冒頭から久慈のモノローグに胸が熱くなる。
これまで表立って語られることのなかった久慈の感情。6巻ではエピソードの多くが久慈目線で描かれており、久慈ファンの自分にとってはかつてないほど感情が揺さぶられる内容だった。
久慈の朔太郎への積年の思いを綴った過去回想エピソードに胸が張り裂けそうな切なさを感じ、かと思えば軽口叩き合うふたりのやりとりにクスッと笑ってしまったり、愛情溢れんばかりの描写に昂ったり…。久慈の胸のうちが明かされつつ、エモと萌えがふんだんに盛りこまれた6巻!!
ラブは素直だけど甘くなりすぎずの絶妙な匙加減に胸がときめき、ライフはひとりひとりの人生にメッセージを投げかけてくるようで心に染み入る。
読んでいる最中は情緒の振れ幅が大きくて大変だけど(笑)読後の満足感と余韻が素晴らしいことこの上なし!
あの場面、あの台詞、あのモノローグ…
全巻全話を何度も読み返しては、各エピソードに散りばめられた先生からの「宝物」を探しながらその真意の答え合わせをしていくような…物語を読み深めていく楽しみもスモブルの魅力のひとつ。
毎話、毎巻、素晴らしいストーリー展開で読者を唸らせてくださるかもめ先生のその手腕に敬服し、もはや沼すぎて、作品と出会ってからはスモブルを忘れたことなんか一瞬たりともない!
かもめ先生の漫画への真摯な取り組みが作品から随所に感じられ、その作風がファンを魅了してやまない。
願わくば、久慈と朔太郎と同じ時間軸で自分も年を重ねていき、いつまでも2人を見守らせていただきたい…そう思わせてくれる素晴らしい作品です。
時間をかけてじっくりと味わい、いつまでもその余韻に浸っていたいと思える"大人仕様"の作品。カラダ先行だった2人の関係に、ようやくココロが追いつき重なった至福の5巻。
互いの想いを伝え確かめ、カラダを重ねていく様子は、彼ららしいやりとりの中に確かな愛を感じ、これまで2人を見守ってきた読者にとっては感無量!
表情、仕草、台詞、モノローグ…ひとつひとつが琴線に触れ、幸せが込み上げてくる。
ハイスペックながらも不器用な40代の2人、そして彼らと繋がる人々との「いろんな愛」に心が震え、彼らの日常を通して、読み手ひとりひとりにとっての大切な"何か"に語りかけてくれているような、とても素敵な作品。
読み終えたら当たり前に過ごしている日々がなんだかとても大切で愛しくなる。