BLではじめて全話購入した作品です。
オメガのイヒョン。
クズの父親から借金を押し付けられ、弟を道連れに死のうとします。
借金返済のため、テジュにクラブで身体を売れと勧められます(結果的にはテジュ自身がそれを阻止しますが…)。
短気ですぐ手が出て、自分の首を絞めることになります。
でも、情が深く弟を何よりも大事にします。
実は繊細で、苦しくても我慢してしまい、他人に頼ることもしません。
アルファのテジュ。
貸金業の社長で、最初は本当にクズなのです。
出会ってすぐにイヒョンの“匂い”に我慢できずに手を出してしまうほどの。
でも、死のうとしたイヒョンを助けに部下よりも先に海に飛び込むし、
幼い弟のことも考慮して部屋も無償で用意してあげて、
真冬なのに薄着で出かけるイヒョンに自分のコートも着せてあげます。
しかも、意外にも常識的な考え方の持ち主なのです。
第2部終了時点で、イヒョンの一番の理解者です。
彼の設定が絶妙で、うまくいってほしいと思わず願ってしまいます。
この作品の好きなところは
心理描写が巧みで、主人公ふたりの気持ちがしっかりと表現されているところです。
こちらがモヤモヤすることがないのです。
シンプルで、くだけた絵柄が深刻な内容を緩和してくれるところも魅力です。
絵柄に関しては好みが分かれるかも(雑に見えるときもあるので)。
作品の完成度が高く、このクオリティのまま完結まで頑張ってほしいです。