だいきちさんのマイページ

レビューした作品

女性だいきちさん

レビュー数1

ポイント数8

今年度1322位

通算--位

  • 神1
  • 萌×20
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0
  • 絞り込み
条件

指定なし

  • レビューした作品
  • 神作品
  • 萌×2作品
  • 萌作品
  • 中立作品
  • しゅみじゃない作品
  • 出版社別
  • レーベル別
  • 作品詳細
  • レビューした著者別
  • レビューした作画別
  • レビューしたイラスト別
  • レビューした原作別
  • レビューした声優別
媒体

指定なし

  • 指定なし
  • コミック
  • 小説
  • CD
  • DVD
  • ゲーム
  • 小冊子
  • GOODS
発売年月
月 ~
レビュー月
表示モード

身も蓋もなく泣く攻めからしかえられない栄養がある

初代様には仲間がいない!という目を引くタイトルで出会ったのが最初でした。その後、この世界には〜が発売され、ああ、私はまたはいじ先生の作品に情緒を壊されるんだろうなあと覚悟をしてから読みました。
まずこのお話しは、見事な育む愛を読者として追いかけて見守ることができます。主人公はキトリス、とあることがきっかけでゲームの世界に転生した彼は、自分が周りから求められていた勇者ではないことに早々に気が付きます。
もてはやされ、持ち上げられ、その気になってたのに違うと言われた。普通なら、なんでだよ!と怒ってもいいところ。しかし、キトリスはいい意味で大人でした。彼は貧しい少年であるシモンに勇者の素質を見出し攻めであるシモンを勇者へと育成するわけです。
普通のBL展開とは違う。年下攻めは話の流れから勿論のことですが、この主人公。とにかく健気で心がきれいで、それでいて、シモンに師匠と呼ばせちゃうくらい、だれかの特別であることに憧れを抱いている。
キトリスにとって、クソ生意気で可愛げのないシモンは大切な勇者であり弟子。けして余裕なんてないはずなのに、キトリスは自分のことを全て後回しにしてシモンと孤児達を大切に守ります。完全にオカンにまわっているようなシーンは笑いを誘いますが、しかしこちらもはいじ先生の見事な伏線。後半にかけて、なにげなかった日常のシーンを再び思い返すことで情緒を鋭く殴ってくる。確実に、1回目と2回目では読み方が変わってしまう。この2人の不器用な恋模様は苦しく、そして理不尽な人の決めつけによってキトリスだけでなくシモンまでもが大切な何かを傷つけられていく。それは思い出だったり、心だったり、信じていたものだったり。
2人がすれ違ってしまうシーンでは、それぞれが離れても想い合う場面がありますが、それもキトリスとシモンで気持ちの持ち様は大きく違います。
こんな、スパダリじゃない攻めははじめて!初代様はクズ攻めでしたが、こちらの攻めであるシモン、お前の世界はキトリスとその他でできてるのかと思うほど、本当にあらゆる執着の色で構成されています。子供らしい可愛らしい嫉妬から、汚い人間の部分まで。おはようからおやすみまで、こんなに、肉肉しくおいしい人間味の強い攻めは他にないんじゃないかと思うくらい、ともかく人間性の描写がリアルです。読みながら、気がつけば親戚の立ち位置でずっとはらはらしてました。
そして、受けにいたっても元気に綱渡りをするかのような生き様なので、こちらも、みていて気が狂います。もう、すこしは自分をかえりみなさい!?とどこぞのお姉様のように本に語りかけてしまうほどです。この、人間として生きるのが下手くそな2人だからこそ噛み合っているのかもしれません。もともとは短編だったこちらの作品、こんなに濃厚なストーリーを短く収めていた手腕にも驚きますが、ともかく皆さんご覧あれ。はいじ先生のキャラクターを確かな存在として作り上げる話の構成力と世界観。肉感のある性格やら悩み、葛藤など。苦しくもはっとさせられる。読了後、こんなに濃いお話を書いた作者の、カラッとした晴天のようなあとがきまでおいしいそんな特別な一冊です。

エグいくらい伏線が張り巡らされてる

序盤から情景描写が視覚的に浮かびやすい。なので、ストーリーもより入り込める
何よりも、一貫して主人公視点で書かれているのがすごい!個人的には長編を視点揺れさせずに違和感なく書き続けるというのは相当な労力が必要では!?とおもっている。勿論編集さんもいるからだろうが、とにかくエマが心の成長と共に視野が広がっていく描写が、隣で一緒に見ているよう。しかし、ストーリーと感情移入のしやすさが魅力のこの作品、序盤の愉快な旅路が続くと思っていたら大間違い。後半にかけて読者の予想を裏切る展開が繰り広げられていく。読み込むうちに、あれ?これBLだよな!?と思うほど、前半のあれが伏線!?とびっくりしてひっくりかえる。可愛いお話とおもってホクホクと読めるのは前半、後半からは、作者樣に手綱を握られるように作品の世界にのめり込み、読者の情緒を殴ってきます(盛大に褒めてる)
とりあえず、読むときはタオル必須です。私は二度目に読むときは後方彼氏面で読んでましたが、まだ一回目では拾えてなかった伏線みつけてひっくりかえりました!!
軽い読み口で侮ったら後半に泣かされます、普通のBLとはひと味もふた味も違うばつ森先生ワールド、是非皆さんにも入り込んでいただきたい!