台が異国であったり本作のように何でも有りの絶海の孤島だったりと詳細な設定を必要としない状況を選んでいるのか。無論ファンタジーと言ってしまえばそれまでだが非日常の世界に遊ぶにも段階ってものがあるだろー、とつっこみたくなる。ストーリーは単純ながらスリリングで面白い。登場人物も粒ぞろい。でも彼等は作者によって説明されるだけで心象や背景がほとんど描かれず、説得力がない。しかも物語りもとーっても判りやすく、詳細を全て省いて進行する。そのため膨大なあらすじを読んでいる感しか残らない。他の作品と若干リンクしている部分もあるようだが単体で楽しめなくては意味がない。反対にH描写は長い。でも下手な男のエッチみたいに単純なので飽きる。濡れ場を際立たせるために他の描写を控えたのだとしたら作者の意図は不発。発刊が2000年という時差を考慮にいれても萌えない。趣味じゃない。ファンの方々ごめんなさい。